ナイスグループは、地震に強く、安全・安心な住まいの提供・普及に加え、人と環境に優しい木材・建材・住宅設備機器の普及・促進に向けて、会社の最大の財産である人材のポートフォリオを適時最適な状態に保つとともに、多様な人材が主体的・自律的に能力や個性を発揮できる環境を整え、役職員の成長を促すことが会社の成長にもつながるという考えのもと、「働きやすさ」と「働きがい」の向上を図ります。
また、横浜市、川崎市等を中心として、様々な地域の行政機関や地域の皆様と連携し、地域社会の活性化や課題解決に努めています。
多様性を高める人材戦略と環境整備
ナイスグループは、性別・国籍・年齢及び雇用形態などに関わらず、多様な人材それぞれの個性を尊重し、社員一人ひとりが主体的・自律的に能力や個性を発揮し、活躍できる企業を目指しています。このような考えのもと、管理職等、中核人材の登用については、個人の能力を公平・公正に評価し、実施しています。
また、中長期的な企業価値の向上に向けた人材戦略の重要性及び現在の人員規模・人員構成に鑑み、これまで以上に女性及びキャリア採用者の管理職登用を推進するとともに、社内研修の推進などにより社内への価値観の浸透を図り、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に取り組んでいきます。
研修制度では、新入社員研修や昇格時研修などの階層別研修、コンプライアンス研修などの全体研修のほか、事業部ごとに研修や勉強会などを開催し、社員の学びの機会の充実を図っています。また、個人のスキルアップや自己啓発を図るための資格取得支援制度に加え、社員のキャリア形成を後押しできるよう、挙手制で部署異動や職種変更などを申告できるキャリアエントリー制度を導入しています。
研修制度 |
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自己啓発支援制度 |
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キャリア開発制度 |
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ナイス株式会社では、女性活躍推進法に基づき公表している行動計画において、2021年4月から2026年3月までの5年間で、女性の採用比率を40%以上にすること、管理職に占める女性の比率を2021年3月末時点の2倍にすることを目標として掲げており、達成に向けて取り組んでいます。
ナイス株式会社では、社員が心も身体も健康で働けるよう、社員の健康課題を適時適切に把握し、解決に向けた取り組みを推進するため、定期健康診断の受診はもとより、産業医や保健師、心理士を配置しているほか、メンタルヘルス不調等を未然に防ぐことなどを目的として、従業員50人未満の事業所を含めた全社でストレスチェックを実施しています。また、ナイスグループ健康保険組合と連携し、がん検診や脳ドックなどのオプション健診や人間ドック、禁煙外来の受診に対する補助を行っているほか、家族を含めたウォーキングやダイエットなどのキャンペーンを実施するなど、社員や家族の健康維持・増進を図っています。
ナイスグループでは、法定の安全委員会・衛生委員会とは別に、安全衛生活動を強化するため、物流・製造・施工管理に関連する各部署、グループ会社が連携し、3カ月毎に中央安全衛生委員会を開催しています。労働安全衛生に関する取り組みの共有とともに、グループ内で発生した労働災害・事故について、報告書をもとに確認、原因分析を行い、再発防止に努めています。
連結従業員数を除きナイス株式会社単体でのデータとなります。
○人材
単位 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
---|---|---|---|---|
連結従業員数 | 人 | 2,457 | 2,534 | 2,431 |
従業員数 | 人 | 940 | 952 | 941 |
女性従業員比率 | % | 23.5 | 25.2 | 27.1 |
男性の平均年齢 | 歳 | 45.3 | 45.5 | 45.5 |
女性の平均年齢 | 歳 | 42.5 | 41.9 | 41.6 |
男性の平均勤続年数 | 年 | 20.0 | 20.3 | 20.7 |
女性の平均勤続年数 | 年 | 14.8 | 14.2 | 13.9 |
○ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン
単位 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
---|---|---|---|---|
女性管理職比率 | % | 2.6 | 3.2 | 3.0 |
新卒採用者数 | 人 | 4 | 23 | 41 |
新卒採用における 女性採用比率 |
% | 0.0 | 34.8 | 43.9 |
キャリア採用者数 | 人 | 4 | 31 | 7 |
キャリア採用に おける女性採用比率 |
% | 25.0 | 67.7 | 42.9 |
○ワークライフバランス
単位 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
---|---|---|---|---|
平均年次有給休暇 取得率 |
% | 37.7 | 53.5 | 62.3 |
リフレッシュ休暇 ※取得率 |
% | 13.8 | 52.6 | 27.6 |
男性の育児休業 取得率(新規) |
% | 0.0 | 5.3 | 6.7 |
女性の育児休業 取得率(新規) |
% | 100.0 | 100.0 | 116.7 |
女性の育児休業 からの復帰率 |
% | 100.0 | 100.0 | 100.0 |
※社員の心身のリフレッシュ及び慰労、自己啓発を目的として、勤続5年ごとに5日間の「リフレッシュ休暇」を取得することとしています
販売店様の業務効率化を支援
ナイスグループでは、住まいづくりに携わる販売店様や工務店様、仕入先であるメーカー様を、エンドユーザーの住まいづくりを実現する「パートナー」と位置付けています。
大切なパートナーである販売店様のIT化や、DXの構築をサポートするため、建材・住宅設備機器・木材のオンライン発注システム「ナイスアドバン®」や、販売店様向けに特化した経営管理システム「木太郎®」を提供しています。
「ナイスアドバン®」は、商品のスピーディーな発注・在庫照会やタイムリーな納期確認を行うことが可能で、全国で約2,200社に活用いただいています。「木太郎®」は、見積書・請求書・納品書の作成はもちろん、見積もり業務・売り上げ業務・請求業務・仕入れ業務・受発注業務を連動することで、業務効率を高めることを可能としており、約1,000社への導入実績を誇っています。
「ナイスサポートシステム®」は、建築資材事業と住宅事業を併せ持つナイスグループのシナジーによって生み出されたシステムです。集客から打ち合わせ、契約、設計、施工、アフターサービスといった家づくりにおけるサポートに加え、住宅ローン相談や各種保険の取り次ぎ、受発注業務など、様々なワークシーンをサポートしています。
ナイスパートナー会とは、ナイス株式会社資材事業本部のお取引先様である木材や建材、住宅設備機器を取り扱う販売店様と、仕入先であるメーカー様・建販商社様とナイス株式会社によるネットワークです。業界動向などの情報交換を通じて相互の連携を深めることで、参加会員様の更なる発展を目指しています。現在、全国16の地区会と、全国組織である連合会からなり、約1,000社にご加盟いただいています。
「ナイスビジネスレポート」は、全国の製材事業者様に対して木材の市売り状況をいち早くお届けすることを目的として1950年に創刊した情報紙です。70年以上にわたり、通算2200号以上を発行しています。 現在では、木材や住宅に関する行政の動向や関連業界のトレンド、当社の経営方針といった内容について、木材・建材・住宅設備機器の販売店様や工務店様をはじめ、行政や学校など、全国各地のステークホルダー様へ向けて約1万部を発行しています。
出前授業などを通じた「木育」の推進
木を使うことの大切さを伝えるため、お子様の情操教育に良いとされる「木育」に取り組んでいます。全国の拠点やイベント等で、国産材を使ったイスづくりや積み木を通じて木との触れあい体験を実施しているほか、近隣の小学校などとも連携して、木を使うことの大切さや木造住宅が健康に与える影響などについて、授業等を通じて分かりやすく伝えています。引き続き、木材普及イベントなどによる木と触れあえる機会の創出等を通じて、地域社会に貢献していきます。
創立60周年を記念して、香川県小豆島にある土地を取得しました。約1年をかけて農地や山林の整備を行って500本のオリーブの苗木を植樹し、「ナイス小豆島オリーブの森」を開園、2021年で10周年を迎えました。
現在の面積は約1.8ヘクタールに及び、地元の障がい者施設の皆様に、水やりや収穫作業等をご支援いただきながら、大切にオリーブを育てています。
毎年秋には、地元の皆様とともに全て手摘みで収穫作業を実施し、「ナイス小豆島オリーブの森」から獲れたオリーブの実を使用したエクストラ・バージンオリーブオイルや塩漬けを製造しています。
1995年に発生した阪神・淡路大震災では、死因の8割以上が家屋の倒壊や家具の転倒などによる圧死・窒息死とされています。一方で、倒壊した家屋の多くが、1981年以前の旧耐震基準で建てられた住宅であったことが分かりました。これを受けて、ナイスグループでは、「住まいは命を守るものでなければならない」との強い想いのもと、旧耐震基準で建てられた住宅の建て替えまたは耐震改修の必要性を訴え、2001年より「住まいの構造改革」の提唱を開始しました。
2003年には、耐震診断と補強工事に関する知識と技術の普及を図る目的でNPO法人を設立、1,600名を超える耐震技術認定者の養成を通じて、住宅の耐震化率の向上に貢献してきました。
また、全国各地のイベントにも出展し、建築年代ごとの揺れ方の違いについて「動く耐震模型」を活用して分かりやすく伝え、消費者が耐震リフォームなどのアクションを起こす機会を創出してきました。
自社が供給する住宅については、一戸建住宅は建築基準法で定められた最低限必要な耐震強度の1.5倍となる耐震等級3を標準としているほか、マンションは原則として免震構造を採用するなど、地震に強い住まいづくりを推進しています。
2011年の東日本大震災では、被災地域の方々の安全・安心な暮らしを確保するべく、東北復興に取り組み、震災直後より、宮城県・福島県で合計1,088戸の木造の応急仮設住宅の建設に携わりました。その後、地域の企業様と一体となって、災害公営住宅の建設に携わりました。2016年の熊本地震では、熊本県産材をはじめとする建築資材の供給を中心として、木造の応急仮設住宅や復興住宅に携わりました。
海岸防災林の植樹活動
東日本大震災の津波被害に遭った海岸防災林を再生させるための植樹活動を推進しています。2018年には宮城県東松島市、2019年及び2020年には同仙台市において、ボランティアの皆様と抵抗性クロマツ苗を植樹しました。
海岸防災林は、潮害の防備、飛砂・風害の防備等の災害防止機能を有しており、農地や居住地を災害から守るなど地域の生活環境の保全に重要な役割を果たしています。東日本大震災により流失した海岸防災林の地に、新たなマツが立派に育ち、災害から地域を守ってくれることを願い、樹の成長を見守りながら、刈り払い活動を行っています。
横浜市と2015年に「包括連携協定」を締結、環境・健康に配慮した建築物の普及や、木材の利用促進などの幅広い分野で連携を強化しています。2022年には、京都市北部から産出される北山杉の利用促進に向けて、京都市などと「建築物等における北山杉の利用促進協定」を締結しました。また、川崎市などによるSDGs認証制度等において登録・認証を受けており、社会課題の解決に向けた取り組みを推進しています。
ナイス株式会社では、マンションの建設に当たって、法律上検査義務のないフロアについても第三者機関による厳しい検査を実施しています。また、建築現場を24時間ライブ中継する「ナイスビューシステム」で、ご購入者様に工事状況を公開しています。更に、設計審査、構造チェック、基礎検査、設備中間検査、上棟検査、竣工検査に加え、竣工後の仕上がりを暮らす人の視点でチェックする、七つの品質検査を行っています。 一戸建住宅については、国土交通大臣に登録した登録住宅性能評価機関に所属する設計段階の検査である「設計住宅性能評価」と、建設工事完成段階の検査である「建設住宅性能評価」を受けています。求められている性能通りに設計がなされ、また、評価を受けた通りに工事が進められているかの検査を実施することで、品質の確保を図っています。