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国土交通省 「令和7年度住宅市場動向調査」 費用負担の軽減に向けた資金計画と税制提案を
「令和7年度住宅市場動向調査」とは、住み替え・建て替え前後の住宅や、その住宅に居住する世帯の状況、及び住宅取得に係る資金調達の状況等について把握し、今後の住宅政策の企画立案の基礎資料とすることを目的として、国土交通省が毎年実施している調査です。今回は、令和6年度(2024年4月から2025年5月まで)に住み替え、建て替え、またはリフォームを行った世帯を対象に行われた本調査で明らかになった傾向をご紹介します。
新築住宅取得世帯は自己資金比率が低め
住宅取得やリフォームに要した資金の平均値については、土地を購入した新築世帯における注文住宅が7,646万円で最も高く、次いで分譲集合住宅が6,443万円、分譲戸建住宅が5,099万円となっています。既存(中古)住宅においては、既存集合住宅が3,321万円、既存戸建住宅が2,966万円となっており、リフォーム資金の平均値は170万円という結果となりました。自己資金比率を見ますと、リフォーム世帯が84.2%で最も高く、次いで注文住宅の建て替え世帯が51.5%となりました。一方で土地を購入した注文住宅新築世帯は30.1%、分譲戸建住宅は26.7%にとどまり、新築住宅取得世帯において自己資金比率が比較的低くなっている傾向が見られます(図1)。新築住宅を検討する顧客層に向けては、資金計画の初期段階から無理のない借入計画や返済シミュレーションを丁寧に提示するアプローチが効果的と考えられます。

注文・分譲住宅では予算超過による不満が目立つ
新しく建築、購入、あるいは入居した住宅において、居住者が満足していないと感じている要素についても調査が行われました。調査の結果、注文住宅を除く利用関係、すなわち分譲住宅や既存住宅、民間賃貸住宅などにおいては「特になし」とする回答が最も多くなりました。具体的な割合は既存集合住宅で44.4%、分譲集合住宅で40.0%、既存戸建住宅で38.3%、分譲戸建住宅で35.2%、民間賃貸住宅で29.7%を占めています。一方で、注文住宅世帯においては「価格(予定より高くなった)」という項目が最も多く36.1%に達しており、次いで「住宅の広さ」(18.8%)、「間取り、部屋数」(16.8%)の順となりました(図2)。また、分譲戸建住宅においても価格に対する不満が21.9%と上位に挙がりました。注文住宅や分譲住宅の計画においては、予算超過による不満を防ぐための価格管理を行うとともに、限られた予算内でも満足度の高い広さや間取りを確保できる設計上の工夫を提示することが求められます。

既存住宅での二重サッシ、複層ガラスの整備率は低調
住宅に導入されている省エネ設備の整備状況については、「二重サッシ又は複層ガラスの窓」において注文住宅の建て替え世帯で整備率が最も高く、88.5%に達しています。一方で、「太陽光発電装置」「蓄電池」「EV充電器」「高効率給湯器」の4設備においては、いずれも注文住宅の新築世帯で最も整備率が高くなっています。具体的な整備率は、高効率給湯器が71.5%、太陽光発電装置が62.5%、EV充電器が33.9%、蓄電池が31.7%となりました。これに対し、既存戸建住宅では二重サッシ又は複層ガラスの窓が22.5%にとどまるなど、中古物件や民間賃貸住宅においては整備率が全体的に低くなっています(図3)。注文住宅新築における高い省エネ設備整備率を標準的な指標としてアピールする一方で、整備率が全体的に低い既存戸建住宅や賃貸住宅に対しては、窓の断熱改修から段階的に提案していくことが有効と考えられます。

住宅取得を伴わないリフォーム世帯の税制利用はわずか
所得税の「リフォーム促進税制」の適用状況については、既存住宅を取得した後にリフォームを実施した世帯の中で、同税制の適用をすでに「受けた」もしくは今後「受ける予定である」を選択した割合は、既存戸建住宅取得世帯で14.7%、既存集合住宅取得世帯で12.2%となりました。既存戸建住宅の内訳は「受けた」が12.1%、「受ける予定である」が2.6%となっています。一方で、既存住宅の取得を伴わないリフォーム実施世帯において、同税制の適用を「受けた」または「受ける予定である」とした世帯の割合は4.3%にとどまっています。特に既存住宅の取得を伴わないリフォーム世帯における税制利用率が極めて低い実態を踏まえ、リフォーム検討時には所得税の減税措置などの優遇制度を積極的に紹介し、顧客の費用負担軽減をサポートする姿勢が重要となります。

