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国土交通省 2026年度「空き家対策モデル事業」 全国展開が見込める36件の事業提案を採択
五つのテーマで募集
国土交通省は7月8日、2026年度「空き家対策モデル事業」の採択対象を公表しました。本事業は、NPOや民間事業者等の創意工夫によるモデル性の高い空き家対策に関する取り組みに対して国が直接支援を行い、その成果の全国展開を図ることを目的としています。
今年度は、「空き家に関連する新たなビジネスモデルの構築」や「新たなライフスタイルや居住ニーズに対応した空き家の活用等」、「空き家に関する新時代のインフラ整備とAI・デジタルなどの新技術の徹底活用」などを含む五つのテーマが設定されました(図)。全国から117件の応募が寄せられ、その中から合計で36件の事業が採択されています。今後、採択された事業についてそれぞれの地域で実証が行われ、その成果がモデルとなり全国に普及することが目指されます。

循環型リノベーションが高い評価を得る
「空き家に関連する新たなビジネスモデルの構築」では、異業種連携やデジタル技術の活用により空き家対策を効率化する取り組みが11件採択されました。例えば、岡山県井原市の「スムヤドスム」モデルは、空き家を改修して平時は二地域居住先や民泊として運用し、災害時は被災者の緊急避難先とする一棟三役の運用を行うものです。この提案は不動産、建築、防災、宿泊など多様な業種が密接に連携しており、波及性の高さが評価されました。また、ガス閉栓の依頼を受けるタイミングで空き家所有者に接触し、空き家の発生抑制や適正管理を促進する都市ガス会社の提案等も、横展開の可能性の高さが評価されました。
「新たなライフスタイルや居住ニーズに対応した空き家の活用等」では12件が選定されています。能登半島地震の被災地での二地域居住促進モデルや廃銭湯を再生させて若者の定住を促す提案は、地域特性を踏まえた有効な活用策として評価されました。また、鉄道会社や不動産事業者等の連携による住宅ストックの循環利用を促進するモデルを構築する提案や、解体後の古材を主要材料とした循環型リノベーションの提案などが高い評価を得ました。
一方で、これらのテーマに対する提案のうち、有効性は高いものの新規性に欠ける提案や、実施体制の具体性が不十分で実現性に乏しい提案などは、評価されにくい傾向です。
AI活用による空き家判定インフラの構築を提案
「空き家に関する新時代のインフラ整備とAI・デジタルなどの新技術の徹底活用」では、AIやデジタル技術を用いて実務を高度化する6件の事業が採択されました。このうち、車両や歩行者に搭載した360度カメラとAIを活用し、建物単位の外観画像を収集して空き家判定インフラを構築する提案は、自治体担当者の実務負担を直接的に軽減するアイデアとして高い評価を得ました。
また、AIや地域データを活用して複数の選択肢を比較・可視化し、所有者の意思決定を支援するプラットフォームの開発や、過去の借上げ実績を学習したAIによる相談業務の効率化も注目されています。その一方で、AIを活用した提案であっても、必要なデータの入力や所有者へのアウトリーチといった実務ニーズにマッチしておらず、有効性や展開性に乏しいと判断されたものは低い評価にとどまりました。

