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林野庁 建築物における木材利用の促進に向けた措置の実施状況の取りまとめ 広がる木材利用促進協定、非住宅木造率も増加
林野庁の木材利用促進本部が公表した、2025年度の「建築物における木材の利用の促進に向けた措置の実施状況の取りまとめ」では、官民連携による協定の拡大に加え、非住宅分野における木造率の上昇など、建築物一般への木材利用が着実に浸透している状況が示されました。今回は、2025年度の実施状況や木造化の動向についてご紹介します。
全都道府県で木材利用方針が策定済み
2021年10月に施行された「都市(まち)の木造化推進法」により、都市等における建築物での木材利用をより一層促進するため、基本方針の対象が民間建築物を含む建築物一般に拡大されました。地方公共団体における木材利用方針の策定状況については、2025年12月末時点で、47都道府県の全てにおいて都道府県方針が策定されています。また、市町村方針についても農林水産省が都道府県を通じて法の趣旨の浸透や策定への働きかけを継続的に行っており、全市区町村の95%に当たる1,657団体が既に方針を策定済みです。
活用が広がる「建築物木材利用促進協定」
建築主などの事業者等と国または地方公共団体が連携して木材利用に取り組むことを定める「建築物木材利用促進協定制度」の活用状況について、国と事業者等の間では2026年3月16日時点で31件の協定が締結されています(図1)。この枠組みにおいてナイスグループは農林水産省と協定を締結しており、森林育成から加工、住宅供給に至るサプライチェーンにおいて、業界ネットワークを生かした国産材利用の推進に取り組んでいます。このうち本取りまとめでは、ナイスグループのYOUテレビ㈱が制作を担う、木材利用の最前線を紹介する番組「MOKUストーリー」を通じた、一般消費者に対する国産材利用に関する普及啓発活動が具体的な事例の一つとして紹介されています(図2)。


地方公共団体と事業者等の間でも建築物木材利用促進協定の締結が活発化しており、2026年3月16日時点では計217件の協定が締結されています。これらの協定に基づき、2025年には計3,869件の建築物の木造化や木質化が行われたほか、設計者や施工者の人材育成、一般向けの情報発信などが各地で展開されました。具体的な事例として、ナイス㈱は大倉工業㈱とともに徳島県及び香川県と、地域産材の利用促進に関する4者協定を締結しました。昨年には、徳島県に集成材の材料となるラミナを生産する新工場を竣工し、横架材における国産構造用集成材の提案強化を図っています。
また、各都道府県では建築物木材利用促進協定の相談窓口を設置しており、埼玉県、長野県、静岡県を含む13県及び6市の自治体で、補助事業において協定締結者に対して優先的に支援する措置が講じられています。更に国も、各省庁が連携して優良な取組事例の情報共有や広報活動を行うことで、建築物における木材利用の更なる普及を後押ししています。
非住宅の木造床面積は横ばい、木造率は増加傾向
木材利用の最新状況については、2024年における建築用材等の総需要量は3,004.6万㎥で前年より増加しました。一方、国内生産量は1,590.2万㎥で前年比微減となり、自給率は52.9%となりました。木造建築物の着工状況については、2024年に着工した低層住宅の木造率は床面積ベースで83.5%と高い水準を維持しています。非住宅建築物全体の木造率は9.6%であり、着工床面積は横ばいですが、木造率自体は近年の増加傾向を継続しています(図3)。特に医療や福祉用建築物、不動産業用建築物といった用途では上昇傾向が見られており、今後の更なる拡大が期待されます(図4)。


政府は建築物への木材利用をより効果的に促進するため、様々な利用環境の整備を進めています。このうち、農林水産省では温室効果ガス排出量算定制度の見直しを契機として、建築物等への木材利用を通じた「森の国・木の街」づくり宣言への参画を募集しました。この宣言は、自治体や企業等が、建築物の木造化などの木材利用の推進や、木材利用による効果の見える化に取り組むことを宣言するものです。2026年3月15日時点での宣言者数は406者に達しており、その内訳は30都県、59市町村、317企業等となっています。ゼネコンや工務店などの建築関係企業も80者以上が参画しており、ナイス㈱も昨年10月1日に参画しています。

