ニュース&レポート
経済産業省 小規模事業者の『稼ぐ力』の強化に関する中間取りまとめ 成長志向の企業創出に向けた支援策の展開目指す
賃上げ好循環の実現に向けた抜本的施策を検討
経済産業省は5月22日、「小規模事業者の『稼ぐ力』の強化に向けた諸課題に関する検討会」の中間取りまとめを公表しました。2025年3月に小規模企業振興基本計画が閣議決定されたことを受け、全国で285万社にのぼる小規模事業者が賃上げの好循環を実現できるよう、経営力を向上させて稼ぐ力を高めることが急務となっています。現在、小規模事業者の経営環境は、大幅な賃上げや深刻な人手不足、原材料・エネルギー価格の高騰など、急速かつ大規模な変化に直面しています。こうした時代の転換点において、本検討会では基本計画に基づき、小規模事業者の稼ぐ力の強化をテーマとして議論が重ねられてきました。
「成長志向の経営計画」を宣言した事業者へ優遇措置
本中間取りまとめでは、成長志向の小規模事業者が直面する経営課題に対応するため、「成長志向の経営計画(仮称)」の宣言制度を整備する方針が示されました。本制度では、経営管理能力の高度化と経営改革を図るために、商工会や商工会議所の経営指導員による伴走支援を必須とした上で、売上規模を拡大して売上高1億円を目指すことや、高収益型を実現するといった挑戦的な目標を設定した経営計画の策定が求められます。宣言に当たっては、支援を行っている商工団体の登録や公表を必須とすることで、支援の実効性が裏付けられます。
本制度を活用する事業者に対しては、信用力を高めるだけでなく、小規模事業者が活用可能な補助金制度における優先措置の導入が検討されています。また、資金面でもマル経融資(小規模事業者経営改善資金)の優先適用や、将来的な民間金融機関からのプロパー融資増加を見据えた接点強化を推進するとしています。地域の身近な経営者が成長する姿を可視化することで、他の事業者にも「自分もできるのではないか」という意識変容の波及効果をもたらすことが期待されています。
広域支援体制の普及とプッシュ型伴走支援による機能強化
稼ぐ力を高める伴走支援を強化する一方で、支援機関側のリソース不足という課題を見据え、広域支援体制の整備を推進するとしています。具体的には、複数の商工団体を包含する体制として、高度な実務経験を有する広域経営指導員の普及を図る方針です(図)。広域経営指導員は、広域的な支援計画の策定や管理を実行し、各地の経営指導員への指導を通じて支援の質の向上を担うことになります。これにより、組織の枠を超えた指導ノウハウの共有と支援業務の効率化を一層推し進める狙いです。併せて、事業者に経営改善への気づきの機会を提供するため、プッシュ型の伴走支援を促進するモデル事業を全国展開するとしています。地方公共団体のリードのもと、巡回相談や地方紙広告などを活用し、経営課題解決の最初の一歩となる気づきを積極的に提案していく意向です。
本検討会の中間とりまとめを受け、今後、必要な措置や施策の具体化を進めるとしています。


