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ナイスビジネスレポート編集部 中東情勢を踏まえて各省庁が連携 中小企業・小規模事業者向け支援措置等まとめ
経済産業省は、昨今の中東情勢を踏まえ、「中東情勢関連対策ワンストップポータル」を開設し、原油価格の高騰により影響を受ける事業者等に向けた情報発信を行っています。今回はこのうち、中小企業・小規模事業者や木材関連事業者に向けた支援措置等についてまとめました。
中小企業庁 適切な価格転嫁等に対する要請
①取適法・振興法の遵守、サプライチェーン全体での取引適正化
中東情勢の変化等に伴う原油価格の高騰を受け、中小企業・小規模事業者の経営への影響が懸念されています。こうした状況下でも賃上げを継続できる環境を整えるため、経済産業省と公正取引委員会はサプライチェーン全体での取引適正化を要請しています。具体的には、2026年1月施行の「取適法」に基づき、一方的な代金決定や「買いたたき」を禁止しています。また「振興法」においても、適正な利益を含み賃金等の改善が可能となるよう、十分な協議による価格決定を求めています。原材料費等の上昇分を考慮した適切な決定が必要であり、特に価格が急騰している品目については通常の改定時期を待たず積極的に協議を行うよう注意喚起しています。
②相談窓口・資金繰り支援の周知
中小企業庁では、昨今の国際情勢や原油価格高騰の影響を受ける中小企業・小規模事業者を支援するため、全国約1,000カ所に「中東・ウクライナ情勢・原油価格上昇等に関する特別相談窓口」を設置しています。加えて、日本政策金融公庫等によるセーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)において、原材料価格やエネルギーコストの上昇による影響を受け一定の要件を満たす事業者に対しては、金利の引下げを実施し資金繰りを支援しています(次面にて詳細)。更に、企業間の取引全般に関する相談については、弁護士等の無料相談などで対応する「取引かけこみ寺」を全国48カ所に設置し、幅広い相談体制を整えています。公正取引委員会においても、「買いたたき」を含む取適法の解釈に関する相談を受け付ける「不当なしわ寄せに関する取適法の相談窓口」を設置しており、これらの支援策について関係事業者への広い周知を依頼しています。
③取引適正化に係る調査への協力
取引の実態を把握し適正化を推進するため、国は継続的な調査を実施しています。中小企業庁は毎年3月と9月の「価格交渉促進月間」のフォローアップとして、今年4月から中小企業30万社へのアンケート調査や取引Gメンによるヒアリングが実施されています。調査結果は業種別に集計・公表されるほか、発注者ごとの価格交渉・転嫁の状況を整理した「発注者リスト」として公表されます。状況が芳しくない事業者に対しては「振興法」に基づく指導や助言、勧奨が行われることとなっており、本調査は実情を国に伝える貴重な機会として、アンケートへの積極的な回答が呼びかけられています。また、公正取引委員会も「価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査」を継続しており、2026年度も引き続き実施する予定です。過去の調査では、価格転嫁を妨げる疑いのある発注者への立入調査や注意喚起、協議を経ない据え置き等が確認された場合の事業者名の公表も行われており、価格転嫁推進のために正確な情報提供を求めています。
④違反行為に関する情報提供
「買いたたき」などの違反行為に対しては、厳正に対処する体制が強化されています。公正取引委員会及び中小企業庁は、違反行為を行っている委託事業者の情報を匿名で提供できる「違反行為情報提供フォーム」を設置し、広範に情報を受け付けています。法違反が懸念される取引状況については積極的な情報提供を促しており、公正取引委員会は寄せられた情報を活用して執行強化を図り、取適法及び独占禁止法違反行為に対して厳正に対処していく方針を示しています。
>中小企業庁 中東情勢等を踏まえた中小企業・小規模事業者向け支援について
国土交通省 住宅生産課通知
①溶剤などの安定的な供給確保について
国土交通省は、中東情勢の影響を受け、トルエン等を原料とするシンナーを含む溶剤等の安定供給確保について注意を呼びかけています。政府の閣僚会議において、日本全体としての必要量は確保されているものの、一部で「供給の偏り」や「流通の目詰まり」が生じていることが指摘されました。特に住宅建設で使用される塗料用シンナーの供給不安に対し、内閣総理大臣より目詰まりの解消が指示されています。経済産業省の調査では、川上の石油化学企業における国内向け供給は前年実績並みに継続されており、一部で目詰まり箇所を特定し供給を確保した事例も報告されています。住宅関係業者に対しては、調達に支障が生じた場合に供給事業者と丁寧に協議することや、原料調達の課題を理由に即座に生産を抑制せず、該当する相談窓口への報告等を求めています。
②完了検査の円滑化について
石油・ナフサを原料とする断熱材等の住宅建材の価格上昇や供給状況に鑑み、当初の計画とは異なる建材への変更が行われる事態が想定されています。これを受け、国土交通省は建築基準法に基づく完了検査の柔軟な運用を通知しています。建築資材の変更が軽微な変更に該当する場合、完了検査申請書の変更概要欄への記載を確認した上で、速やかに検査を実施するよう求めています。特に、住宅の省エネ性能の評価方法に影響を与えない範囲で発泡プラスチック系断熱材から無機繊維系等の断熱材へ変更する場合は、省エネ法上の計画変更手続きが不要な軽微な変更に該当することに留意が必要としています。一部の設備が未設置の状態で工事が完了する場合についても、個別の相談に応じて竣工時の検査を速やかに実施するよう、関係機関に促しています。
③住宅建材・設備・資材の安定供給に向けた御協力について
住宅建材等の安定供給に向け、国土交通省は通常以上の集中した発注を控えるよう求めています。現状、ナフサ由来の化学製品や塗料原料、断熱材原料の供給は前年実績程度が可能であると把握されていますが、過度な発注が需給の逼迫を招き、流通に影響を及ぼしているケースがあるとしています。住宅生産事業者に対しては、当面の必要量に見合う分のみを発注することや、十分な期間的余裕をもって必要時期を明記する「計画的な発注」に取り組むよう要請しています。また、中東情勢を受けて調達に支障が生じた場合の具体的な情報提供の場として、新たに「住宅分野情報提供窓口」を設置したことを周知し、情報の収集と適切な対応を呼びかけています。
※ 5月26日時点の情報に基づき、記事を編集しております。




