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林野庁・国土交通省 2025年度補正予算、2026年度本予算 木造化・木質化を加速する補助事業を順次展開
現在、建築物における木材利用を推進する動きが業界全体で加速しています。今回は、2025年度補正予算及び2026年度本予算に盛り込まれた、建築物の木造化・木質化に活用可能な補助事業や制度等をご紹介します。
先駆性等の高い木造化技術による設計・建築実証
一般流通材やCLTを用いた、工期やコスト面に優れた低層中大規模建築物の設計・建築について支援がなされます。有識者や地域の設計・施工者が連携して実施する、モデルケースとなりうる実証的な取り組みが助成対象です。補助率は設計費・建築費の3/10以内が基本ですが、普及性や先駆性が特に高いと認められるプロジェクトについては、最大1/2まで引き上げられます。学校や社会福祉施設などの公共建築物のほか、事務所、工場、店舗、宿泊施設といった民間の非住宅建築物や集合住宅も対象となります。なお、同一対象における他の国の補助金との併用は原則として認められません。

優良木造建築物等整備推進事業
炭素貯蔵効果の向上が期待できる、中大規模木造建築物の普及に資するプロジェクトについて支援がなされます。不特定多数が利用する共同住宅や事務所などのうち、ZEH・ZEB水準への適合や伐採後の再造林に貢献する取り組みなどを要件とした優良なプロジェクトが対象です。普及枠では木造化による建設工事費の掛増し分の1/3以内(上限2億円)等を補助し、防火・構造等の先導性が認められた場合は、補助率が1/2以内(上限3億円)へ引き上げられます。建築主や設計者、中小工務店などの関係事業者が連携し、継続的な供給・普及に資する提案が優先的に採択される枠組みです。

中高層等JAS構造材実証支援事業
中高層建築分野等におけるJAS構造材の活用促進に向けた実証的な取り組みについて支援がなされます。自らJAS構造材の利用率について目標を定める「JAS構造材活用宣言」を行った事業者が、事務所や工場、集合住宅及び、4階建て以上の一戸建住宅にJAS構造材を使用する際の調達経費を助成します。設計・施工のノウハウ獲得を目的とした実証が対象で、国や自治体の他の補助金とは原則として併用できません。高品質な国産材の安定的な利用を促すとともに、実証を通じて地域における木造建築技術の向上が図られます。

外構部等の木質化対策支援
木材利用が進んでいない建築物の外構部を木質化する実証的な試みに対する支援です。木製の塀やデッキの整備を対象に、民間事業者が行う木材調達費等を助成し、新たな普及事例の創出を図るものです。

専門家派遣等による技術的サポート
地域における建築物の木造化・木質化を促進するため、建築物での木材利用促進に取り組む地域協議会等に対し、専門家を派遣して技術的に支援するものです。建築物の用途は問われないものの、一戸建住宅のみを対象とする取り組みは対象外となります。

林野庁 建築物の木造化・木質化支援事業コンシェルジュ
林野庁のホームページでは、建築物における木材利用についてより一層の促進を図るため、国や国の関係機関が実施している建築物の木造化・木質化に活用可能な補助事業・制度を一元的に案内する窓口「建築物の木造化・木質化支援事業コンシェルジュ」への問い合わせフォームを設けています。
※ 図は全て林野庁、国土交通省資料より作成

