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ニュース&レポート

林野庁 森林・林業基本計画の骨子案を公表 2035年の国産材利用量は4,200万㎥を目指す

「森の国・木の街」の実現を新たな方針に

 林野庁は2月20日、新たな森林・林業基本計画の骨子案を提示しました。同計画は、森林・林業基本法に基づき、国内の森林・林業施策の基本的な方針などを定めるものであり、おおむね5年ごとに変更がなされます。

 今回の骨子案では、「森林・林業・木材産業の好循環による『森の国・木の街』の実現」が新たな方針として掲げられました。その上で、森林及び林業をめぐる情勢変化等を踏まえた対応の方向性として「『木の街』の実現」「適切なゾーニングに基づく多様で健全な森林づくり」「スマート林業技術の導入などによる持続的な林業の確立」「国産材サプライチェーンの強靭化」「国産材の供給力強化」の五つが示されました。

五つの重点施策による持続可能な構造を構築

 このうち、「『木の街』の実現」では、「都市(まち)の木造化推進法に基づく建築物木材利用促進協定」や、「『森の国・木の街』づくり宣言」等を軸に、非住宅・中高層建築物の木材利用が推進されます。併せて、国産材の合法性や持続性の「見える化」を通じて、都市における木造化・木質化を加速させるとともに、木質系新素材の更なる開発・実装や、木質バイオマスの熱利用等も促進する方針です。

 「適切なゾーニングに基づく多様で健全な森林づくり」では、豊かな生物多様性を支える多様で健全な森林づくりや、林業適地での再造林などが図られます。また、「スマート林業技術の導入等による持続的な林業の確立」では、適切な作業システム等の導入による生産性の向上や、AIを活用した林業DXと伐採・搬出・造林のスマート化による更なる安全性と生産性の向上が目指されます。更に、「国産材サプライチェーンの強靭化」に向けては、ICTの活用等による原木流通のコーディネート機能の強化が示されたほか、「国産材の供給力強化」として、付加価値の高い製品の供給体制構築や、木材加工流通施設における生産力とストック機能の拡充が図られます。

国産材利用の目標達成に向け、6月閣議決定へ

 同骨子案では、林産物の供給・利用に関する目標値も示されました(図)。現基本計画の目標に対する2024年の実績は、国産材利用量が目標の約9割に当たる3,500万㎥で、そのうち建築用材等は約7割の1,800万㎥にとどまっています。こうした現状と総需要量の見通しを踏まえ、新たな目標値として、2035年には用途全体で4,200万㎥への拡大を見込んでいます。具体的な取り組みとしては、CLT材や内装材等の国産材製品の安定供給による、非住宅・リフォーム等での利用促進などを進めることで、建築用材等の利用量を2,600万㎥まで引き上げることが目指されます。

 同庁は今後、4月頃のパブリックコメントを経て本年6月頃の閣議決定を目指す方針です。

林野庁 林政審議会
https://www.rinya.maff.go.jp/j/rinsei/singikai/