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ニュース&レポート

国土交通省 新たな住生活基本計画案を公表 住宅ストックの価値最大化に重点

人生100年時代を支える住生活基盤を目指す

 国土交通省は2月16日、社会資本整備審議会住宅宅地分科会を開催し、新たな「住生活基本計画」の案を公表しました。2030年代には、生産年齢人口の減少の加速や、単身世帯や高齢世帯の増加といった社会構造の変化が予測されています。こうした背景から、新たな計画では、市場機能の進化を通じて住宅ストックの価値を最大限に活用しつつ、人生100年時代の住生活を支える基盤を再構築する方針が盛り込まれました。そして、住生活の安定確保及び向上促進に関する施策の考え方を「住まうヒト」「住まうモノ」「住まいを支えるプレイヤー」という三つの視点で整理し、計11の目標が策定されています。

ストックの取引円滑化に向けた環境整備が急務

 このうち「ヒト」の視点では、高齢者が住宅資産をリフォームや住み替えに活用できるよう金融制度を整備するとともに、サービス付き高齢者向け住宅などの供給が促進される方針です。また、若年・子育て世帯に向けては、利便性の高い既成住宅地に存在する相続空き家などを良質な住宅として市場に流通させる仕組みを構築し、魅力的な居住の選択肢とする枠組みの整備を急務としています。

 「モノ」の視点では、所有者による適切な維持管理や点検が行われ、その利用価値が市場で適正に評価されるシステムの構築等が盛り込まれました。そのほか、持続可能で多様なライフスタイルに対応可能な住宅地の形成に向け、地域の連携を通じて、子育て支援施設やコワーキングスペースなどの生活拠点機能の整備を進めるとしています。

 「プレイヤー」の視点では、将来の担い手確保・育成や、DXの推進による生産性の向上及び新サービスの創出等が目指されます。併せて、国と地方の役割を明確化し、官民連携での地域の住宅政策推進体制の整備や、地域の住生活関連の相談を適切につなぐことができる分野横断的な相談窓口の設置等の推進が盛り込まれました。

実効性を測る成果指標も設定

 また、各施策の実効性を測るための成果指標も新たに設定されました。「ヒト」の視点では、有料老人ホームなど高齢期の暮らしを支える住宅を2023年の108万戸から2035年に150万戸まで増やすこと、「モノ」の視点では、既存住宅取引及びリフォームの市場規模を2023年の16.9兆円から2035年には20兆円へ拡大すること、「プレイヤー」の視点では、大工就業者に占める女性の就業者数の継続的な増加等が設定されました。

国土交通省 第68回住宅宅地分科会
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/s202_jutakutakuchi01.html