ニュース&レポート
2026年 新年ご挨拶

新春を迎え、謹んで新年の御挨拶を申し上げます。
昨年は、2月下旬から3月にかけて岩手県大船渡市を始め各地で発生した大規模な林野火災や8月上旬の九州地方における大雨など、大災害が全国で発生しました。亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。また、被災地で復旧・復興に御尽力されている関係者の皆様方の御努力に敬意を表します。
林野庁としても、被災地の一日も早い復旧・復興に向けて全力で取り組むとともに、昨年6月に閣議決定された「第1次国土強靱化実施中期計画」に基づき、防災・減災、国土強靱化のための森林整備や治山対策を一層推進してまいります。
また、社会問題化しているクマ被害対策については、昨年11月に決定された「クマ被害対策パッケージ」に基づき、林業従事者等の安全確保の徹底を図るとともに、中期的な対策として生育環境の保全・整備に向けた針広混交林化や広葉樹林への誘導、堅果類の豊凶調査などに取り組みます。
先人の努力により戦後造成されてきた人工林の約6割が50年生を超え、利用可能な資源となっており、これを「伐って、使って、植えて、育てる」森林資源の循環利用を確立し次世代に引き継いでいくことが重要です。近年、地球温暖化や生物多様性といった地球規模の環境問題が注目される中、これらの課題は森林が大きく関わっており、多くの企業が森林の循環利用に関心を持ち協力したいと考えてくれています。このような流れも追い風にしたいと考えております。
林野庁では、人工林資源の循環利用に向けて、路網の整備や再造林の省力化・低コスト化、スマート林業の推進、原木・木材製品等の生産体制の強化、JAS構造材やCLTの活用による木材の需要拡大、多様な担い手の育成・確保など、総合的な取組を進めてまいります。引き続き花粉症対策についても、スギ人工林伐採重点区域におけるスギ人工林の伐採・植替えなどの取組を進めます。
森林の循環利用に欠かせない国産材の需要拡大に向けては、人口減少社会を迎える中、木材需要の多くを占めてきた住宅分野での木材の利用促進に加え、非住宅・中高層建築物の木造化・木質化を進めることが重要です。昨年の大阪・関西万博では「大屋根リング」や各国パビリオンに多くの木材が利用され、木材利用の機運が高まりました。さらに令和8年度からは、環境省と連携し、温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度(SHK制度)において、事業者が自らの排出量の算定に、木材利用等による炭素蓄積変化量を用いることができる仕組みの導入を予定しています。また、国土交通省においては、建築物のライフサイクルカーボンの削減に向け、令和10年度を目途に建築物のLCCO2評価の実施を促す制度の開始を目指して検討を進めており、林野庁も木材の省CO2効果が評価されるべく検討に参画しています。こうした中で、林野庁では、これらの仕組みを活用して、特に企業の社屋や店舗など非住宅分野での木材利用を進めるべく、昨年10月から、自治体や企業による木材利用の促進とその効果の「見える化」を進める、「『森の国・木の街』づくり宣言」に参画する方の募集を行っています。
本年は森林・林業基本計画の変更年です。現行基本計画に基づく施策の実績や森林・林業・木材産業の現状を踏まえ、本年6月頃を目途に新たな基本計画を策定すべく、確実な再造林や生物多様性・林地保全に配慮した森林整備、木材の価値を最大化する流通・加工、都市等における木材利用の拡大、林業・木材産業の持続可能性やコスト構造に関する情報の伝達・共有などを主な論点として検討を進めています。森林・林業・木材産業には様々な課題がありますが、課題の先には大いに可能性があると考えています。森林・林業・木材産業の未来に希望を持っていただける基本計画となるよう、現場からの意見も踏まえながら検討を進めます。
林野庁としては、これらの取組を通じて森林・林業・木材産業を持続的に発展させていくとともに、我が国に暮らす全ての皆様が森林の有する多面的機能の恩恵を末永く享受できるよう、日々邁進していく所存です。本年も、関係者の皆様、そして国民の皆様の御協力をお願いいたします。
結びに、本年が、皆様一人一人にとって実り多き素晴らしい一年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。

新年明けましておめでとうございます。年頭に当たり、一言ご挨拶申し上げます。
さて、私たちを取り巻く社会・経済情勢は、今更申し上げるまでもなく、国内外ともに、引き続き大きな変化の中にあります。木材産業では、少子高齢化や住宅価格の上昇等により、戸建て住宅の着工が減少するとともに、コストの増嵩等の影響から、大変厳しい経営環境の一年となりました。
反面、我が国の人工林資源は成熟期を迎え、合板、集成材、CLT等はもとより、製材においても横架材など大きな規格の製品でも品質を確保し、安定供給できる体制が整ってきています。また、「都市(まち)の木造化推進法」のもと、都市部においても木造による中高層ビル、商用・事業用施設等の建設が全国各地で着実に進んできています。
このような木材需給の活性化の機運を迎える中で、「2050年カーボンニュートラル」の実現、持続可能な森林資源の循環利用、地域経済への貢献など、社会・経済からの様々な期待に応えるため、「伐って、使って、植えて、育てる」のスローガンの下、林業・木材産業が新しい時代にふさわしい一年を迎えられるよう祈念しています。
このためには、国産材製品の品質や生産技術の向上、需要に即応したサプライチェーンの構築、木材の利用拡大などに取り組んでいきたいと考えています。また、昨年は改正「クリーンウッド法」が施行されたことから、合法性が確認された木材のみを流通させる義務を負うことを、我々、木材事業者はしっかりと認識していかなければなりません。
全木連といたしまして、木材を優先する社会(ウッドファースト社会)の実現を目指し、一層努力して参りますので、皆様方の更なるご支援、ご協力をお願い申し上げます。
本年が皆様方にとりまして素晴らしい一年となりますことをご祈念申し上げます。

新年明けましておめでとうございます。平素より当連盟の運営につきまして、格別のご高配を賜り、誠に有難うございます。
さて、昨年は、大阪・関西万博が開催され、大屋根リングをはじめ多くの国のパビリオンにおいて内装や外装に木材が使用されたことが大きな関心を集めました。SDGsへの関心の高まりから、木材を使用することが世界的にも当たり前の時代になってきたと感じています。また、昨年の夏は、全国的に記録的な猛暑となり、温暖化対策の緊急性を改めて認識いたしました。
世界経済は、米国の貿易政策の急変や中国経済の減速、欧州や中東の不安定な政治情勢等、先行きが見通しにくい状況となっています。
我が国の新設住宅着工戸数は、建築基準法改正の影響により、3月に一時的に増加した後は回復が遅れ、厳しい状況が続いています。本年は、所得の改善、物価高騰の収束により住宅需要が回復することを期待しています。
一方、近年、公共建築物や社屋等に木材を見せる建築が採用されるようになってきました。今後は着工戸数の多い店舗や低層の集合住宅等に一般流通材を使った木造建築を普及させることが重要です。木材に人をリラックスさせる効果があることも注目されています。これらの流れを更に大きくするため、木材市場は需要に応じた木材を安定的に供給できるよう努めることが大切です。
今年は1月1日に取適法が施行されました。木材製品を持続的・安定的に供給していくためには、サプライチェーンの各段階における価格転嫁に業界全体で取り組むことが求められています。
木材市場といたしましては、価格形成、集荷、需給のコーディネート等の機能を発揮し、山元への利益還元を通じて森林資源の循環利用と木材の安定供給に貢献していく所存ですので、変わらぬご指導とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
最後になりましたが、皆様のご健勝とご多幸を祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます。

新年明けましておめでとうございます。本年も各地区ナイスパートナー会の皆様と力を合わせて活動してまいりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
昨年は、物価上昇が継続したほか、海外経済の動向やトランプ政権による関税政策の影響などがあり、先が見通しにくい状況が続きました。一方で、雇用・所得環境の改善を背景に、日本経済は緩やかな回復基調となりました。約半年間にわたり開催された大阪・関西万博では、大屋根リングに多様な木材が使用され、連続する木の架構が柔らかな光と影を創り出し、訪れた方々が木の温もりを感じることができたのではないでしょうか。また、会場内には国内外の様々なパビリオンが所狭しと立ち並び、世界各地から英知が集まる場となりました。
住宅業界においては、省エネ基準適合の義務化や4号特例の縮小、それに伴う駆け込み着工やその反動減など、変化の波が大きな一年となりました。新設住宅着工戸数は今後も更なる減少が見込まれ、新たなビジネスモデルを模索するなど、厳しい環境を乗り越えるための取り組みが必要となります。
先般開催された「木と暮らしの博覧会」では、多くの出展者様による工夫を凝らしたブース展示を通じて、環境やマーケットの変化を見据えて新たな商品やサービスをご提案していくという、皆様の強い意志を感じ取ることができました。様々な変化に対応していくことが求められる時代ですが、業界が一体となって力を発揮すれば、必ず乗り越えることができると信じております。
当会においては引き続き、木材・住宅関連業界として、国産材の需要創造と利用拡大、住宅性能の更なる向上を目指して、パートナー企業の皆様と密に連携しながら取り組みを進めてまいります。
結びとなりましたが、本年が皆様にとって実りの多い素晴らしい一年となることを祈念しまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

新年明けましておめでとうございます。皆様が携わっておられる木材は、限りある資源でありながらも太陽光と時間の力で再生可能で、人類が古来より活用してきた極めて優れた素材です。
脱炭素化の流れが世界的に加速し、企業や社会が「持続可能性」をいかに実現するかが問われる今、木材の価値はこれまで以上に注目されています。
昨年は大阪・関西万博が開催され、大屋根リングをはじめとして多くの木材が用いられました。木材の可能性が国内外に示されたことは、私たち業界にとっても大きな意義があったと確信しております。万博を契機に、木材が持つ社会的役割や文化的価値に加え、建築用材としての有用性や環境面での貢献に対する理解が一層深まったと実感しております。
さらに、2028年度からはLCA(ライフサイクルアセスメント)の開示が義務化される見込みであり、環境負荷を定量的に評価する動きが加速しています。環境問題への関心が高まる中で、木材の果たす役割はますます大きくなっています。私たちはこの責任を真摯に受け止め、木材利用の拡大とともに、その持続可能性を確かなものとして次世代へとつなげていかねばなりません。
業界団体である素適木材倶楽部では、「研修会や情報交換会を通じて会員企業の事業の発展と相互扶助を目指す」ことを掲げ、活動を続けております。本年も皆様と共に知見を高め合い、木材を軸に持続可能な社会の実現に向けて歩みを進めてまいります。
本年が皆様にとりまして実り多き一年となりますことを心より祈念申し上げます。

新年明けましておめでとうございます。
昨年はAI元年ともいうべき1年でした。だいぶ身近な存在になってきましたので今回はその未来を占ってみたいと思います。AIが頭脳ならば機械の部分は身体です。そう、ロボットですね。今後10年でこの分野は飛躍的な進化を遂げるはずです。80年ほど前にSF作家のアイザックアシモフは、ロボット三原則を提唱し「ロボットは人間に危害を加えてはならない」と示しました。この時代に既にロボットへの潜在的恐怖感が見えて興味深いのですが、新年なのでダークサイドはいったん横に置きます。
さてAIに感情、創造が可能かという点は、専門家でも意見が分かれるところですが、私は可能ではと考えます。現段階でもAIが示す答えのアルゴリズムは理解不能で、これは「他人の考えていることはわからない」と同義ではないでしょうか。未来から来たネコ型ロボットをドラえもんと呼びますが、ヒト型ロボットはアンドロイドです。このアンドロイドが例えばバラの花を見たとします。頭脳はAIですからバラに関するすべての知見を有しています。「薔薇の名前」のような文学作品もふくめて。その彼あるいは彼女が「自発的」にバラの花を手に取ったとします。その瞬間、原初的な感情と呼ぶべき何かが生まれるのかもしれません。身体性の獲得こそ感情、想像、創造性の源ではないでしょうか。本来の意味での人間とのコミュニケーションの始まりです。こうした社会が間もなく実現しそうな気がします。私はアンドロイドが人間の良きパートナーとして進化していくことを期待しています。時を経ずして、例えばポケモンロボットなども現れそうです。きっとドラえもんのようなフレンドリーなキャラクターでしょう。私はこうした未来にワクワクします。
これからどんなロボット社会になっていくのか、新年を機会に一緒に考えてみませんか?最後に皆様のご健勝と、良きロボット社会の実現を祈念して、私の新年の挨拶とさせていただきます。
※ ナイスアーバン倶楽部:2000年設立。ナイスグループの住宅・不動産事業の協業先(設計事務所、ゼネコン、不動産業者、ライセンサー等)で構成。

新年明けましておめでとうございます。
一昨年発生した能登半島地震の復興へ努力されているさなか、繰り返し豪雨災害が襲いました。昨今の異常気象が地球上の各地で常態化しつつある感があります。その要因が、化石資源の多大消費に伴う大気中に放出される二酸化炭素にあると言われています。その放出削減に向けた対処策として、「脱炭素社会の実現に資するための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が2021年に施行されたことが挙げられます。その目的は「木材の利用を促進することが地球温暖化の防止、循環型社会の形成、森林の有する国土の保全、水源のかん養その他の多面的機能の発揮及び山村その他の地域の経済の活性化に貢献すること等にかんがみ、...」となっており、木材利用の役割が重要視されています。そのような動きの中で、住宅や各種建築物などの木造化・木質化の動きは、再生可能資源利用・資源循環型社会への具体的方策です。特に都市部における木材利用が、森林・林業、地域に直接つながることが期待されています。
住宅のみならず、長時間を過ごす職場などの非木造建築物が、快適な環境にあるべきことは極めて重要な視点です。内装や外装に木材・木質材料を使用することによって、温湿度環境が変わることは注目に値します。私たちの日常生活空間における木材の関与は、非木質材料と異なり、特に湿度に大きく関与します。
本協会として木材・木質材料等の情報収集と実態調査、研究実験を通じて多様な側面から調査研究を行っており、会員の皆様方との協働により微力ながら業界の連携機関として寄与していく所存です。
最後になりましたが、2026年が皆様にとって実り多き年になることを祈念し、新年のご挨拶といたします。

