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国土交通省 2025年都道府県地価調査 全体の上昇基調が継続、上昇幅拡大
全国の全用途平均が4年連続上昇
国土交通省は9月16日、2025年の都道府県地価調査の結果を発表しました。同調査は、各都道府県知事が毎年7月1日時点における基準地の1㎡当たりの価格を調査し、同省が取りまとめるもので、2025年の基準地点数は全国21,441地点となっています。毎年1月1日時点の土地価格を公表する公示地価と並び、土地取引価格の指標とされています。
本調査によると、全用途平均の地価は、全国平均で前年比1.5%上昇(前年比0.1ポイント増)と4年連続で上昇し、上昇幅も拡大しました。三大都市圏では、東京圏で5.3%上昇(同0.7ポイント増)、大阪圏で3.4%上昇(同0.5ポイント増)、名古屋圏で2.1%上昇(同0.8ポイント減)となり、東京圏及び大阪圏では上昇幅の拡大傾向が継続している一方で、名古屋圏では上昇幅がやや縮小となりました。また、地方圏では、札幌市、仙台市、広島市、福岡市の地方四市で5.3%上昇(同1.5ポイント減)となったほか、その他の地域では0.2%上昇(同横ばい)となりました。
同省は、全国的な特徴として、景気が緩やかに回復している中、地域や用途により差があるものの、全体として上昇基調が続いていると言及しています。
住宅地 東京圏や大阪圏の中心部で大幅な上昇
住宅地の地価は、全国で1.0%上昇(同0.1ポイント増)、東京圏で3.9%上昇(同0.3ポイント増)、大阪圏で2.2%上昇(同0.5ポイント増)、名古屋圏で1.7%上昇(同0.8ポイント減)となりました。地方四市では4.1%上昇(同1.5ポイント減)、その他の地域では横ばいとなりました。
同省は、住宅需要は引き続き堅調であり、特に東京圏や大阪圏の中心部において高い上昇が見られるとしています。また、子育てしやすい環境が整備され、転入者が多い地域では、堅調な住宅需要に支えられ引き続き高い上昇を示しているとしています。
商業地 マンション需要との競合による需要が増加
商業地の地価は、全国で2.8%上昇(同0.4ポイント増)、東京圏で8.7%上昇(同1.7ポイント増)、大阪圏で6.4%上昇(同0.4ポイント増)、名古屋圏で2.8%上昇(同1.0ポイント減)となりました。地方四都市では7.3%上昇(同1.4ポイント減)、その他で0.6%上昇(同0.1ポイント増)となりました。
同省は、主要都市では店舗・ホテル等の需要が堅調であり、オフィスも空室率の低下傾向や賃料の上昇傾向によって収益性が向上していることから地価上昇が継続しているとしているほか、マンション需要との競合が見られる地域や特にインバウンドが増加した観光地等では、引き続き高い上昇が見られるとしています。