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国土交通省 2024年空き家所有者実態調査 空き家所有者の過半数は不具合や破損を認識
空き家の現状と今後の利用意向を公表
国土交通省は8月29日、2024年空き家所有者実態調査の集計結果を公表しました。同調査は、空き家を所有している世帯を抽出して管理状況や利用意向などを集計しており、約5年周期で実施しています。
主に「所有している空き家の基本的情報について」「空き家の取得経緯について」「空き家の管理状況について」「空き家の利用状況について」「今後の空き家の利用意向について」に関する調査がなされました。
相続による空き家が全体の約6割に
同調査によると、空き家の取得経緯については、57.9%が相続によるもので、次いで「新築・建て替え」が17.1%、「既存住宅を購入」が14.2%となりました(図1)。取得経緯が「相続」のうち、相続前に「特に対策は講じていない」の割合が77.0%に対し、「相続前に対策を講じた」は23.0%となりました。また、人が住まなくなった理由は、「死亡」が43.9%と最も高く、次いで「別の住宅に転居」が39.0%、「老人ホームなどの施設に入居」が10.0%となりました。
空き家の管理状況については、構造上の不具合は生じていないが「住宅の外観または室内に部分的に腐朽・破損があった」空き家の割合が43.2%と最も高い割合を占めたほか、「構造上の不具合が生じていた」が19.6%となった一方で、「構造上の不具合や腐朽・破損はなかった」は34.1%となりました(図2)。建築時期別で見ると、1950年以前の空き家は「構造上の不具合が生じていた」と「住宅の外観または室内に部分的に腐朽・破損がある」の割合がそれぞれ39.1%と42.0%となった一方で、2011年以降は3.0%と12.1%となっているなど、建設時期が古くなるほど、腐朽・破損の程度は大きくなる傾向になりました。
利用状況を見ると、「空き家として所有していた」世帯の割合が最も高く35.6%、次いで「別荘やセカンドハウスなどとして利用していた」が25.0%、「買い手を募集していた」が8.4%となりました。
今後の空き家における利用意向
空き家の今後の利用意向について、5年間程度のうち「空き家として所有しておく」意向の世帯が31.7%、次いで「売却する」が19.5%、「別荘やセカンドハウスとして利用する」が19.1%となりました。空き家の種類別では、「使用目的のない空き家」は「空き家として所有しておく」割合が40.6%と最も高くなった一方、「売却する」や「取り壊して更地にする」世帯がそれぞれ約2割となり、空き家に対する何らかの取り組みを示す意向が見られました。