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ニュース&レポート

ナイスグループのサステナビリティ 環境経営の推進で持続可能な社会の実現に貢献

 ナイスグループは、「樹とともに、人と暮らしをつなぎ、はぐくみ、彩りある未来をつくります」という社会的存在意義のもと、持続可能な社会の実現に貢献していくために「環境方針」を定めています。今回は、この方針に沿った最近の取り組みをご紹介します。

適切な森林管理と資源の循環利用の促進

国産材の供給体制の強化と住宅・建築物及び暮らし領域での利用促進により国産材取扱量が伸長
 ナイスグループは、地球温暖化防止と森林資源の有効活用のため、適切な森林管理と資源の循環利用を積極的に推進しています。2025年3月期においては、国産材の安定供給体制を強化するとともに、住宅・建築物から日常生活まで、あらゆる分野での国産材の利活用を促進しています。これにより、環境負荷の低減と地域社会の活性化に貢献し、持続可能な社会の実現を目指しています。

国産材の供給体制を強化

 国産材の安定供給に向けて、供給体制の強化を図っています。2025年4月には、徳島県の「徳島第2工場」が稼働しました。大径木にも対応した全国有数の設備を導入しており、香川県の大倉工業㈱と連携し、地域材を活用した構造用集成材の供給体制の構築を目指しています。また、2025年2月には紀州ヒノキの製材・プレカット加工を行う㈱かつら木材商店の株式を取得しました。これにより、高品質な国産材の安定供給と加工能力を拡充し、国産材の活用促進とバリューチェーンの強化を図っています。

住宅・建築物への国産材の利活用促進

 住宅・建築物への国産材利用拡大を積極的に推進しています。住宅については、自社で分譲する一戸建住宅では、2024年3月期より構造材に国産木材を100%標準採用、新築マンションでは共用部の木質化を進め、木の温もりと環境貢献を両立させています。更に、2025年6月には、中古マンションリノベーションの木質化ブランド「RIZ WOOD™」を発表し、木の表情が映えるデザインで高付加価値化を実現しました。

 建築物については、企画から設計、調達、加工、施工までワンストップで木造化・木質化に対応、更に2024年6月の飛島建設㈱との合弁会社の設立により、中層建築物への対応を強化しています。

 これにより、建築分野における国産材の需要拡大と持続可能な住まいづくりに貢献しています。

木質化リノベーション物件福岡県産活用店舗

新たな領域での国産材の需要の創出

 建築分野にとどまらず、「暮らし領域」における国産材の新たな需要創出に注力しています。2024年11月に開催した「木と暮らしの博覧会®」を通じて、国産材利用の意義を普及啓発し、独自の表層圧密技術を施した「Gywood®」や、飫肥杉(おびすぎ)の赤身部分だけを厳選した「ObiRED®」など、オリジナルの木材製品の活用を積極的に提案しています。具体的にはこれまで木質化が進まなかった建物の外装のほか、オフィス家具やインテリア小物など、多様な用途での利活用を通じて新たな価値の創出に取り組んでいます。

ナイス本社ビル外装インテリア小物

環境に配慮した商品やサービスの推進

住宅の高性能化によるエネルギー消費量の削減を推進
 ナイスグループは、環境に配慮した商品・サービスの提供を通じて、社会全体の環境負荷低減に貢献するべく、住宅の高性能化によるエネルギー消費量の削減を推進しています。これにより、快適な暮らしと脱炭素社会の実現を目指しています。

エネルギー関連商品の取り扱い強化

 住宅の高性能化と省エネルギー化の推進のため、エネルギー関連商品の取り扱いを強化しています。2024年10月には、高性能サッシやエクステリアの取り扱いに強みを持つ㈱セレックスを連結子会社化し、取り扱い商材を拡充しました。また、2024年7月には、太陽光発電システムの第三者所有(PPA)サービスを提供する㈱シェアリングエネルギーと資本業務提携を締結しました。両社の経営資源を生かし、太陽光発電システムや蓄電池の普及を一層拡大しています。更に、「ナイスサポートシステム®」を通じて工務店向けにZEH等の高性能住宅の建築を支援することで、省エネで快適な住まいの供給促進に貢献しています。

セレックスサッシエクステリア

自社供給のZEH比率が向上

 自社で供給する物件についても、省エネで快適な住まいづくりを推進しています。分譲する一戸建住宅では、ZEH水準の断熱性能とした上で建築基準法の2倍を超える耐震性能の確保を標準としています。2025年3月期は、㈱シェアリングエネルギーとの連携により、ZEH比率が40%超まで向上、今期は50%を目標として更に取り組みを進めていきます。

シェアリングエネルギー社住宅

 また、分譲マンションについては、地震に強い免震マンションにこだわるとともに、前期よりZEH-M Orientedの供給を開始し、ライフサイクルでのエネルギー消費量の削減を図っています。

 引き続き、環境負荷の低減と快適な暮らしを両立する住まいを提供していきます。

ZEH-MOriented分譲マンション

環境負荷の最小化

2026年目標を早期達成 カーボンニュートラル維持と自社排出量36%削減を達成

再エネ化の推進により温室効果ガス排出量を削減

 2025年3月期のナイスグループの自社排出量(Scope1・2の合計)は、7,205t-CO2(Scope1:2,933t-CO2、Scope2:4,272t-CO2)となり、社有林の吸収量11,768t-CO2を下回ったことで、前期に引き続きカーボンニュートラルを維持しました。また、削減率については、プレカット工場の再エネ化などを進めたことにより、基準となる2022年3月期比で37%の削減となり、2023年に掲げた2026年3月期までに同36%削減するという目標を、早期に達成しました。

 自社排出量については今後、2030年3月期までに50%削減することを目標として掲げています。

温室効果ガス排出量グラフ

事業活動を通じた削減貢献量の創出

 ナイスグループでは、国産材の利用による炭素貯蔵量や、太陽光発電等の再生可能エネルギー由来電力の提供量など、当社の事業活動によって社会全体で削減された温室効果ガス排出量を削減貢献量と定義しその創出に取り組むことで、脱炭素社会の実現に貢献しています。

主な削減貢献量1

主な削減貢献量2