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ニュース&レポート

ナイス株式会社 第75期(2025年3月期)決算発表

経営成績に関する説明


 当連結会計年度における日本経済は、インバウンド需要の拡大や雇用・所得環境の改善などを受け、緩やかな回復基調を示しました。一方、ウクライナ情勢や中東情勢などの地政学的リスクに加え、米国の政策動向などによる世界経済の下振れリスクにより、国内経済の先行きは不透明な状況です。住宅関連業界では、新設住宅着工戸数の減少傾向が続く中、2024年の着工戸数はリーマン・ショック以来15年ぶりに80万戸を下回る低水準で推移するなど、今後の動向が懸念されます。

 このような状況の中、当連結会計年度の売上高は2,430億54百万円(前期比7.6%増加)、営業利益は46億28百万円(前期比5.1%増加)、経常利益は43億5百万円(前期比0.6%減少)となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度において固定資産売却益24億37百万円を計上したこともあり、前期比で31.7%減少し、28億72百万円となりました。

【建築資材事業】
 建材・住宅設備機器については、住宅の省エネ性能の見直しが加速する中、エネルギー関連商品の提案営業や工務店様のZEH化の取り組みのサポートに努めました。木材については、昨年11月に木材の利用促進と住宅・非住宅木造建築の普及に資する総合展示会「木と暮らしの博覧会®」を開催し、木材のサプライチェーンにおける当社グループの取り組みを広くPRするとともに、国産材の需要拡大に努めました。

 加えて、昨年10月にセレックスホールディングス株式会社を連結子会社化し、木材や建材・住宅設備機器、エネルギー関連商品に加え、サッシやエクステリアにまで取り扱い商材の拡充を図っています。

 これらの結果、売上高が増加したものの、輸入木材相場が軟調に推移したことや物流コストの増加等の影響により、売上高は1,830億82百万円(前期比7.7%増加)、営業利益は22億57百万円(前期比21.3%減少)となりました。

【住宅事業】
 マンション事業については、当期売上計上予定の免震マンション、耐震等級2の「強耐震」構造を採用したマンションは全戸完売となりました。一戸建住宅事業については、当社の主力エリアである「横浜・川崎エリア」をはじめ各営業拠点における販売が堅調に推移しました。既存住宅流通事業については、中古マンションの買取再販事業において仕入れの強化及び内装木質化による商品力の向上を図りました。マンション総合管理事業では、ナイスコミュニティー株式会社における管理マンションの修繕工事の完工等が順調に推移しました。

 これらの結果、売上高は507億96百万円(前期比11.4%増加)、営業利益は35億82百万円(前期比23.5%増加)となりました。

【その他の事業】
 その他の事業については、売上高は91億74百万円(前期比11.2%減少)、営業利益は6億17百万円(前期比42.8%増加)となりました。

今後の見通し

 2026年3月期の連結業績予想については、売上高2,600億円、営業利益48億円、経常利益44億円、親会社株主に帰属する当期純利益30億円を見込んでいます。1株当たりの配当金額は、中間配当金28円、期末配当金44円とし、年間配当金72円としています。