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ナイス㈱ 神奈川県産木材活用推進セミナーを実施 伐採から非住宅建築物まで一連の流れを見学
ナイス㈱はこの度、神奈川県内で製材工場・プレカット工場を運営する㈱市川屋様及びかながわ木づかい推進協議会との共催で、神奈川県産木材活用推進セミナーを実施し、横浜市や川崎市、相模原市の公共建築関係者のほか設計事務所関係者などが参加しました。
立木の伐採作業を見学
同イベントでは、神奈川県産材の魅力を発信して利用拡大を図るべく、森林・林業から製材、プレカット加工、非住宅建築物まで、県産材に関連する川上から川下までの一連の流れを見学しました(図1)。
森林の見学では、神奈川県厚木市に保有するナイス㈱の社有林「ナイス丹沢の森」において、厚木市森林組合による実際の伐倒デモンストレーションが行われました(図2)。また、間伐済みの人工林の見学を行ったほか、同組合の担当者より、県産丸太の流通状況や伐採作業の注意点、1日の伐採量などについて説明がなされました。
㈱市川屋様による製材からプレカット加工までの流れ
製材工場とプレカット工場の見学は、両工場を運営する㈱市川屋様にて行われました(図3)。同社は明治45年創業で、神奈川県内全域から原木を調達し、製材工場とプレカット工場にて製品化して同社独自のルートで出荷しており、一気通貫で木材製品の流通を担っています。また、神奈川県産材の地産地消により地域活性化を促すとともに、長距離運送を抑制することで配送時におけるCO2の排出量削減を目指しています。
同社の製材工場では、JAS認証(機械等級区分)やFSC認証、SGEC認証を取得しているほか、製造品目は構造材から羽柄材、内装材、外装材など、建築に関わるほぼ全ての部材に対応しています。当日は、製材から最終工程の検品まで一連の流れが説明され、自動計算での木取りや、打撃式グレーティングマシンによる強度や含水率の測定などに、見学者からは高い関心が寄せられました。また、乾燥作業については、6台の乾燥機を用いた機械乾燥のほか、天然乾燥にも対応しており、製品オーダーによって乾燥方法を選択しています。乾燥の熱源については、場内で出る丸太の端材を使用するなど、資源の循環利用に向けた取り組みについても紹介されました。
プレカット工場では、横架材、柱材、羽柄材それぞれのプレカット加工機や合板加工機の稼動の様子を実際に見学しました。また、CADシステムに入力された図面から最適な部材選択と加工方法を割り出した上で加工作業を実施していることに加えて、斜めカットなどの特殊加工にも対応していることなどについて説明がなされました。
神奈川県産JAS製材品の活用事例
最後には、ナイス㈱が構造設計及び施工に携わった神奈川県茅ヶ崎市の認定こども園「平和学園」の見学を行いました(図4)。同物件では、神奈川県産のJAS製材品42.64㎥が柱や土台に採用されるなど、構造材や内装材に木材がふんだんに使用されています。見学者からは、保育室の特徴的なトラス構造のほか、遊戯室の複雑な架構を実現した構造上のポイントやコストなどに関する質問が寄せられました。
このほか、セミナーも開催され、神奈川県森林再生課より、県による森林・林業・木材産業の状況や施策、県産材を活用した補助事業などに関する説明が行われたほか、ナイスプレカット㈱より、非住宅建築物の木造・木質化についての説明がなされました。