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国土交通省 2025年度からの住宅の省エネ基準適合を義務化 建築物省エネ法改正案を閣議決定

業界からの要請相次ぎ、今国会で成立

 国土交通省は4月22日、「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)等の一部を改正する法律案」が閣議決定されたことを公表しました。これは、国が掲げる「2050年カーボンニュートラル」「2030年度に温室効果ガスを2013年度比で46%排出削減」目標の実現や、温室効果ガスの吸収源対策の強化に向けて、建築物分野において、省エネ性能の一層の向上を図る対策の抜本的な強化や、木材利用の更なる促進に資する規制の合理化などを講じるものです。これにより、全ての新築建築物の省エネ基準への適合が義務化されることとなります。

 同省では、同法で定める取り組みを通じて脱炭素社会の実現に寄与すると述べており、具体的には、2030年度の建築物に関するエネルギー消費量を2013年度比で約889万kL削減するとの目標を掲げています。

 同法の成立に当たっては、2021年11月の閣議において提出が見送られる動きも見られましたが、住宅業界団体や環境問題に取り組む団体から早期成立の要請が相次ぎ、今国会で審議がなされ、成立に至りました。なお、同法は2025年度から施行予定です。

省エネ性能の加速と木材利用の促進

 同法は、「省エネ対策の加速」と「木材利用の促進」の二つの観点から講じられています(図)。

 省エネ対策の加速については、省エネ性能の底上げやより高い省エネ性能への誘導と、ストックの省エネ改修や再エネ設備の導入促進について言及されています。省エネ性能については、全ての新築住宅・非住宅における省エネ基準適合の義務化や、トップランナー制度を拡充し、大手事業者による段階的な性能向上を図ることなどが定められています。ストックについては、省エネ改修に対する住宅金融支援機構による低金利融資制度の創設や、建築士から建築主への再エネ導入効果の説明義務の導入に加えて、省エネ改修や再エネ設備の導入に支障となる高さ制限等の合理化を進めていくこととしています。

 木材利用の促進については、防火規制と構造規制の合理化が定められています。防火規制については、大規模建築物において、大断面材を活用した建物全体の木造化や、防火区画を活用した部分的な木造化を可能とすることが定められたほか、防火規制上での別棟扱いを認めることで、低層部分の木造化を可能としています。

 構造規制については、二級建築士による簡易な構造計算で建築可能な3階建て木造建築物を促進するため、木造3階建ての高さ規制を、現行基準の高さ13m以下から16m以下まで広げています。

国土交通省
https://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000920.html