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政府 地球温暖化対策推進法改正案を閣議決定 「脱炭素化支援機構」を設立し脱炭素化事業を支援

脱炭素化に資する事業への資金供給を強化

 政府は、2050年カーボンニュートラル及び2030年度の温室効果ガス排出量削減目標の実現に向けて、地球温暖化対策推進法改正案について閣議決定し、今国会に提出しました。

 世界のESG投資残高はここ4年間で1千兆円以上増加し、2020年には約4千兆円に達するなど、ESG市場が拡大しています。一方で、脱炭素化に資する事業は、前例に乏しく投融資の判断が困難である、認知度が低く関係者の理解が得られにくいといった理由から、一層の民間資金の呼び込みが必要となっています。また、ゼロカーボンシティ宣言を行う地方公共団体が増加する一方、具体的なアクションへと結び付く例はまだ少なく、モデルとなる事例の創出が求められています。

 こうした状況の中、本改正案では、脱炭素化に資する事業に対する資金供給等を支援するために、法的基盤を構築することで民間投資の一層の誘発を図るとともに、地方公共団体が行う地域の脱炭素化に関する施策のための費用について、国による財政上の措置に関する規定を法的に位置付けるものとなっています。

 

数兆円規模の脱炭素投資の誘発を目指す

 主な改正内容は、出資制度の創設、監督等に関する規定の整備、地方公共団体に対する財政上の必要な措置等となります。この中で、脱炭素化に資する事業への新たな出資制度として、新たに官民ファンド「株式会社脱炭素化支援機構」が創設されます(図1)。同機構は、民間の資金調達が必ずしも容易ではない、温室効果ガス排出量の削減といった脱炭素化事業に対し、資金供給やその他の支援を行うことで、地球温暖化の防止と経済社会の発展の統合的な推進を図りつつ、脱炭素社会の実現に寄与することを目的としています。早ければ今年10月ごろ、2050年度を設置期限として設立されます。

 同機構では、2022年度の財政投融資(産業投資)による200億円の出資を呼び水として、1,000億円程度の規模の脱炭素化事業を実現するとともに、新たなビジネスモデルの構築を通じて、数兆円規模の脱炭素投資の誘発に貢献することが目指されています。そのための資金供給手法として、出資やメザニンファイナンス(劣後ローン等)、債務保証などが想定されており、環境省では、これにより複数年度にわたる継続的・包括的な支援を行う考えです。

 

森林保全、木材利用も対象に

 環境省では現在、地域脱炭素投資促進ファンド事業に48億円の予算を計上し、これを通じて脱炭素関連事業等を支援しています。この出資の対象が地域の再エネ事業等、エネルギー起源のCO2削減に限定されているのに対し、今回創設される出資制度では、エネルギー起源のCO2削減以外にも拡大されます。

 具体的には、資金支援により拡大する先進的な取り組みとして、「大規模・大多数な屋根上や営農型等の太陽光発電」「地域共生・地域貢献型の再エネ事業(地熱や中小水力、風力発電等)」「プラスチック等の資源循環」「食品・廃材等バイオマスの利用」「森林保全と木材・エネルギー利用」などが想定されており、これまでよりも広範にわたる分野での支援を推進していく考えです。

 なお、環境省では現在、同機構設立後の実効的な運営の準備の一つとして、資金供給等のニーズについて、各民間企業から幅広く情報を収集しています。

環境省
https://www.env.go.jp/press/110538.html

脱炭素化支援機構の創設を検討しています
https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/topics/20211224-topic-19.html