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国土交通省 長期優良住宅の普及の促進に関する法律を改正・施行 住宅性能表示制度との一体申請がスタート

 長期優良住宅普及促進法(正式名:住宅の質の向上及び円滑な取引環境の整備のための長期優良住宅の普及の促進に関する法律等)の改正法が2月20日に施行されます。これにより、住宅性能表示制度との申請の一体化など、認定手続きが合理化されます。今回は特に、一戸建住宅における改正のポイントについてご紹介します。

手続きの合理化と審査結果の責任の所在を明確化

 長期優良住宅認定制度においては、①住宅の構造及び設備が長期使用構造等であること、②住宅の規模、③良好な景観の形成等への配慮、③維持保全方法等について、所管行政庁が審査・認定を行うこととされています。このうち、長期使用構造等への適合については、現状、認定申請者が登録住宅性能評価機関へ事前に技術的審査を依頼し、交付された「適合証」をもって所管行政庁に認定申請をするという運用がなされています。しかし、技術的審査が法令上で位置付けられていないため、所管行政庁が改めて審査を行う必要があります。また、認定申請のうち約7割は住宅性能評価と併せて申請されており、かつ、長期使用構造等に関する項目のほとんどが住宅性能評価の対象となっているため、実態として審査の重複が生じていました。

 今回の改正は、手続きを合理化するとともに、審査結果に対する責任の所在を明確化する観点でなされています。登録住宅性能評価機関による確認を法的に位置付けることで、評価機関と所管行政庁における審査項目をそれぞれ明確にするとともに、住宅性能評価との一体申請を可能としました。これにより、同機関から交付される、長期使用構造等である旨が記載された「確認書」または「住宅性能評価書」を添えて所管行政庁に申請することで、長期優良住宅の基準に適合するものとみなされることとなります(図1)。

 

手続き等の変更点は所管行政庁に確認が必要

 改正法が施行される2月20日以降は、所管行政庁への申請手続き等においても変更点があり、注意が必要です。

 まず、これまで登録住宅性能評価機関から交付されていた「適合証」が廃止となり、長期使用構造等である旨が記載された「確認書」または「住宅性能評価書」に変更となります。原則として、2月20日以降は「適合証」による認定申請ができなくなりますが、所管行政庁によっては、当面の間「適合証」による申請を可能とするなど対応が異なり、確認が必要となります。また、改正に伴い、申請書及び添付図書についても変更が予定されており、今後、各所管行政庁のホームページ等に掲載される予定です。いずれの場合も、手続き等の詳細については、申請先の所管行政庁に確認して対応する必要があります。

 

災害リスクを考慮した認定基準についても追加

 近年、国内で自然災害が頻発化・激甚化しており、住宅における大規模な被害も発生しています。一方で、従来の認定基準においては、長期使用構造等として一定の耐震性は求められているものの、その他の災害リスクについての基準は定められていませんでした。

 今回の改正法では、こうした状況を踏まえ、自然災害による被害の発生防止または軽減への配慮に関する事項が認定基準に追加されました。なお、当該認定基準の審査については、所管行政庁が行う予定です。