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国土交通省・経済産業省・環境省 住宅性能表示制度の上位等級を3月公布へ

 国土交通省と経済産業省、環境省は3省合同で会議を開催し、脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ基準の見直しについて検討を開始しました。今回は、11月24日に開催された同会議の検討内容について概要をまとめました。

断熱等性能等級に等級6・7を創設

 この度開催された3省合同会議は、①住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、「品確法」)に基づく住宅性能表示制度におけるZEH水準を上回る等級の創設、②都市の低炭素化の促進に関する法律(以下、「エコまち法」)に基づく低炭素建築物の認定基準の見直し、③建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(以下、「建築物省エネ法」)に基づく誘導基準の見直し、以上の3点を議題としたものです。

 このうち、①の「品確法」に基づく住宅性能表示制度におけるZEH水準を上回る等級の創設については、ZEH基準相当の性能について、断熱等性能等級と一次エネルギー消費量性能等級をそれぞれ等級5と等級6に位置付け、10月にパブリックコメントが実施されたところです。今回の見直しでは、更に、断熱等性能等級における暖冷房にかかる一次エネルギー消費量の削減率について、おおむね30%削減を等級6、おおむね40%削減を等級7として設定する案が示されました。

 具体的には、(一社)20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会が提唱する「HEAT20」のG2及びG3と整合させつつ、5地域については目安とした削減率よりも上振れすることから、6地域と同水準とするといった調整が行われています(図1)。これにより、例えば5地域においては、外皮平均熱貫流率(UA値)については等級6で0.46、等級7で0.26が求められるようになります。なお、平均日射熱取得率(ηAC値)は、いずれも3.0としました。また、暖房期のない8地域については、冷房一次エネルギー消費量の削減率や建材の使用実態を考慮し、等級6としてηAC値5.1を設定していますが、現状、等級6を上回る現実的な日射遮蔽対策が想定されないことから、等級7の設定はなされません。

低炭素建築物の認定基準に太陽光発電設置を要件化

 ②の「エコまち法」に基づく低炭素建築物の認定基準の見直しでは、住宅については、一次エネルギー消費量をBEI0.9以下からZEH基準のBEI0.8以下に、併せて外皮基準についてもZEH基準に整合させる考えを示しました(図2)。また、非住宅については、ZEBの取り組みを推進する観点から、この低炭素建築物の認定基準において求められる一次エネルギー消費量の水準を、現行の太陽光発電等の自家消費分を含むBEI0.9以下から、ZEB基準(ZEB Oriented)相当の省エネルギー性能に整合させる案を示しました(図3)。具体的には、事務所・学校・工場等については、再生可能エネルギーを除いてBEI0.6以下、ホテル・病院・百貨店・集会所等は同じくBEI0.7以下としました。ただし、非住宅の低炭素建築物の認定基準は、誘導すべき基準であることから、外皮基準も存続させるとしています。

 なお、同法では一次エネルギー消費量基準と外皮性能基準への適合のほか、節水に関する取り組み、HEMSの設置、木造化などの低炭素化に資する措置として八つの選択項目の中から2項目を講ずることが要件となっています。今回、この認定要件について、太陽光発電の設置を要件化するとともに、選択項目から一つ以上の適合に変更し、選択項目の中に新たに「V2H充放電設備等の設置」が追加されました。

省エネ基準引き上げ時の外皮基準の要件化は慎重に検討

 ③の「建築物省エネ法」に基づく誘導基準の見直しについては、②の低炭素認定建築物と同様に、一次エネルギー消費量の水準について、住宅ではZEH相当、非住宅ではZEB基準(ZEB Oriented)相当と整合させるとともに、非住宅における外皮基準についても同様に存続する案が示されました(図2、 3)。ただし、現行の省エネ基準において、外皮基準が要件化されていないことから、将来的に、省エネ基準を今回改正する誘導的基準相当にまで引き上げる際には、外皮基準の要件化を前提とせず、慎重に検討することとしています。

 政府は、今回の検討内容を告示案・省令案としてまとめ、パブリックコメント等を経て、年度内の公布を目指す考えです。

国土交通省
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/s204_handan01_past.html

※ 図は全て国土交通省資料より作成