1. TOP
  2. ナイスビジネスレポート
  3. ナイスグループ 非住宅分野で提案の幅を広げる構造梁 「S WOOD BEAM MORE」

ナイスグループ 非住宅分野で提案の幅を広げる構造梁 「S WOOD BEAM MORE」

木造建築の自由度と鋼材の剛性を兼ね備えた構造梁

 「S WOOD BEAM MORE(エス・ウッド・ビーム・モア)」は、日鉄建材㈱様とナイス㈱が共同で開発した、木材と角形鋼管を組み合わせた非住宅用の構造梁で、角形鋼管の上に木材を配した構造となっています。目安として床梁8m、小屋梁10mの大スパンに対応可能で、特に大空間のニーズが多い非住宅分野において多くのメリットが期待でき、木造建築としての提案の幅を広げる製品です。木製梁(集成梁)で大スパンを実現するには、梁せいが大きくなることから、特殊材での対応が必要となります。これを、同商品を使用することで、梁せいを抑えることが可能となり、圧迫感のない空間を実現できます。

 また、用途をあえて小梁に限定することで、構造種別を木造として設計できます。壁量計算や許容応力度計算など、従来の木造の設計法をそのまま利用できるため、木造が持つ設計自由度を確保することが可能です。加えて、小梁単体で使用でき、更に、接続金物を単純な形状としたため木材加工が容易で、在来工法はもちろん、そのほかの様々な金物工法に対応しています。施工に当たっては、建設現場に木材と角形鋼管がそれぞれ納品され、それらを接着して使用します(図1)。その上で、ビスで接続金物を取り付けた大梁に落とし込み、ボルトで固定します(図2)。施工手順は従来の木製梁と同様で、施工性の高さも魅力の一つです。

 また、木製梁(集成梁)を大スパンで使用すると、長期たわみが生じ、その影響で間仕切り用の吊り戸などが床面に接触してしまうおそれもありますが、角形鋼管梁に置き換えることで、長期たわみを低減することにつながります。

 

非住宅物件で続く採用事例

 今年3月に竣工した「白石みのり保育園」(宮城県白石市)において、ナイスグループでは構造設計、積算及び躯体一式の販売、木材の加工を行いました。本物件では、「良質な教育環境の形成」という観点から、木の温かみが感じられる木造で、かつ子供たちが元気に遊べるような大空間を確保したいとの事業主様のご要望がありました。これを受け、施工を手掛けられた中城建設㈱様からナイス㈱にご相談をいただき、同商品の使用を提案し、採用に至りました。最大スパン10.92m、約164㎡という大空間の遊戯室を無柱で実現するため、10.92m材を2本、8.19m材を4本使用しています(図3)。

 また、現在、宮城県仙台市において、当社オリジナルの金物工法「パワービルド工法」が採用された特別養護老人ホームが建設中となっており、同商品が67本使用される予定です。同物件の延べ床面積は5,800.82㎡と、パワービルド工法による非住宅物件としては、国内最大規模となります。