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まだ間に合う2021年度住宅支援策 省エネ住宅の新築・性能向上リフォームにメリット

 政府は今年度、景気回復に向けた経済対策の一つとして、住宅の取得やリフォームについて様々な支援策を打ち出しています。今回は、住宅需要が高まる秋需を迎えるに当たって、エンドユーザーに訴求しやすい減税制度や補助制度を中心にまとめました。

減税制度

住宅ローン減税

注文住宅は9月末までの契約で最大600万円減税

 住宅ローン減税は、住宅ローンを利用して住宅を新築・取得またはリフォームした場合に、取得者の金利負担の軽減を図るための制度で、10年間にわたり、各年末のローン残高の1%について、所得税等からの控除が受けられます。借入金残高及び建物購入価格については、一般住宅・リフォームの場合は4,000万円、認定住宅の場合は5,000万円が上限となり、それぞれ1年当たり40万円と50万円を上限として控除されます。

 同制度では現在、消費税率10%が適用される場合において、控除期間を3年間延長し13年間とする特例措置が、講じられています(図1)。この特例措置を受けるには、注文住宅については2021年9月末まで、分譲住宅については同11月末までに契約を締結し、2022年12月末までに入居することが条件となります。既存住宅・リフォームについては、2021年11月末までに契約した上で、工事完了日等から6カ月以内に入居することなどが条件となります。これらの場合、当初10年間については年末の借入金残高の1%、延長された3年間については年末の借入金残高の1%か建物購入価格・リフォーム費用の2%を3年で割った額のうち、いずれか小さい額が控除されます。これにより、一般住宅については最大で480万円、認定住宅については最大で600万円が控除されることとなります。そのほか、所得金額1,000万円以下の場合は、床面積要件が従来の50㎡以上から40㎡以上に緩和される措置がなされています。

住宅ローン減税

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html

 

 

住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置

最大1,500万円の贈与が非課税

 自己の居住用として住宅の新築や取得、増改築等をする際に、親や祖父母などから住宅取得等資金の贈与を受けた場合、一定の金額までの贈与について非課税となる措置が採られています。2021年12月末までに、新築・既存住宅の取得、リフォームについて契約を締結した場合が対象で、消費税率10%が適用される場合は、一定の要件を満たす質の高い住宅を取得、またはリフォームを行うと最大1,500万円、それ以外の一般住宅では最大1,000万円までの贈与について非課税となります(図2)。

 そのほか、自己の居住用に住宅を取得する際、所有権の保存登記及び移転登記、並びに住宅取得等資金の貸し付け等に関する抵当権の設定登記についての登録免許税の特例措置、不動産取得税の課税標準及び税率の特例措置、固定資産税の減額措置についても、引き続き適用となります。

住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000018.html

 

リフォーム減税

5年以上のリフォームローンで最大62.5万円減税

 リフォームに当たっては、耐震、バリアフリー、省エネ、同居対応など、一定の要件を満たす際に、所得税の控除や固定資産税の減額等が受けられる優遇制度が用意されています。このうち、所得税の控除については、前述の「住宅ローン減税」に加えて、「ローン型減税」「投資型減税」と3種類の制度があり、それぞれ対象となるリフォームの種類も異なっています(図3・4)。

 「ローン型減税」は、償還期間が5年以上のリフォームローンを利用して、バリアフリー、省エネ、同居対応、長期優良住宅化リフォームなどの性能向上リフォームを実施した際に利用できる減税制度です。控除額については、性能向上リフォーム費用(上限250万円)の2%に加えて、それ以外のリフォーム工事の年末ローン残高の1%を合計したものが対象となり、1年当たりの上限額は12.5万円となります。控除期間は5年間で、これにより最大で62.5万円の税制優遇を受けることができます。

 

一括支払いでも最大50万円の減税

 「投資型減税」は、リフォームローンの利用の有無に関わらず、性能向上リフォームを実施した場合に標準的な工事費用相当額の10%について、1年間控除できる制度です。最大控除額は、バリアフリーリフォームが20万円、耐震、省エネ、同居対応、長期優良住宅化リフォームが25万円となっています。更に、省エネリフォームと併せて太陽光発電設備を設置した場合は35万円、耐震、省エネリフォームと併せて長期優良住宅化リフォームを実施する場合は50万円にまで増額されます。

 また、固定資産税については、工事が完了した翌年度分について、長期優良住宅化リフォームは税額の3分の2、耐震リフォームは2分の1、バリアフリー、省エネリフォームは3分の1が減額されます(図5)。

リフォームの減税制度

https://www.j-reform.com/zeisei/

 

 

補助等

グリーン住宅ポイント制度

10月末までの契約で最大100万ポイント

 グリーン住宅ポイント制度は、一定の性能を有する住宅の取得者等に対して、新たな日常に役立つ商品をはじめとした、環境、健康、防災、子育て等に関連する商品との交換、更に新たな日常や防災に役立つ追加工事に利用交換できるポイントを発行する制度です。

 本制度の対象となるのは、2021年10月末までに契約した新築、既存、賃貸住宅とリフォームの4タイプに分けられます。このうち、持ち家の新築については、①認定長期優良住宅や認定低炭素建築物、性能向上計画認定住宅、ZEHといった高い省エネ性能等を有する住宅、または、②断熱等性能等級4、かつ一次エネルギー消費量等級4以上の性能を持つ住宅のいずれかに該当することが性能要件として求められます。これらの性能や要件等に応じてポイントが発行され、①の場合は一戸当たり40万ポイント、②の場合は30万ポイントとなります(図6)。また、特例として、東京圏から移住するための住宅、多子世帯が取得する住宅、三世代同居仕様である住宅、災害リスクが高い区域から移住するための住宅の場合には、①では60万ポイントが、②では30万ポイントがそれぞれ加算され、最大で100万ポイントを受け取ることができます。

 

若者・子育て世帯は既存住宅購入と改修で最大60万ポイント

持ち家・賃貸のリフォームについては、断熱改修やエコ住宅設備の設置、耐震改修、バリアフリー改修等を行う場合に、工事内容に応じて一戸当たり最大30万ポイントが発行されます。この時、断熱改修やエコ住宅設備の設置のいずれかは必ず実施することが求められます。また、特例として、若者・子育て世帯がリフォームを行う場合は上限を45万ポイント、更に既存住宅の購入を伴う場合は60万ポイントに上限が引き上げられます。若者・子育て世帯以外の場合でも、安心R住宅を購入してリフォームする場合は、45万ポイントが上限となります。

グリーン住宅ポイント制度

https://greenpt.mlit.go.jp/

 

次世代省エネ建材の実証支援事業

最大300万円を補助 8月2日から二次公募開始予定

 本事業では、既存住宅における省エネ改修の促進が期待される、工期短縮が可能な高性能断熱材や、快適性向上に資する蓄熱・調湿建材等の次世代省エネ建材の効果の実証について支援がなされます。今年度は、住宅の改修方法について、一戸建住宅を対象とした外張り断熱工法等での改修(外張り断熱)と、一戸建住宅・集合住宅を対象とした断熱パネル等での改修(内張り断熱)の二つの区分から選択が可能となっています。

 外張り断熱では、外壁について屋外から施工する外張り断熱工法等での改修が必要で、外窓、屋根、床についても(一社)環境共創イニシアチブ(SII)によって定められた改修方法で施工することが求められます。本改修における設計費、材料費、工事費について補助がなされ、補助率は2分の1、上限額は300万円となります。

 内張り断熱では、本事業に登録されている、施工性を向上するため断熱材と下地材等が一体となった断熱パネルか、施工性向上に役立つ潜熱蓄熱建材により改修することが必須となります。これらを導入する施工面積等に補助単価を乗じた値が補助の対象で、補助率は2分の1、一戸建住宅については一戸当たり200万円、集合住宅については一戸当たり125万円が上限額となっています。

 本事業は、2021年8月2日から9月30日の期間で二次公募が予定されています。詳細については、SIIのホームページを確認下さい。

 

次世代省エネ建材の実証支援事業

https://sii.or.jp/meti_material03/

 

すまい給付金制度

収入・持ち分に応じて最大50万円を給付

 「すまい給付金制度」は、住宅ローン減税の拡充措置を講じてもなお効果が限定的な所得層に対し、所得と持ち分割合に応じて10万~50万円の現金を給付するものです。同制度で給付を受けるには、注文住宅の新築は2021年9月末まで、分譲住宅・既存住宅の取得は11月末までに契約を締結し、2022年12月末までに引き渡し等を受ける必要があります。

 

すまい給付金

https://sumai-kyufu.jp/

 

図は国土交通省資料等より作成

 

住宅生産団体連合会が特例措置の延長等を与党に要望

 住宅ローン減税、住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置、グリーン住宅ポイント制度については、今年の9月から11月に制度の期限を迎えます。これに対して、(一社)住宅生産団体連合会(住団連)は6月10日、「住宅市場の課題解決に向けた要望」と題した要望書を与党に提出し、これらの制度の延長を訴えました。

 本要望書において、住団連は、住宅ローン減税の3年間延長の特例の適用期間が注文住宅では9月末の契約が期限となっていることに加え、10月以降に請負契約を結ぶ注文住宅については住宅ローン減税の取り扱いが白紙の状態であり、反動減が発生する恐れがあることを指摘しています。更に、コロナ禍における人流抑制、ウッドショック等の影響により、民間住宅投資が今後着実に回復できるかは予断を許さない状況にあると指摘しています。このため、住宅に関する経済対策の終わらせ方については、住宅市場の状況を見極め、慎重に判断する必要があると述べています。

 

(一社)住宅生産団体連合会 住宅市場の課題解決に向けた要望

https://www.judanren.or.jp/activity/demand-proposal.html#210610