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政府 「国・地方脱炭素実現会議」が取りまとめ 地方創生に資する「地域脱炭素」の行程表示す

100カ所の「脱炭素先行地域」から「脱炭素ドミノ」

 政府の「国・地方脱炭素実現会議」は6月9日、地域の成長戦略ともなる地域脱炭素の行程表「地域脱炭素ロードマップ」を策定しました。同会議は、昨年12月に設置されたもので、地域における2050年脱炭素社会の実現に向け、地域の取り組みと密接に関わる「暮らし」「社会」分野を中心とした国民・生活者目線での議論がなされてきました。

 本ロードマップでは、脱炭素に向けて、足元から5年間で集中的に政策を総動員し、人材・技術・情報・資金を積極支援することで、2030年度までに少なくとも100カ所の「脱炭素先行地域」をつくり、重点対策を実行していくことが示されました(図1)。更に、三つの基盤的施策によりこれらを後押しし、モデルを全国に広げることで2050年を待たずに脱炭素を達成する「脱炭素ドミノ」を起こすことが目指されています。

民生部門の電力消費に伴うCO2排出実質ゼロを実現

 「脱炭素先行地域」では、地方自治体や地元企業・金融機関が中心となり、国も積極的に支援しながら、地域特性等に応じて脱炭素に向かう先行的な取り組みを実行するとしています。同地域で実現する削減レベルの要件として、民生部門(家庭部門および業務その他部門)の電力消費に伴うCO2排出実質ゼロなどを掲げており、これらの道筋を2025年度までに立て、2030年度までに実現すると述べています。

 具体的な取り組みとしては、再エネポテンシャルの最大活用による追加導入、住宅・建築物の省エネ・再エネ導入および蓄電池等として活用可能なEV/PHEV/FCV※の活用、地域の自然資源等を生かした吸収源対策等など、7項目を掲げています。このうち、住宅・建築物については、新築はもちろん、既存についても建て替えや改修時にZEH・ZEB化していくことなどが盛り込まれています。

 

2030年に公共建築物の半数に太陽光発電設備

 重点対策については、「脱炭素先行地域」を含め、全国で取り組むことが望ましいとしています。その上で、自家消費型の太陽光発電の導入や、住宅・建築物の省エネ性能等の向上など、八つの具体的な対策を示し、それぞれに各地の創意工夫例と、目指すべき絵姿・目標を整理しています。その一つとして、屋根等に設置して自家消費する太陽光発電の導入については、初期投資ゼロで屋根等に太陽光発電設備を導入する仕組みなどを創意工夫例に挙げています。そして、政府や自治体の建築物・土地における太陽光発電設備について、2030年には設置可能な建築物等の約半数に、2040年には100%導入されていることが絵姿として示されました。

 

分野横断の基盤的施策が重点対策を後押し

 「脱炭素先行地域」づくりと重点対策の全国実施を後押しする、分野横断の基盤的施策については、地域の実施体制の構築と国の積極支援メカニズムの構築、デジタル×グリーンによるライフスタイルイノベーション、社会全体を脱炭素に向けるルールのイノベーションの三つを掲げています。このうち、国の積極支援メカニズムの構築に関しては、地域脱炭素の取り組みに対し、人材派遣・研修、情報・ノウハウ、資金のそれぞれの観点から、国が積極的、継続的かつ包括的に支援するスキームを構築することが示されました。また、地域において、地方自治体・金融機関・中核企業等が主体的に参画した体制を構築するとともに、各省庁の地方支部支局が、各ブロックにて創意工夫しつつ水平連携し、機動的な支援を実施するとしています。

 政府は今後、本ロードマップの内容について、地球温暖化対策計画などの各種施策に反映しつつ、地方自治体や地域企業等と実践に移すとともに、継続的な進捗管理を実施していく方針です。

 

内閣官房「国・地方脱炭素実現会議」

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/datsutanso/