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国土交通省・経済産業省・環境省 脱炭素化に向けた省エネ対策等検討会 住宅の省エネ基準適合義務化を明示

温室効果ガス46%削減目標の実現へ対応急ぐ

 国土交通省と経済産業省、環境省は6月3日、「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」の第4回を開催し、「脱炭素化に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方」の素案を示しました。本素案では、脱炭素社会の実現を基本理念として規定した改正地球温暖化対策推進法が今年5月に成立したことに加え、温室効果ガス削減目標を2030年度に2013年度比で46%にまで引き上げるという国の新たな方針を踏まえ、その実現に向けて、現在利用できる技術を最大限活用することが重要だとしています。

 

基準を3ステップで段階的に引き上げ

 中・長期的に目指すべき住宅・建築物の姿については、2030年における新築の住宅・建築物について、平均でZEH・ZEBの実現を目指すという、これまでの目標が据え置かれました。その上で、省エネ対策の強化に向けた基本的な考え方として、省エネ性能を底上げするための基礎となる「ボトムアップ」、省エネ性能を段階的に引き上げていくための「レベルアップ」、市場全体の省エネ性能の向上を牽引(けんいん)するための「トップアップ」の3段階を示しました。こうした段階的な引き上げにより、省エネ性能の向上を図るとしています。

 具体的な取り組みとして、「ボトムアップ」については、住宅も含め、省エネ基準適合義務の対象範囲を拡大するほか、その準備として、中小事業者の断熱施工に関する技術力向上への支援などが示されました。また、新築に対する支援措置では、適合義務化に先行して省エネ基準適合を要件化し、早期の適合率向上を図ることなどが挙げられました。

 「レベルアップ」については、ZEH・ZEBの取り組み拡大に向けて、長期優良住宅等の認定基準や建築物省エネ法に基づく誘導基準をZEH・ZEBの水準に引き上げて整合させ、誘導目標を明確化することとしています。併せて、住宅性能表示制度における断熱性能およびエネルギー消費性能について、上位等級を設定すると述べています。また、国や地方自治体等の公的機関が新築する住宅、庁舎、学校等については、この誘導基準を原則とする考えを示しました。

 「トップアップ」については、ZEH+やLCCM住宅など、より高い省エネ性能を実現する取り組みを促進するとしています。そのほか、住宅トップランナー制度への分譲マンションの追加やトップランナー基準の引き上げ、省エネ性能表示制度の導入、既存ストック対策としての省エネ改修などの取り組みについても言及されています。

 

公共建築物への太陽光パネル設置を標準化

 2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、住宅・建築物への太陽光発電設備の設置を促進することが明記されました。公共建築物においては、新築における太陽光発電設備の設置を標準化するとともに、既存ストックや公有地においても可能な限り設置を推進するなど、率先して取り組むこととしています。一方で、民間の住宅・建築物への設置の促進に向けて、ZEH・ZEB、LCCM住宅等の普及拡大に向けた支援などが挙げられたほか、太陽光発電設備の軽量化・発電効率の向上等の技術開発を促進するとともに、一層の低コスト化を進めるべきと述べています。

 また、吸収源対策として、炭素貯蔵効果の高い木材の利用拡大に向けて、住宅・建築物の木造化・木質化を推進することが盛り込まれました。具体的には、木造建築物等に関する建築基準の合理化、非住宅建築物や中高層住宅における木造化の推進やその支援、木材の安定的な確保の実現に向けた体制整備の推進などが挙げられました。

 本素案は今後、最終取りまとめがなされ、住宅・建築物の施策立案に活用されていく方針です。

 

脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000188.html