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国土交通省 グリーン社会の実現へ省エネ住宅の取得を支援 グリーン住宅ポイント制度がスタート

国土交通省は、グリーン社会の実現、および住宅投資の喚起により新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ経済の回復を図ることを目的として、省エネ性能の高い住宅の取得を支援する「グリーン住宅ポイント制度」をスタートしました。なお、同制度の実施は、2020年度第3次補正予算の成立を前提としており、内容は変更される可能性があります(2020年12月28日時点)。

10月31日までに契約締結した住宅が対象

 グリーン住宅ポイント制度は、一定の省エネ性能を有する住宅の取得者等に対して、要件に適合する様々な商品や追加工事と交換できるポイントを発行する制度です。2020年度第3次補正予算において創設され、昨年12月15日よりスタートしました。

 対象となる住宅は、新築、既存、リフォーム、賃貸の4タイプに分けられます(図1)。いずれも昨年12月15日から今年10月31日までに契約を締結したもので、新築および既存は所有者が自ら居住する住宅が、賃貸は全ての住宅が賃貸用である共同住宅等の新築が対象となります。

 対象住宅の性能要件として、注文住宅の新築および新築分譲住宅の購入については、①認定長期優良住宅や認定低炭素建築物、性能向上計画認定住宅、ZEHといった高い省エネ性能等を持つ住宅、または、②日本住宅性能表示基準における断熱等性能等級4、かつ一次エネルギー消費量等級4以上の性能を持つ住宅のいずれかに該当することが求められます(図2)。また、既存住宅の購入については、①空き家バンク登録住宅、②東京圏から移住するための住宅、③災害リスクが高い区域から移住するための住宅、④住宅の除却に伴い購入する既存住宅のいずれかに該当することが要件です。賃貸住宅の新築については、建築物省エネ法に基づく住宅トップランナー制度の賃貸住宅に係る基準に適合し、全ての住戸の床面積が40㎡以上である共同住宅等であることが求められます。

 

住宅の新築の場合、最大100万ポイントを発行

 ポイントは、対象住宅の性能や要件等に応じて発行されます(図2)。注文住宅の新築および新築分譲住宅の購入については、①高い省エネ性能等を持つ住宅の場合は1戸当たり40万ポイント、②省エネ基準に適合する住宅の場合は30万ポイントとなります。また、特例として、東京圏から移住するための住宅、多子世帯が取得する住宅、三世代同居仕様である住宅、災害リスクが高い区域から移住するための住宅の場合には、①におけるポイント数に60万ポイントが、②におけるポイント数に30万ポイントがそれぞれ加算されます。

 既存住宅の購入については、住宅の要件に応じて30万ポイントか15万ポイントとなっており、その組み合わせに応じてポイント数が決まります。例えば、住宅の除却に伴い購入するもので、かつ空き家バンク登録住宅の場合には、30万ポイントと15万ポイントの合計45万ポイントが発行されます。賃貸住宅の新築については、10万ポイントに総戸数を乗じた合計が発行ポイント数となります。

 住宅のリフォームについては、開口部の断熱改修、外壁、屋根・天井または床の断熱改修、エコ住宅設備の設置のいずれかを必須としてリフォーム工事を実施する場合に、対象となる工事内容に応じたポイント数の合計が発行されます。前述の三つの工事に加えて耐震改修工事、バリアフリー改修工事が対象となるほか、リフォーム瑕疵保険等への加入に対してもポイントが発行されます。更に、自ら居住することを目的に、昨年12月15日以降に税込み100万円以上で売買契約を締結し、取得した既存住宅について、売買契約締結から3カ月以内にリフォーム工事の請負契約を締結してリフォームする場合は、各リフォーム工事等のポイント数が2倍となります。

 発行ポイント数の上限は1戸当たり30万ポイントで、リフォームを行う世帯の属性および既存住宅の購入の有無により、特例として上限が引き上げられます。例えば、若者・子育て世帯の場合には上限が45万ポイントとなり、更に既存住宅の購入を伴う場合には60万ポイントにまで引き上げられます。また、若者・子育て世帯以外で、「安心R住宅」を購入してリフォームを行う場合は、45万ポイントが上限となります。なお、1申請当たりの合計ポイントが、既存住宅の購入を伴う際の2倍加算の特例を除き、5万ポイント未満の場合は発行対象外となる点に注意が必要です。

 

「新たな日常」や防災に資する追加工事へのポイント交換も

 取得したポイントは、一定の要件に適合する商品および追加工事に交換することができます。なお、賃貸住宅の新築に限っては、追加工事への交換のみの対応となります。

 一定の要件に適合する商品としては、「新たな日常」に資する商品、省エネ・環境配慮に優れた商品、防災関連商品、健康関連商品、家事負担軽減に資する商品、子育て関連商品、地域振興に資する商品を中心に選定が進められる方針です。具体的な商品については、今後、公募により選定が行われる予定となっています。

 追加工事へのポイント交換とは、工事施工者等が追加的に実施する工事の費用に充当することを指します。この場合、ポイント相当分の工事代金を受領する工事施工者や販売事業者が申請手続きを代理で行う必要があります。また、分離発注による建築工事やリフォーム工事は対象外となります。対象となる追加工事は、ワークスペース設置工事や音環境向上工事、空気環境向上工事、菌・ウイルス拡散防止工事、家事負担軽減に資する工事など、「新たな日常」に資する工事と、防災に資する工事とする方針が示されています。

 

ポイント発行申請は遅くとも2021年10月31日まで

 ポイント発行申請は、原則として工事完了後に行います。ただし、注文住宅の新築、新築分譲住宅の購入、請負契約額が税込み1,000万円以上となるリフォーム、賃貸住宅の新築については、工事完了前であっても、ポイント発行申請を行うことが可能です。その場合は、工事完了後に完了報告書類の提出が必要となります。ポイント発行申請の受け付けは、2020年度第3次補正予算の成立後、事務局の体制が整い次第開始される予定です。締め切りは、予算の執行状況に応じて公表されますが、遅くとも10月31日までとする方針が示されています(図3)。

 完了報告の期限は、注文住宅の新築および新築分譲住宅の購入について、追加工事にポイントを交換する場合は2022年1月15日、商品に交換する場合は住宅の種別や階数に応じ、一戸建住宅は2022年4月30日、共同住宅で10階以下は2022年10月31日、11階以上は2023年4月30日となります。リフォームについては、追加工事へのポイント交換の場合は2022年1月15日、商品への交換の場合は2022年4月30日です。ただし、共同住宅等で耐震改修を実施するものについては、10階以下は2022年10月31日、11階以上は2023年4月30日が完了報告の期限となります。賃貸住宅については、2022年1月15日となっています。

 ポイント交換申請は、複数回に分けることが可能です。受け付けは準備が整い次第開始される予定で、締め切りは遅くとも2022年1月15日までとする方針です。

図は全て国土交通省資料より作成