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国土交通省 中規模木造庁舎の試設計例を公表 設計・コスト検討のポイントを解説

民間での活用も期待

国土交通省は1月17日、「中規模木造庁舎の試設計例」を公表しました。2010年の公共建築物等木材利用促進法の施行以来、低層の公共建築物の木造化率は着実に上昇しており、近年では民間を中心に中大規模建築物の木造化事例も増加しつつあります。こうした状況を踏まえ、同省は4階建て、延べ床面積3,000㎡、耐火建築物の中規模木造庁舎について、軸組構法およびCLTパネル工法で設計する際の課題や配慮すべき事項などを把握するために、有識者らによる検討会の意見を踏まえて試設計を実施しました。
今回公表された試設計例は、建物の両端に耐震壁等の水平抵抗要素を配置し、中央に大部屋形式の事務室を有する中規模木造庁舎の平面計画となっています。また、構造設計として、防火上有害な変形等を生じさせないための建物の変形の制御や、CLTパネルの接合部の検定等がなされた上で、工事費の概算といったコスト検討に関するポイント等も紹介されています。
同省は、今回の試設計例は今後の木造建築物の計画・設計に際して参考になるものであり、公共建築物のみならず、民間企業等においても広く活用され、木材利用の更なる促進につながることを期待するとしています。

 

4階建ての木造庁舎を想定

今回の試設計例では、窓口業務を行う大部屋形式の執務室がある4階建て、約3,000㎡の中規模木造庁舎がイメージされています。建築計画については、平面計画において中央の事務室部分にフレキシブルな事務室空間を確保するために、耐震壁等の水平抵抗要素を配置せず、両端のコア部分に階段や電気室、エレベーター、トイレ、倉庫といった小部屋を配置し、このコア部分に耐震壁をバランスよく配置しています。これにより、建物全体で地震等の外力に抵抗できるように設計されています。材料については、コストを削減するために可能な限り一般流通材が用いられ、工法についても一般的な工法が採用されています。
構造設計について、軸組構法とCLTパネル工法の2種の構造方法について実施しています。このうち、軸組構法では、高倍率の耐力壁を両端コア部分に配置し、ここに確実に地震力を伝えるために事務室部分の床面内剛性を高め、建物全体で地震力に抵抗する計画としています。具体的には、水平構面について、層間変形角が準耐火建築物に求められる150分の1以内となるようにしています(図1)。そこで、層間変形を制御するために、構造用合板による耐力壁・床の剛性の割り増しが検討されています。

 

 

1㎡当たりの単価は26万円

工事費については、躯体および内外装一式の本体建築工事部分として、1㎡当たりの単価は軸組構法で26万円程度、CLTパネル工法で27万円程度との概算コストを示しました。なお、このコストについては、今後更に木材利用が促進され、将来的に木造建築物が広く普及することで、コストダウンできるとしています。

 

国土交通省 中規模木造庁舎の設計、コスト検討のポイントを紹介!
http://www.mlit.go.jp/report/press/eizen09_hh_000019.html