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国土交通省・経済産業省・環境省 2020年度予算決定概要 省エネ性能の高い住宅の整備・改修を推進

政府は、当初予算として2年連続の100兆円超となる2020年度予算案を閣議決定しました。ここでは、国土交通省住宅局を中心に、環境省、経済産業省の住宅に関連する内容をまとめました。

2020年度の国土交通省関係予算は、一般会計5兆9,311億円(前年度比100%)、「臨時・特別の措置」を含めると6兆7,363億円(同114%)が計上されました。このうち、同省住宅局における住宅対策については1,543億5,400万円(同102%)が充てられました。
住宅局は、2020年度の重点施策として「住まい・くらしの安全確保」「老朽化マンション対策・空き家対策と既存住宅流通の活性化」「安心して暮らせる住まいの確保と共生社会の実現」「住宅・建築物の質の向上とそれを支える住宅産業の生産性と成長力の引き上げ加速」の4点を掲げるとともに、昨年10月の消費税率の引き上げに伴う住宅需要の変動を平準化するための対策等を実施します。

 

既存住宅市場の整備を推進

「住まい・くらしの安全確保」では、災害が激甚化、多頻度化している状況を踏まえ、災害に強い街づくりを推進するとともに、被災地の早期の復旧・復興が目指されています。そのために、大規模火災の発生の恐れがある密集市街地等を改善するための取り組みを強化するとともに、耐震性を有しない住宅ストックを2025年までにおおむね解消する目標を達成するために住宅・建築物の耐震化をより一層推進するとしています。このうち、住宅・建築物の耐震性の向上を図る「耐震対策緊急促進事業」には115億円(同96%)が計上され、特に耐震性が低い建築物の耐震改修等への支援強化等を進めます。
「老朽化マンション対策・空き家対策と既存住宅流通の活性化」では、老朽化マンションや空き家への対策を強化することで、周辺の生活環境への悪影響を低減するとともに、既存住宅ストックの管理適正化等による有効活用と、既存住宅流通の活性化が目指されています。高経年マンションへの適切な維持管理の促進と、円滑な再生への取り組みに対する支援が強化され、ソフトとハードの両面から老朽化マンションへの総合的な取り組みを促進します。
この方針に基づき「マンションストック長寿命化等モデル事業」を新設して17億円の予算を計上し、モデル的な再生プロジェクトへの支援を行います。また、消費者が安心して既存住宅の取得やリフォームを行うことができるよう、安心R住宅制度などの既存住宅流通・リフォーム市場の活性化に向けた施策の普及を進める取り組みに対して支援するほか、「フラット35リノベ」の金利引き下げの要件を緩和し、既存住宅の取得と合わせて質の向上に資する一定規模以上のリフォームを行う際の支援を強化するなど、住宅の価値を維持し、良質な住宅が評価され流通する、既存住宅市場の整備が図られます。
そのほか、「安心して暮らせる住まいの確保と共生社会の実現」では、若者・子育て世帯、高齢者世帯など、ライフステージに応じて変化する居住ニーズに対応した誰もが安心して暮らせる住まいの確保等が目指されています。

 

良質な木造住宅等の生産体制を強化

「住宅・建築物の質の向上とそれを支える住宅産業の生産性と成長力の引き上げ加速」では、改正建築物省エネ法等を踏まえ、住宅・建築物の省エネ化・長寿命化を進めるとともに、これらの良質なストック形成を支える住宅産業の生産性向上・担い手確保や成長分野への事業展開が目指されています。そのため、省エネ性能が高い住宅の整備や、住宅・建築物の省エネ改修等が推進されます。具体的には、改正建築物省エネ法の周知・徹底等による省エネ住宅・建築物の整備に向けた体制整備等を行う「省エネ住宅・建築物の整備に向けた体制整備事業」に6億11百万円(同100%)を計上しました。また、中小工務店等の連携によるZEHをはじめとした省エネ性能の高い住宅の整備を支援する「地域型住宅グリーン化事業」に135億円(同104%)を計上しています。
このほか、木造住宅の担い手である大工技能者の減少・高齢化が進む中、木造住宅や木造建築物の生産体制の整備を図るため、民間団体等が行う大工技能者等の確保・育成の取り組みや拡大余地のある都市木造建築物を担う設計者の育成・サポート等の取り組みに対する支援を行うため、「木造住宅・都市木造建築物における生産体制整備事業」を新設し、5億円を充てました。

 

3省連携によるZEH支援は継続

2020年度も国土交通省・環境省・経済産業省の3省連携によるZEH支援事業が継続されます。
国土交通省では先述の「地域型住宅グリーン化事業」の中で、ZEHの施工経験が少ない事業者に対する支援を継続します。
環境省では「戸建住宅におけるネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化支援事業」に63億50百万円を計上し、①ZEHの交付要件を満たす住宅を新築・改修する人に対し、一戸当たり60万円の補助を実施するほか、①の要件を満たす住宅に蓄電池を設置する人に対して、上限額を1台20万円として2万円/kWhを補助します。
経済産業省では、551億8千万円を計上した「省エネルギー投資促進に向けた支援補助金」において、現行のZEHより省エネ性能を更に高めつつ、太陽光発電の自家消費率拡大を目指したZEH+の実証等の支援に加え、停電時においても自立的に電力供給が可能な、蓄電池等を備えたZEHの導入およびレジリエンス性を高めたコミュニティー単位でのZEHを支援します。

 

国土交通省 令和2年度予算
http://www.mlit.go.jp/page/kanbo05_hy_001853.html
 
経済産業省 令和2年度予算
https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2020/index.html