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2020年新春に当たり

 

新生ナイスグループとして信頼回復に努める

2020年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。旧年中は皆様よりひとかたならぬご厚誼を賜り、心より厚く御礼申し上げます。
当社は昨年5月、2015年3月期の不動産売買取引において架空売上計上の疑いがあるとして、証券取引等監視委員会による強制調査および横浜地方検察庁による強制捜査を受け、8月には当社の元代表取締役2名が金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の嫌疑により横浜地方検察庁によって起訴され、法人である当社も両罰規定の適用により起訴されました。
当社といたしましては、この事態を真摯に受け止めるとともに深く反省し、今後はコーポレートガバナンス体制の強化を図るべく、取締役会による経営監督機能の強化、組織改革等の具体的な施策を着実に実行するとともに、役職員に対するコンプライアンス教育の徹底、不正・不祥事の発生防止を図るための施策等の実施を進めております。更に、お客様、お取引先の皆様をはじめ、あらゆるステークホルダーの皆様からの信頼回復に向けて、すべての事業を通じたお役立ちをより一層推進すべく、全力で取り組んでまいります。
そのような中、毎年実施しておりました「新春経済講演会」につきまして、一連の事態を厳粛に受け止め、内容を改めて「経営方針発表会」として開催をさせていただき、再生に向けて取り組むべき当社の方針等を表明させていただく機会とさせていただきました。また、基調講演として、「デジタル(AI)革命とローカル型企業の明日」と題して、㈱経営共創基盤の代表取締役CEOの冨山和彦氏にご登壇いただきます。何とぞ、ご来場をいただければと心よりお願い申し上げます。

 

大きな転換点となった「令和」元年

2019年は、新天皇陛下が即位されて「令和」時代の幕が開け、日本中が明るいお祝いムードに包まれました。更に、ラグビーワールドカップにおける日本代表の躍進など、多くの明るい話題がありました。一方で、7月から10月にかけて5つの台風が日本に上陸、中でも9月の台風15号と、10月の台風19号は日本各地に甚大な被害をもたらしました。これらの災害に遭われた皆様には心よりお見舞いを申し上げます。
昨年は、木材・住宅業界にとってターニングポイントとなる年でもありました。3月に森林環境税および森林環境譲与税に関する法律が成立し、4月には森林経営管理制度が開始、9月には自治体に対して森林環境譲与税が初めて配分されました。森林環境譲与税は、市町村等において間伐や人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備およびその促進に関する費用として使用されるものです。これにより、地方においては課題であった私有林の整備が、森林を有さない都市部においては木材の利活用が一層推進されることが期待されています。2010年の公共建築物等木材利用促進法の施行以来、公共建築物の木造化率は8年連続で上昇しており、2017年度は初めて6割を超えました。民間においても木材の適材適所な利用が広がりを見せ、それを後押しするように6月には改正建築基準法が施行され、多様化する木造ニーズへの対応が図られています。11月には、経済同友会が「木材利用推進全国会議」を設立するなど経済界からも背中を押されている状況にあり、木材の利活用についてはかつてない盛り上がりを見せています。
住宅業界では、改正建築物省エネ法が5月に公布、11月にはその一部が施行され、住宅トップランナー制度の対象として注文一戸建住宅および賃貸アパートを供給する大手事業者が新たに加えられました。2021年4月には、一戸建住宅について、建築士から建築主への省エネ基準適合に関する説明が義務化される予定であり、住宅の省エネ性能の向上については、今後更なる取り組みが求められていくと言えそうです。

 

「木材」と「住宅」で環境貢献を果たす

これらの動きの背景には、今年ついに始まった「パリ協定」があります。気候変動問題に関する国際的な枠組みである「パリ協定」では、長期目標として「2℃目標」が設定され、今世紀後半にはCO2の排出量と吸収量をバランスさせることが定められています。同協定において、日本は2030年までに2013年度比で温室効果ガス排出量を26%削減するという目標を掲げています。更に、政府は昨年6月に「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」を閣議決定し、長期的なビジョンとして温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする「脱炭素社会」を掲げ、今世紀後半のできるだけ早期に実現することを目指すとともに、2050年までに温室効果ガス排出量の2013年度比80%削減という目標に大胆に取り組むことを宣言しています。また、気候変動対策をはじめ、格差の解消、持続可能な消費や生産など、持続可能な世界を実現するための2030年までの国際目標であるSDGsについても、国は6月に「拡大版SDGsアクションプラン2019」を策定しています。ここでは、17のゴールを8分野に編成した「日本版SDGsモデル」が推進されており、私たちの業界が果たす役割は今後一層重要度を増すことになりそうです。
企業を取り巻く価値観は大きく転換し、持続可能、かつ成長し続けることが求められるようになっています。持続可能とは、企業がステークホルダー等に認められ、信頼され続けることであり、さまざまな経営環境の変化に適応できるということです。そのために、事業を通じて安定的な収益を確保するのはもちろんのこと、E(Environment=環境)、S(Social=雇用を含む社会的問題)、G(Governance=企業統治)をキーワードとした取り組みが不可欠となっています。こうした中で、「木材」と「住宅」は今後も重要なキーワードの一つであり続けると考えています。

 

創業70周年を迎える2020年

当社は、1950年7月15日に国鉄(現JR)鶴見駅構内での「市売り」からスタートし、皆様のご支援により、今年で70周年を迎えることとなりました。1959年に建築資材全般の販売を開始、1971年には住宅事業部を創設してマンションの分譲を、翌年には一戸建住宅の分譲を開始するなど事業を拡大してまいりました。こうして培ってきた、住宅関連業界の川上から川下まで幅広く、一気通貫で対応できる「総合力」が当社グループの強みであると考えています。こうした強みを最大限に発揮し、お客様やパートナーである取引先様へのお役立ちを更に強力に推進していく年にしていきたいと考えています。
昨年10月に消費税率が引き上げられました。住宅取得については、次世代住宅ポイント制度をはじめ、住宅ローン減税の控除期間の延長、すまい給付金の拡充といった支援策も充実しており、年度末に向けて需要の喚起が期待されています。更に、昨年11月末に全国47都道府県の森林認証材を使用した新国立競技場が完成し、いよいよ7月には東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。昨年のラグビーワールドカップに続き国内が沸き上がることでしょう。そして、多くの人が木材にふれることで、より一層の木材需要の喚起につながることを期待しています。
そして、2020年代という視点では、2025年に「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」の開催、2020年代半ばにはIR(統合型リゾート)施設がオープンする予定のほか、2027年にはリニア中央新幹線の開業が予定されています。また、5Gの実用化および社会実装により、MaaS(マース:Mobility as a Service)やスマートハウス、スマートシティーが一般的なものとなるとともに、超スマート社会「Society5.0」に向けた社会構造の変革がなされていくことは疑いありません。その中で、私たちの業界が果たす役割は大きいと感じています。当社としても、販売店様や工務店様をはじめ、パートナーの皆様と一致協力して、こうした時代に存在感を発揮していけるよう全力を尽くしてまいりますので、ご支援のほどよろしくお願いいたします。