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ナイスビジネスレポート編集部 4つの支援策が住まいの取得を後押し

10月1日、消費税率が10%に引き上げられました。住宅取得についても手厚い支援がなされており、こうした支援策を購入検討者にきちんと伝えていくことが重要と言えます。

 
 
子育て世帯には恩恵も
 
 政府は、消費税率の引き上げに当たって、増税による景気低迷を避けるために社会保障の充実や軽減税率制度の導入といった経済対策を実施しています。子育て世帯に向けては、幼児教育・高等教育の無償化や、プレミアム商品券の販売といった措置を講じています。幼児教育の無償化については、幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する3~5歳児は原則全世帯、0~2歳児は住民税非課税世帯を対象として、利用料が無料になります。民間シンクタンクでは、こうした園児がいる20~39歳の子育て世帯は、これらの措置によって恩恵を受け、増税前と比べても負担の軽減につながるとの分析も出されています。
 
 
住宅取得には4つの手厚い支援措置も
 
 子育て世帯は、初めて住宅を購入する一次取得者層とも重なります。消費税率10%での住宅の取得に当たっては様々な支援策が講じられており、①住宅ローン減税の控除期間の13年までの延長、②すまい給付金の拡充、③次世代住宅ポイント制度の実施、④住宅取得等資金に係る贈与税非課税枠の拡大の4つが実施されています。
①住宅ローン減税とは、4,000万円を上限とする住宅借入金年末残高の1%を、購入から10年間にわたって所得税等から控除するものです。今回、新築・既存住宅の取得かリフォームを実施し、2020年12月31日までに入居した人を対象として、控除期間が10年から13年に3年間延長されます(図1)。この3年間の延長期間では、借入金年末残高の1%、もしくは建物購入価格の2%を3で割った額のいずれか小さい額が控除され、最大で建物購入価格の消費税2%分が減税されます。
なお、この制度は、②~④の制度とも併用可能ですが、交付額や受贈額が住宅の取得価格等から差し引かれる場合があります。
②すまい給付金は、住宅ローン減税の拡充措置を受けても負担軽減効果が限定的な所得層に対し、住宅取得に関わる負担増を緩和するため、収入に応じて給付金が支払われる制度です(図2)。2021年12月までに引き渡しを受けて入居した人を対象として、所得階層が510万円以下から775万円以下に拡充されるとともに、給付額も最大50万円にまで引き上げられています。   

 


 

 すまい給付金サイト

 
 
次世代住宅ポイント制度は子育て世帯を優遇
 
 ③次世代住宅ポイント制度は、2020年3月末までに、一定の省エネ性、耐震性、バリアフリー性能を満たす住宅や家事負担の軽減に資する住宅について、新築やリフォームをした人を対象に、1ポイント1円相当となるポイントを工事等の内容に応じて発行するものです。発行されたポイントは、家電やインテリア、雑貨・日用品、食料品、防災用品といった様々な商品と交換できます(本紙2019年9月1日号参照)。
発行ポイントの上限は、住宅の新築については1戸当たり35万ポイント、リフォームについては30万ポイントです。ただし、若者・子育て世帯※が自らの居住用に既存住宅を購入してリフォームを行う場合は、最大60万ポイントにまで上限が引き上げられます。
※ 若者世帯とは、2018年12月21日時点で40歳未満の世帯。子育て世帯とは、同日時点で18歳未満の子を有する世帯、または申請時点で18歳未満の子を有する世帯。
 
 次世代住宅ポイント
 https://www.jisedai-points.jp
 
 
最大3,000万円の贈与が非課税に
 

 ④住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置とは、自己の居住用など一定の要件のもと、住宅の新築や購入、リフォームをするための資金として父母や祖父母などの直系尊属から贈与を受けた場合に、一定の金額までの贈与について贈与税が非課税となるものです。この措置における非課税枠が2020年3月の契約まで、一般住宅の取得については1,200万円から2,500万円に引き上げられます。更に、省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性のいずれかの性能を満たす住宅の取得については、3,000万円にまで引き上げられます(図3)。なお、非課税枠は、来年3月以降、契約年に応じて引き下げられていきます。

 

 
 
適切なアドバイスで需要を喚起
 

住宅取得に関して、このような手厚い支援策が講じられている一方で、これらの支援策に対する一般消費者の理解は、まだ十分とは言えません。不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)が一般消費者に向けて実施したアンケートでは、住宅ローン控除の減税期間延長については、「よく理解している」「まあ理解している」と答えた割合が43.4%、すまい給付金については35.1%、次世代住宅ポイント制度については25.3%にとどまり、これらの制度が消費者に十分に浸透しているとは言えない結果となりました。
また、住宅取得支援策について説明した後に実施した、「増税後に手厚い購入支援策が用意されていることを知ったうえで、購入タイミングをどう考えるか」という質問に対しては、支援策を知る前と比較して「増税後に購入する」と答えた人が4.1ポイント、「増税前と増税後どちらで購入するか迷う」と答えた人の割合も6.2ポイント上昇する結果となり、制度の内容を知って考えが変化した人の割合が11.5ポイントも増加しています。
消費増税に伴う経済対策の一環として、住宅取得についても今のタイミングでの購入にメリットが出るよう、手厚い支援が実施されています。今後は、こうした住宅取得支援策をきちんと消費者に伝えて需要を喚起していくことが重要となりそうです。