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国土交通省 社会資本整備審議会 住生活基本計画の見直しをスタート

来年度内の閣議決定を目指す
 
 国土交通省は9月12日、社会資本整備審議会の住宅宅地分科会を開催し、住生活基本計画(全国計画)の見直しに向けた検討を開始しました。住生活基本計画は、国民の住生活の安定の確保および向上の促進に関する基本的な計画を策定するもので、10年程度の政策の方向性を示し、おおむね5年ごとに見直しがなされます。2016年に策定された現行計画では、「居住者からの視点」「住宅ストックからの視点」「産業・地域からの視点」の3つの視点から、8つの目標と、2025年に向けたこれらの成果指標がまとめられています。
今後、2020年6月に中間とりまとめを実施、同年末までに計画案を作成する予定です。その後、パブリックコメントと都道府県からの意見聴取を実施した上で、2021年3月の閣議決定を目指しています。
 
 
社会情勢を踏まえた論点を整理
 

 見直しの検討開始に当たっては、現行計画の3つの視点をベースに、2016年以降の社会情勢の変化等を踏まえた論点(案)が作成されています(図1)。まず総論として、75歳以上の単独世帯数や、共働き世帯数の増加のほか、住宅の購入価格の年収倍率が分譲マンションでは上昇傾向にある一方で、分譲一戸建住宅は下降傾向にあるといった、前回策定時と比較した住生活を巡る状況の変化を挙げた上で、これらの変化をどう捉えるかについて議論を進めるとしています。
更に、既存住宅流通シェアの低さや、住宅確保要配慮者に対する賃貸人の高い拒否感など、現在の住宅市場において改善すべき点や、住宅および住生活のニーズの変化や新たな動きなどが論点として挙げられています。

 

 

街づくりとの連携も視野に

 具体的には、「居住者からの視点」としては、若年・子育て世帯や高齢者が安心して暮らせる住まいといった論点を引き続き議論するとともに、4月に施行された改正出入国管理法に伴い増加する在留外国人の居住ニーズへの対応や、登録拠点であれば定額でどこでも住み放題となる「サブスクリプション型居住サービス」といったこれまでにはなかった新たな「住まう」形態の評価などについても検討します。「ストックからの視点」としては、既存住宅の質の向上のほか、流通シェアの向上、空き家対策などを挙げています。

 「産業・新技術からの視点」としては、住宅産業における担い手の確保や住宅ストックビジネスの活性化のほか、新たにAIやIoT、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)といった新技術の進展が住宅や住宅地、住宅産業に与える影響や、こうした新技術を住生活の向上につなげるために求められる新たな住生活関連サービスなどについても議論します。
また、「まちづくりからの視点」として、コンパクトシティなどの街づくり政策と住宅政策との連携や、高齢化および大量の空き家発生が懸念される郊外の住宅団地の再生、激甚化する災害への対応について議論がなされます。
このほか、高経年マンションの増加に伴う維持管理の適正化や再生の円滑化といった、ストック時代における新たなマンション政策のあり方については、マンション政策小委員会を設置して議論を進めることとしました。

 国土交通省社会資本整備審議会住宅宅地分科会