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経済産業省・国土交通省・環境省 2019年度ZEH推進事業 ZEHの普及を強力に推進

 経済産業省・国土交通省・環境省はこのほど、2019年度のZEH支援事業を公表しました。ZEHについては、2020年までにハウスメーカー等が新築する注文一戸建住宅の半数以上で、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現が目指されており、3省が連携した推進が図られています。

 

3省連携のZEH支援を継続
 

ZEHの普及推進は、昨年度に引き続き経済産業省・国土交通省・環境省の3省が一体となって推進されます。環境省は「引き続き供給を促進すべきZEH」として注文・建売住宅等の従来のZEHを、経済産業省は「将来の更なる普及に向けて供給を促進すべきZEH」としてより高性能なZEH+(プラス)を、国土交通省は「中小工務店が連携して建築するZEH」として地域型住宅グリーン化事業を通じた支援を行います。

 

 2019年度3省連携事業 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス推進に向けた取り組み  https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/zeh/pdf/pamp2018.pdf

 

 

環境省 「初めてビルダー」 に優先枠
 

環境省では、ZEHの要件を満たす一戸建住宅の新築・改修に対し、昨年と同様に1戸当たりで定額70万円を補助します。加えて、蓄電池については別途2万円/kWh(上限20万円かつ、補助対象経費の3分の1以内)、CLT(直交集成板)などの低炭素化に資する素材を構造耐力上主要な部分に一定量以上使用し、または地中熱や太陽熱を利用する先進的な再エネ熱利用技術を活用する場合は、定額90万円が追加で補助され、最大で180万円が補助されます。また、寒冷地や低日射地域、多雪地域を対象とした「nearly ZEH」、都市部狭小地での2階建て以上の住宅を対象とした太陽光発電システムなどの再エネ設備の導入を求めない「ZEH Oriented」も引き続き支援されます。
公募方法は予算額枠内の抽選制で、事務局となる(一社)環境共創イニシアチブに対して定められた期日内に申請を行う必要があります。1次公募は6月3~7日で実施される予定で、約1,750枠が想定されています。2次公募は7月1~5日、3次公募は8月5~9日のスケジュールの予定です。
また、更なるZEHの普及を推進するため、今年は一般公募とは別に新規にZEHに取り組む中小工務店「初めてビルダー」への枠が約1,000枠設けられ、抽選を経ずに交付が受けられます。交付決定を受けるまでにZEHビルダーへの登録が必要で、1ビルダー1枠が対象です。手続きは、5月7日~6月14日の間に予約申請をした上で、6月3日~7月12日に交付申請を行います。なお、この予約申請は建築主が未定でも可能です。

 

経済産業省 「ZEH+R」の新設を検討
 

経済産業省では、引き続き「ZEH+」を支援します。これには、ZEHよりも一次エネルギー消費量の削減率を5%以上高めた上で、外皮性能の更なる強化、高度エネルギーマネジメントの導入、電気自動車を活用した自家消費の拡大措置の3つの要件のうち、2つ以上の採用が求められます。補助額は1戸当たり定額115万円で、環境省と同様の追加加算も可能で、補助額は最大で225万円となります。また、「nearly ZEH+」についても同様となります。
採択方式は、ビルダーごとの事前枠付方式となり、5月20日~6月3日に実施される提案応募に基づき設定された補助対象件数内で、7月1日~9月30日に応募します。
更に、停電時のレジリエンスを強化した住宅「ZEH+R(レジリエンス)」への支援が検討されています。これは、ZEH+の要件に加え、主たる居室をはじめ停電時に使用可能なコンセントを3カ所以上設置するとともに、4kWk以上の蓄電要領がある蓄電システム、自立制御電源を確保した太陽熱利用温水システムのいずれか、または両方を導入する必要があります。こちらは5月13~24日に公募が実施される予定です。

 

国土交通省 Ⅱ期募集は先着順方式へ
 

中小工務店が連携して建築するZEHについては、ZEHの施工経験が乏しい事業者に対する優遇措置として、「地域型住宅グリーン化事業」として国土交通省が行います。同事業は、地域における木造住宅の生産体制を強化し、環境負荷の低減を図るため、地域工務店と流通事業者、建材メーカーなどがグループを組み、協力して良質な住宅建築を進めるもので、長期優良住宅や認定低炭素住宅とともにZEHについても補助を行います。補助額は、かかり増し費用の2分の1以内、かつZEH施工経験4戸未満の工務店で戸当たり140万円、4戸以上は125万円を上限としているほか、主要構造材の過半で地域材を使用する場合には20万円、三世代同居対応工事を実施する場合には30万円を上限として加算することができ、補助額は最大で190万円となります。
採択額を余らせて他グループの活用機会を奪うケースがあったことを踏まえ、今年度はルール変更が行われ、ZEH等の供給戸数の確保が図られています。具体的には、前年度実績が採択・配分へ大きく反映されるほか、募集期間を7月上旬~10月末のⅠ期と11月上旬~2月上旬のⅡ期に分け、Ⅰ期は従来通りグループごとの事前枠付与方式となります。その上で、Ⅰ期で未使用の枠は失効とし、Ⅱ期は先着順方式が取られます。ただし、Ⅰ期で年度内執行を希望する未経験配分額の一部は、当該グループの配分として残ります。
また、グループ内の2015~2018年の期間で本事業を活用したZEH等の供給戸数が3戸以下の未経験工務店が、グループ内の工務店数に応じた一定の戸数を活用した場合、Ⅱ期よりグループ内すべての工務店の活用上限戸数が緩和されます。
今後、4月下旬~5月下旬にグループ公募が開始され、7月上旬に採択が予定されています。