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内閣府 南海トラフ地震発生に備えた 防災対応検討ガイドラインを策定

巨大地震発生の恐れがある場合の対応を策定
 

政府は3月29日、「南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドライン(第1版)」を公表しました。南海トラフ地震は、東海沖から九州沖の海底に延びる溝状のトラフに沿って発生が予測されている巨大地震です。今後30年以内の発生確率は70~80%、「東海」「東南海」「南海」の大地震が同時もしくは連動して起こった場合、最大でM(マグニチュード)9級の地震が発生、30メートル超の津波を引き起こす可能性が指摘されています。
本ガイドラインは、基本的な考え方と国が発表する情報の流れを記した「共通編」、地方公共団体の検討手順を記した「住民編」、企業等の検討手順を記した「企業編」の3編からなります。南海トラフ地震の発生可能性が高まった場合に行うべき防災対応を検討し、あらかじめ計画を策定するために参考となる事項等がまとめられています。
「共通編」では、南海トラフ地震の発生が考えられ防災対応を取るべきケースとして、東西に長い想定震源域内の片側でM8.0以上の地震が発生し、大きな後発地震が連動して発生する恐れがある「半割れケース」、M7.0以上M8.0未満の「一部割れケース」、プレート境界の固着状態が明らかに変化している「ゆっくりすべり」の3ケースが想定されています。これらの異常な現象が確認されると、気象庁が最短30分後に「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」を発表、有識者らが現象を評価します。その後、最短で約2時間後に「半割れケース」の場合「巨大地震警戒」、「一部割れ」「ゆっくりすべり」では「巨大地震注意」と、区別して臨時情報が発信されます(図1)。
このうち、「巨大地震警戒」が発表された際は、最初の地震発生から1週間を基本として、地震への備えの再確認等を実施するとともに、地震発生後の避難では明らかに間に合わない地域の方や要配慮者の避難を進め、それ以外は個々の状況等に応じた自主的な避難を進めるとしています。後発地震が発生しないまま1週間が経過した場合は、国から最も警戒が必要な期間が終了したことが呼びかけられ、避難を解除しつつ更に1週間にわたり地震の発生に備えることを求めています。更に1週間が経過すると、通常の生活に戻ることなどが発表されます。

 

 

企業には事業継続の検討を求める
 

「住民編」では、住民一人ひとりが防災対応を検討・実施することを基本としています。その上で、自治体に対して津波避難が間に合わない地域等の避難のあり方や、避難所の確保等を検討するよう求めています。具体的な巨大地震警戒対応として、避難場所・避難経路や家族との安否確認手段、家具の固定、非常持ち出し品の確認といった日ごろからの地震への備えの再確認などについて、機会をとらえて周知し、住民に対して実施を促すことを求めています。そのほか、津波到達時間を想定した上で、避難可能範囲や事前避難対象地域、避難対象者の特性に応じた避難速度の設定の検討や、1週間程度の避難生活ができる避難所を選定する必要があります。
「企業編」では、企業に対して個々の状況に応じて従業員の生命の危険の回避や危険物取扱施設の確実な点検の実施といった、臨時情報が発表された際の適切な措置を実施した上で、できる限り事業を継続することが望ましいとしています。その上で、地震に対する自社のぜい弱性を認識してBCP(業務継続計画)を確認し、人的・物的資源が一部制限されている中で、企業活動を1週間どのように継続させるか検討することを求めています。
具体的には、出社できない可能性がある従業員を把握し、業務に必要な人員の再配置などのほか、輸送ルートの内陸部への変更、燃料貯蔵や車両燃料の常時満タン化、津波浸水地域からの貨物や輸送機器の移動、定期的な重要データのバックアップといった措置を検討するよう求めています。

 南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドライン(第1版)
 http://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/index.html