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国土交通省 次世代住宅ポイント制度 消費増税にともなう住宅取得支援策の概要

 3月27日に2019年度予算が国会で可決され、成立しました。住宅関連では、今年10月に予定されている消費税10%への引き上げの負担軽減を図るため、多くの住宅取得支援策が取られています。今回は、新たに創設された「次世代住宅ポイント制度」をはじめ、支援策のポイントについてまとめました。

 

「次世代住宅ポイント制度」を創設
 

2019年10月1日、消費税が現行の8%から10%へ引き上げられる予定です。政府は、前回の3%引き上げの経験を生かし、あらゆる施策を総動員し、経済に影響をおよぼさないよう全力で対応するとしています。特に、消費税負担が大きく感じられる住宅や車といった大型耐久消費財について、税制・予算措置が講じられています。
住宅については、一定の省エネ性、耐震性、バリアフリー性能を満たす住宅や、家事負担の軽減に資する設備がある住宅の新築やリフォームなどに対し、様々な商品等と交換できるポイントを発行する「次世代住宅ポイント制度」が新たに創設されます。1ポイントは1円相当で1戸当たり、新築は35万ポイント、リフォームは通常30万ポイントが上限となります。このポイントを使用して「環境」「安全・安心」「健康長寿・高齢者対応」「子育て支援、働き方改革」に資する商品等と交換できます。なお、具体的な商品については今後公募によって選定されますが、2014年の「住宅エコポイント」と異なり、追加工事等への充当はできません。

 

新築住宅は35万ポイントが上限
 

新築住宅の建築や購入については、自ら居住する住宅のみが対象となります。断熱等性能等級4または一次エネルギー消費量等級4以上を満たす「エコ住宅」をはじめ、劣化対策等級3かつ維持管理対策等級2以上を満たす「長持ち住宅」、耐震等級2以上または免震建築物の「耐震住宅」、高齢者等配慮対策等級3以上である「バリアフリー住宅」のいずれかの要件を満たす場合、1戸当たり30万ポイントが付与されます(図1)。これらに加えて、認定長期優良住宅や低炭素認定住宅、性能向上計画認定住宅、ZEHとなる場合は、更に優良ポイントとして5万ポイントが加算され最大で35万ポイントとなります。
そのほか、旧耐震基準の建て替えについては15万ポイントが付与されます。これには、旧耐震基準の住宅を2018年12月21日以降に除却し、除却工事の発注者と新築住宅の所有者が同一であることなどが条件となります。この際、除却住宅と新築住宅の敷地が別でも対象となりますが、分譲事業者が除却する場合は対象外となります。
また、ビルトイン食器洗機・自動調理対応コンロや、浴室乾燥機、掃除しやすいレンジフード・トイレといった家事負担の軽減に役立つ住宅設備については、設備の種類に応じたポイント数の合計が発行されます。なお、設置台数が増えてもポイントの発行数は変更されません。

 

 

リフォームは最大60万ポイント
 

リフォームについては、賃貸住宅も対象となります。リフォーム工事ごとに設定されたポイント数の合計が、1戸当たり30万ポイントを上限として発行されます(図2)。ただし、2018年12月21日時点で40歳未満の世帯、もしくは、同時点で18歳未満の子を有する世帯、申請時点で18歳未満の子を有する世帯である「若者・子育て世帯」がリフォームを行う場合は、45万ポイントが上限、更に、同世帯が自ら居住することを目的に既存住宅を購入し、売買契約締結後3カ月以内にリフォーム工事の請負契約を締結した場合は、上限が60万ポイントに引き上げられます。また、同世帯に該当しなくも、「安心R住宅」を購入し同様の条件でリフォーム工事を実施する場合は、45万ポイントが上限となります。
対象となる工事は、開口部や外壁などの断熱改修、耐震改修、バリアフリー改修、家事負担軽減設備の設置などで、工事内容に応じてポイントが設定されています(図3)。そのほか、リフォーム瑕疵保険への加入やインスペクションの実施なども対象となります。
なお、若者・子育て世帯が自ら居住する用に既存住宅を購入して税込100万円以上のリフォームを行う場合は、①~⑥のリフォーム工事以外についても対象となり、その場合は10万ポイントが発行されます。そのほか、自ら居住することを目的に既存住宅を購入し、売買契約締結後3カ月以内にリフォーム工事の請負契約を締結して工事を行う場合は、①~⑧のリフォーム工事の各ポイントが2倍となります。

 

ポイントの発行手続きは6月開始
 

ポイントの発行申請は、原則、対象となる住宅の所有者が行いますが、建築工事の請負事業者や分譲事業者が代理で行うことも可能です。申請は工事完了後に行いますが、「注文住宅の新築」「新築分譲住宅の購入」「1,000万円(税込)以上のリフォーム」については、工事完了前であっても、必要な書類が整い次第申請を行うことができます。なお、工事完了前に申請を行う場合は、工事完了後に完了報告の提出が必要となります。完了報告書類が提出されない場合は、取得したポイント相当分を返還する必要があります。
「新築分譲住宅の購入」の場合は、分譲事業者によるポイントの予約申請が可能です。この場合についても、対象住宅の所有者となる方が決まり次第、申請を行う必要があります。
ポイント発行申請手続きの基本的な流れは、申請者が事務局に対してポイント発行申請を行い、ポイントが発行後、再度事務局に対しポイントの商品交換申請を行います。事務局は、交換商品提供事業者に対し交換商品の提供を依頼し、同事業者より申請者へ交換商品が提供されるというものになります。ポイントの発行申請は今年6月ころより開始となる予定で、申請状況によりますが遅くとも2020年3月末に締め切りとなります。なお、ポイントの交換申請は2019年10月ころより行えるようになる予定です。工事完了前に申請した場合は、一戸建住宅の場合は2020年9月末まで、10階以下の共同住宅は2021年3月末まで、11階以上の場合は2021年9月末までに完了報告を行う必要があります。

 

既存の住宅取得支援策を拡充
 

そのほか、住宅ローン減税をはじめ、すまい給付金、住宅取得等資金の贈与税の非課税措置等についても拡充措置が取られ、次世代住宅をポイント制度と合わせ10月1日以降の購入にメリットが出るようになっています(図4)。

 

 

住宅ローン減税は3年間延長
 

従来の住宅ローン減税とは、借入金年末残高の1%を購入から10年間にわたり減税するものです。今回の施策では、2019年10月1日から2020年12月31日までの間に居住の用に供した場合に、控除期間が10年から13年に延長され、増税負担分の範囲で税額が控除されます。
具体的には、11年目以降の3年間で消費税2%負担分の控除額の上限を設定し、借入金年末残高の1%、もしくは建物購入価格の2%分を3で割った額のいずれか小さい額が控除されます(図5)。

 

 

すまい給付金は最大50万円
 

すまい給付金は、住宅ローン減税の拡充措置を受けても効果が限定的な所得層に対し、住宅取得にかかる消費税負担増を緩和するため、収入に応じ現金を給付する制度です。消費税の引き上げに伴い、2021年12月までに引き渡しを受けて入居した方を対象として、所得階層が現行の510万円以下から775万円以下に拡充されるとともに、給付額も450万円以下の場合で最大50万円にまで引き上げられます(図6)。

 

 

贈与税の非課税措置は3,000万円
 

自己の居住用に住宅の新築や購入、増改築等のために、父母や祖父母などの直系尊属から金銭を贈与により取得した場合に、一定の金額までの贈与について贈与税が非課税となります。2019年4月から2020年3月の期間において、省エネルギー性の高い住宅、耐震性の高い住宅、バリアフリー性能の高い住宅のいずれかの性能を満たす住宅を取得する場合は3,000万円、それ以外の一般住宅は2,500万円が非課税となり、以降、契約年に応じて引き下げられていきます(図7)。
なお、親の年齢が60歳未満であっても相続時清算課税制度を選択できる特例措置についても、2021年12月31日までの贈与に適用されます。

 

 ※ 図1~7は国土交通省資料より作成