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林野庁 2018年度予算概算要求 林業成長産業化総合対策を新設

 農林水産省は8月31日に2018年度予算概算要求を財務省に提出しました。同省全体の要求額は対前年度比15.0%増の2兆6,525億円で、このうち林野庁関係としては同20.7%増の3,566億円を計上しています。今回は、林野庁関係の2018年度予算概算要求の内容についてまとめました。
 
 
JAS無垢材の利用拡大へ
 

林野庁の2018年度予算概算要求額は、前年度比20.7%増の合計3,566億円となりました。
重点事項としては、新たに設置する林業成長産業化総合対策に300億円、建築物の木造・木質化及び木材産業活性化総合対策に7億円(前年度比24.8%増)、木材需要の創出・輸出力強化総合対策事業に9億円(同12.4%増)などが掲げられました。
重点事項の筆頭に掲げられた林業成長産業化総合対策では、森林資源を循環利用して林業の成長産業化を図るべく、川上から川下までの取組を総合的に支援するとしています。この中で、川下である工務店様や設計事務所様といった木材需要者への対策として、JAS無垢材利用拡大対策(5億円)が示されました(図1)。
具体的には、非住宅分野における木造建築の市場を開拓するため、品質や性能が明確なJAS機械等級区分製材やJAS枠組壁工法構造用製材(2×4材)を積極的に活用する「JAS無垢材活用拡大宣言」を行った事業者を登録し、支援する制度の創設が盛り込まれました。また、同宣言を行った登録事業者による、木造非住宅分野においてJAS材利用の利便性や効果などを実証する取組を支援することなどを掲げています。
同じく林業成長産業化総合対策では、川上である森林所有者や素材生産業者などに対して、意欲と能力のある経営体を補助対象として重点的に支援するとしています。それにより、森林の管理・経営を集積・集約化するという新たなスキームの下、路網整備や主伐・再造林の一貫作業などの推進を支援する方針です。川中である製材事業者に対しては、木材加工流通施設や木質バイオマス関連施設などの整備を支援するとしています。

 

 

CLT促進や無垢製材品の利用強化も

 

建築物の木造・木質化及び木材産業活性化総合対策では、中高層の建築物などに活用できるCLTなどの利用促進に向けて、設計・施工ノウハウの横展開を可能とする協議会方式によるCLT建築物の設計・建築の取組や、新たな製品や技術の開発を支援するとしています。
また、無垢製材品の利用強化を図るべく、A材丸太を原材料とする付加価値の高い構造材、内装材、家具、建具などの製品開発や普及啓発などの取組を支援するほか、無垢製材品の香りや柔らかさ、温もりなどの良さについて、定量的な計測や分析を実施するとしています。

 

木材製品の輸出拡大を支援
 

木材需要の創出・輸出力強化総合対策事業では、林業の成長産業化に向けて、木材需要の創出と共に木材製品の輸出拡大を両輪として進めることが重要であるとして、企業間の連携によるモデル的な輸出への取組や、日本産の木材製品の普及・PRなどの取組を支援することが示されました。
また、5月に施行された合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(クリーンウッド法)に基づき、年内に開始予定である木材関連事業者の登録制度の利用を促進するほか、合法伐採木材の普及啓発や国内外における関係情報の収集・提供を実施するとしています。

 

林野庁
2018年度予算概算要求の概要
http://www.rinya.maff.go.jp/j/rinsei/yosankesan/30gaisan.html