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隈研吾氏設計の住宅を出展した「ストリート・オブ・ドリームス2017」 ステキアメリカがベスト・オブ・ショウを受賞

 ナイスグループのアメリカ現地法人であるステキアメリカは、アメリカ・オレゴン州で開催されたアメリカ屈指の高級住宅イベント「ストリート・オブ・ドリームス2017」に、世界的な建築家である隈研吾氏がデザインを手掛けた住宅を「SUTEKI」というブランドで出展しました。この住宅は、イベント期間中に行われたコンペにおいて最も栄誉のある賞とされる「ベスト・オブ・ショウ」をはじめ、合わせて4つの賞を受賞しました。
 
 
5万人を超える来場者でにぎわいをみせる
 

ナイスグループは、アメリカ・オレゴン州ポートランドで7月27日~8月27日まで開催された高級住宅イベント「ストリート・オブ・ドリームス2017」(以下、SOD)に出展しました(図1)。
このイベントは、ポートランドで毎年夏に行われる高級住宅の展示会です。毎年、新たな住宅開発地を会場として、高級住宅の建築を得意とする地元のビルダーが高性能・高品質な住宅を建築し、有料(20ドル)で公開されます。展示された住宅は、一般公開中から分譲される仕組みとなっています。外観デザインや間取りプラン、住宅設備機器、建材、インテリアなど、アメリカにおける最先端のトレンドを発信していることから、住宅建築関係者にとって、新しいアイデアを発見するクリエイティブな場として定着しています。また、開催期間中には来場者らによる投票が行われ、評価の高い住宅が決定されます。
42回目となる今回は、ポートランド中心地からほど近いハッピーバレーの新興住宅地を会場として、5棟の住宅が展示されました(図2)。建物面積は約341~660㎡、金額は公表されたもので148万9,000ドル~189万ドルと、まさに「夢の住宅コンペ」と呼ぶに相応しい豪華さとなりました。
SODは住宅内部を自由に見学できる点が人気を集めており、今年は5万人を超える来場者があり、会場は多くの来場者でにぎわいました(図3)。

 

 

 

 

 
「SUTEKI」ブランドで出展
 

ナイスグループが出展した住宅「SUTEKI」は、世界的な建築家の隈研吾氏によるデザインで、敷地面積約1,900㎡、延べ床面積440㎡の2階建ての住宅です。構造はLDKから縁側、庭園につながる部分は鉄骨造とし、それ以外を木造とする混構造とし、周辺の自然と建物を一体感を持たせて融合させるという隈氏の思い描く空間を実現しました。
1階には、2層吹き抜けで最高天井高が約5.5mという開放的なLDK(約34帖)と主寝室、書斎、ガレージが、2階にはプライベート空間としてのリビングと寝室が備えられています(図4)。建物の北東側には、海外で最高の日本庭園と評される「ポートランド日本庭園」の技術主監である内山貞文氏が手掛けた庭園が広がっています(図5)。
敷地の形状を生かしてL字型に配置をした建物は、まるで美術館を思わせるようなシャープで落ち着いた建物となっています(図6)。

 

 

 

 

クロスカルチャーとサステナビリティーを提唱

建物の設計に当たっては、「クロスカルチャー(異文化の融合)」と「サステナビリティー(持続可能性)」をコンセプトとしています。その具現化として、日本の伝統的な建築様式や文化、素材と、北米のライフスタイルや文化、素材、最新の住宅設備機器を融合し、周辺の豊かで美しい自然と室内に一体感を持たせました。具体的には、建物の内外と自然を一体として感じさせる工夫を施しています。コーナーサッシを多用することで深い庇と縁側に囲まれた空間を設け、自然と建物の調和を生み出しました。
また、地元産のアラスカ・イエローシダーでつくられた縁側は、人間が自然と対話できる中間領域として建物と庭園を結び付けています。更に、庭園沿いに連なる深い庇と大きなスライドガラスパネルは、周りの景色をLDKへと取り込むつくりとなっています。そのため、造園設計を行った内山氏は「借景」の技法を用いて、庭園をまるで屋内の部屋の一部のように感じさせるような庭づくりを行いました(図7)。
道路に面した南西側の外装は、アラスカ・イエローシダーの縦ルーバーを施し、建物そのものに柔らかな陰影を生み出しつつ、外部からの視線を遮り、室内側の眺望を確保するという、まさに庭園側とは対照的なつくりになっています(図8)。
内装には、地元産のアラスカ・イエローシダーやホワイトオークに加えて日本産のスギ材も用い、サステナブルな素材でもある木材が効果的にデザインされています。
エントランスの外装壁パネルと玄関ドアには波打つような意匠が特徴的である日本の伝統的な装飾技術「なぐり加工」をイメージした「ステキウェービングウッド」が採用されました(図9)。
エントランスの左側、LDKにつながる廊下にはひときわ存在感のある「オリンピアウォール」があしらわれています。これは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムである新国立競技場の設計を手掛けている隈氏が、同競技場の壁に国産材のスギ材を利用していることから、木がサステナブルな素材であるということを表現する象徴的な意匠として用いたものです。ナイスグループの社有林である「ナイス徳島の森」から伐り出された森林認証材のスギ材をナイスグループの製材工場で加工し、最後は現地の職人による丁寧な手作業によりつくられました(図10)。
主寝室に続く廊下などにもアラスカ・イエローシダーの縦ルーバーを施し、木質化を図っています。これにより、木の温かみを感じると共に、心安らぐ内装空間が演出されています(図11)。

 

 

 

 

 

 

「ベスト・オブ・ショウ」 を受賞
 

SODのイベント開催期間中にはコンペが実施されました。プロフェッショナル(建築・建設の専門家)とリアルター(不動産流通事業者)、ピープル(一般来場者)の3つの部門に分かれ、それぞれ総合(ベスト・オブ・ショウ)、建築デザイン、インテリア、主寝室、ランドスケープ、キッチン、アウトドアリビングの7項目について投票が行われました。
イベントが終了した8月29日には受賞式が開催され、ナイスグループの「SUTEKI」は、日系企業として初めてプロフェッショナル部門の「ベスト・オブ・ショウ」に選ばれました。同賞はSOD各賞の中でも最も栄誉ある賞とされています。このほか、「建築デザイン」については3部門全てで受賞し、合計4つの賞を獲得しました。