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日本とEUのEPA交渉が大枠合意 木材製品の関税が7年間の段階的引き下げへ

即時撤廃を回避、8年目にゼロ関税
 

日本と欧州連合(EU)は7月6日に首脳協議を開き、経済連携協定(EPA)の締結で大枠合意に至りました。EPAとは、特定の国や地域の間で貿易や投資の自由化・円滑化を進める協定のことで、日本とEUでは2013年4月から4年以上に及ぶ交渉が重ねられてきました。
交渉の焦点には、自動車やワイン、チーズと並び、SPF製材や構造用集成材などの林産物が挙げられていました。2016年に結ばれた環太平洋パートナーシップ(TPP)協定では構造用集成材の関税(3.9%)が即時撤廃されたことから、EU側はEPAでも同様に即時撤廃を求めていました。しかしながら、構造用集成材は、TPP参加国から日本への輸入量はわずかであるのに対し、EUは輸入量全体の86%のシェアを占める日本にとって最大の輸入先となっており、即時撤廃による国内産業への影響が大きいことから、日本側による粘り強い交渉が行われてきました。
その結果、今回の大枠合意で、構造用集成材を含む林産物10品目における輸入時の関税について即時撤廃が回避され、EPA発効から7年間の段階的引き下げを経て、8年目に撤廃されることとなりました。

 

国産材の競争力向上へ
 

林産物10品目とは、SPF製材、構造用集成材、パーティクルボード・OSB、加工木材、くい及びはり、CLTを含むその他建築用木工品、たる・おけ、造作用集成材、針葉樹合板、広葉樹合板です(表1)。これらの関税は、EPA発効時から現行関税率の8分割した分を毎年減少させていき、8年目にゼロ関税となります。
また、日本からの輸出時における関税は、製材、合板など、木製品の全てで即時撤廃されます。
今後は、積み残した分野の交渉が続けられ、年内にも最終合意する見通しです。ただし、最終合意後にはEU加盟国全ての批准・承認が必要となり、過去の他国とEUでのEPAでは合意から2~3年後の発効となっていることから、今回も発効までには時間がかかると見られています。
今回の大枠合意を受け、山本有二農林水産大臣は、「農林水産業の国際競争力の強化と輸出産業への成長を目指し、万全の対策を講じる」とし、木材製品については「日本産の競争力を高めるため、加工施設の効率化や競争力のある製品への転換、原木供給の低コスト化などを推進する」としています。

 

 

農林水産省
日EU・EPAの大枠合意について
http://www.maff.go.jp/j/kokusai/renkei/fta_kanren/f_eu/index.html