1. TOP
  2. ナイスビジネスレポート
  3. 「未来投資戦略2017」を閣議決定 新たな住宅市場の創出や木材需要の拡大へ

「未来投資戦略2017」を閣議決定 新たな住宅市場の創出や木材需要の拡大へ

「Society5.0」の実現に向けて
 

政府は先ごろ、新たな成長戦略となる「未来投資戦略2017」を閣議決定しました。アベノミクスの第三の矢である成長戦略は、2013年より「日本再興戦略」として毎年定められてきました。5回目となる今回は、これまでの成果と課題が整理され、課題を打破し日本が世界で優位に立つための方策が指し示され、名称も「未来投資戦略」と新たになりました。
未来投資戦略では、狩猟、農耕、工業、情報社会に続く人類史上5番目の社会として、サイバー空間の積極的な利活用を通じて新しい価値やサービスを創出し、豊かさをもたらす「ソサイエティー5.0」が打ち出され、世界に先駆けて実現する改革などが掲げられました。
具体的には、IoT(モノのインターネット)、ビッグデータ、人工知能(AI)、ロボットなど「第4次産業革命」の技術革新を産業や社会生活に取り入れ、一人ひとりのニーズに合わせて様々な社会課題を解決するとしています。
柱となる「重点戦略分野」は、(1)健康寿命の延伸(2)移動革命の実現(3)サプライチェーンの次世代化(4)快適なインフラ・まちづくり(5)金融とIT(情報技術)を融合した「フィンテック」の5つとなっています。
これら重点戦略分野に「エネルギー・環境制約の克服と投資の拡大」と「ロボット革命/バイオ・マテリアル革命」と「既存住宅流通・リフォーム市場を中心とした住宅市場の活性化」の3つが加わった8つが戦略分野とされ、それぞれに目指すべきロードマップが掲げられています。

 

流通・リフォーム市場の活性化へ
 

既存住宅流通・リフォーム市場を中心とした住宅市場の活性化について具体的な施策として、昨年に続きインスペクションの普及促進や、良質な住宅ストックが資産として適正に評価される市場環境の整備が示されました。また、今夏より開始される既存住宅の流通促進に寄与する事業者団体の登録制度「安心R住宅(仮称)」の普及が新たに掲げられました(図1)。
空き家対策に向けては、官民連携による空き家の流通・利活用を促進するべく、所有者情報などを活用した空き家の利活用の仕組みの構築や、全国版空き家・空き地バンクの構築などが盛り込まれました。
IoTを活用した住宅や健康住宅といった次世代住宅の普及促進に向けて、家庭内機器や関連データの連携・活用を促進するモニター実証を実施し、通信機能に関する国際標準化に向けた提案などを来年を目途にするとしています。

 

 

CLTの利用促進で木材需要を拡大
 

地域経済の好循環システムを構築するための施策の一つである林業の成長産業化に向けては、新たに森林環境税(仮称)の創設の検討や市町村主体の森林整備のほか、ICT(情報通信技術)の活用による資源状況や境界の把握、需給状況の共有による木材のジャストインタイムの供給体制の構築などを挙げています。
木材需要の拡大に向けては、昨年に引き続きCLT(直交集成板)の活用に向けた施策が示されました。CLTを年間10万m3程度まで量産化し、コスト削減や中高層建築などへの利用の推進を図るとしています。また、国産材の安定的・効率的な供給体制の構築や、エネルギー源としての木質バイオマスの利用量の拡大、セルロースナノファイバーなどの国際標準化や製品化に向けた研究開発の推進が引き続き示されました。