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ナイス㈱仙台物流センター事務所棟 日本初となるCLTの平面混構造の建築物が上棟

 ナイス㈱は仙台物流センターの事務所棟について、日本で初めてとなる同一フロアにCLT(直交集成板)造と鉄筋コンクリート造を併用した平面混構造で建築を進め、11月12日に上棟しました。11月21日には上棟を記念したシンポジウムが開催され、宮城県の山田義輝副知事が来賓として祝辞を述べられたほか、設計や建築、木材産業、行政関係者など約200名が参加しました。

 

 

復興のシンボルとして日本初の建築物を建設
 

ナイス㈱仙台物流センターの事務所棟は、東日本大震災で6メートル超の津波に襲われ壊滅的な被害を受けました。事務所棟の新築に当たっては、復興のシンボルとなり、宮城県の木材産業の振興に寄与するよう、宮城県産スギを用いた宮城県初のCLT建築が計画されました。
CLT建築の大型化が進むヨーロッパでは、異素材とのハイブリッドが主流となっています。そこで、この仙台物流センター事務所棟も将来的なCLTの大型化と多様化に寄与できる・謔、、階段室を鉄筋コンクリート造とし、壁や2階の床、屋根にCLTを用いた日本初のCLTと鉄筋コンクリート造の平面混構造としました。自社で構造計算を行い、国土交通大臣の個別認定を取得し建築が開始されました。
設計と施工についてはナイス㈱建設事業本部が行い、7月21日に基礎工事を着工し9月8日に鉄筋コンクリート造部分の工事を終え、10月28日にCLTの建て方が開始され11月12日に上棟を迎えました。

 

CLT建築の普及に向けた新たな試みを実施
 

この建物に使用されたCLTは、宮城県内の製材工場で加工され宮城県の品質基準をクリアした「優良みやぎ材」の認証を受けたスギが使用されています。㈱山大が製材した挽き板(ラミナ)を銘建工業㈱がCLTに加工しました。
今回の建設にはプレカット前で80枚のCLTパネルが用いられ、材積は146.82m³となりました。この80枚のパネルは物流と施工の合理性を考えて、壁と屋根用の5層に重ね合わせたCLTパネル128枚と2階床用の7層に重ね合わせたCLTパネル34枚の合計162枚にプレカットされました。
CLTと基礎部分の接合については、基礎に埋め込んだアンカーボルトをCLTにプレカットした穴に挿入し、引きボルトで固定する例が一般的ですが、プレカットに高い精度が求められ施工性も下がることから、鋼製プレートを側面からビスやボルトで取り付けるという独自の方法が考案されました。
こうした取り組みによりCLTの建て方開始から上棟まで実質9日間という短工期となりました。
この建物の特長の一つは、内装をCLTの現しとしていることです。通常では室内側に接合金物を取り付けるところ、今回は室内側からは金物が見えないように側面から鋼製プレートで接合しています。断熱についても室内側に断熱材を施すケースが多いのに対し、今回は断熱材を外側に施す外断熱工法が採用されました。これにより、宮城県産スギの美しい木肌が現しとなり、木の香りに満ちた吸音性のある空間で、快適性が高まることが期待されます。

 

 

上棟記念シンポジウムを開催
 

11月21日には夢メッセみやぎにて「仙台物流センターCLT事務所棟 上棟記念シンポジウム」が開催されました。
秋田公立美術大学の小杉栄次郎准教授により「CLT建築の未来」と題した講演が行われました。講演では、断熱や耐火性に優れるCLTの特長を説明し、戦後の植林により豊富となった森林資源の活用のために、CLTを用いた建築が普及することが有効だとした上で、鉄筋コンクリートなどの異種の素材と合わせたハイブリッド構造によって、より大規模で高層の建築が可能になるなどと話されました。
シンポジウム後は、上棟した建物の見学会が行われました。上棟間もない建物が公開され、鉄筋コンクリート造との接合方法やCLTの施工方法や電気配線や配管、サッシの収まりなど実務的な解説が行われました。