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政府 「全国地震動予測地図2016年版」公表 太平洋側で大地震の確率が上昇

震度6弱以上の確率を地図上に表示
 

政府の地震調査委員会は6月10日、「全国地震動予測地図2016年版」を公表しました。これは今後30年以内に地震により震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を地図上に示したものです。
今回の公表は、2014年12月の前回の公表から1年以上が経過し、昨年4月には関東地域における新たな長期評価が示されたことから、新たな知見に基づいて情報の更新が行われたものです。
今回の予測値は2016年1月1日時点の内容となっており、「平成28年熊本地震」の影響については今後の改訂時に反映させる予定としています。

 

太平洋側を中心に最大2ポイント上昇
 

今回発表された予測値は従来の内容と同様に、全体的に太平洋側を中心として軒並み確率が高い傾向にあります(図1)。このうち、北海道の根室沖や十勝沖、東北地方の三陸沖北部、南海トラフなど太平洋側の海溝型地震が懸念されるエリアについては、2014年版よりも確率が最大2ポイント上昇しました。
代表地点において確率が高い順に見ると、1位は千葉市の85%、次いで水戸市と横浜市の81%、高知市の73%、徳島市の71%と続いています(表1)。全国の代表地点61地点のうち約4分の1に当たる16地点で確率が50%を超えるなど、日本各地で大地震が発生してもおかしくない状況となっています。

 

 

耐震化の重要性を訴える
 

関東地域の活断層における長期評価の結果を受けて、長野県北部から山梨県南部に延びる「糸魚川―静岡構造線断層帯」についての評価が19年ぶりに見直されました。これにより、中北部の一部区間は確率が比較的高くなる一方で、それ以外の区間では確率が下がっています。具体的には、長野県安曇野市では2014年版と比べて10.4ポイント上昇し、同県小谷村では12.6ポイント下落しています。
地震調査委員会長の平田直氏(東京大学地震研究所教授)は、「日本では確率がゼロとなるところは存在しない。確率の値は小さく見えてもひとたび大地震が発生すれば強い揺れに見舞われる可能性がある」とし、地震の危険性を改めて認識するよう訴えるとともに、建物の耐震化や家具の固定などの地震対策の必要性を指摘しています。
「地震動予測地図2016年版」は、防災科学技術研究所が運用するウェブサイト「地震ハザードステーション」において約250m四方単位で閲覧することが可能です。

 

 
 
地震ハザードステーション
http://www.j-shis.bosai.go.jp/