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経済産業省 ZEH普及へロードマップ策定

 経済産業省資源エネルギー庁では、「エネルギー基本計画」に盛り込まれたZEHに関する政策目標を達成するべく、「ZEHロードマップ検討委員会」を設置しZEHの現状と課題、対応策の検討を進め、このたびとりまとめを公表しました。今回は、ZEHの普及に向けたロードマップと合わせ、その内容をご紹介します。

 

ZEHの現状と課題
 

 ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、高い断熱性と高効率設備による省エネルギー化および再生可能エネルギーの導入により、年間での一次エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロまたは概ねゼロとなる住宅です(図1)。2014年に閣議決定した「エネルギー基本計画」において、「住宅については、2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す」とする政策目標が設定され、大手ハウスメーカーの中にはZEHを標準商品に位置付けている企業もあります。
しかし、「ZEH」や「標準的な新築住宅」の用語の定義が定性的かつ定量的に明確になっておらず、現状は各社が独自で検討して取り組んでいるのが実態です。また、ZEHについて一般消費者の認知度は低く、光熱費の削減効果や快適性・健康性の向上といったメリットが十分に訴求されていない状況にあります。

 

 

『ZEH』とNearly ZEHを定義
 

 今回のとりまとめによりZEHについて定性的かつ定量的に明確な定義付けがなされました。
定性的には、斜体とカッコ書きで表記する『ZEH』(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)が「外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギーにより年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの住宅」を表す言葉として定義されました。
また、新たな言葉としてNearly ZEH(二アリー・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)が定義され、「『ZEH』を見据えた先進住宅として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備え、再生可能エネルギーにより年間の一次エネルギー消費量をゼロに近づけた住宅」と位置付けられました。これによりZEHはとくに断りがない場合、『ZEH』およびNearly ZEHを含めた広い概念を表すものとなりました。
さらに、定量的な定義としては、『ZEH』及びNearly ZEHの両方に共通する基準として、平成25年省エネ基準を満たした上で、①UA値(外皮平均熱貫流率)が1・2地域では0.4W/㎡K以下、3地域では0.5W/㎡K以下、4~7地域では0.6W/㎡K以下を満たすことが必要となります。また、②再生可能エネルギーを導入すること、③再生可能エネルギーを除いて基準一次エネルギー消費量から20%以上を削減することが求められます。これに加え、④『ZEH』の場合は再生可能エネルギーを加えて基準一次エネルギー消費量を100%以上削減すること、⑤Nearly ZEHの場合は同じく75%以上100%未満削減することが必要です(図2)。

 

 

 このほか、エネルギー基本計画で定められた「住宅については、2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までに新築住宅の平均でZEHを実現することを目指す」という目標のうち、これまで具体的に示されていない「標準的な新築住宅でZEHを実現」の具体的基準について、「ハウスメーカー、工務店等が施工する新築一戸建住宅の過半数がZEHとなること」と明確に示されました。
 
 
工務店様の省エネ住宅ノウハウの確立へ
 

 今回のとりまとめにおいて、ZEHの普及にむけた今後の具体的な施策がロードマップとして示されました(図3)。来年度からはZEHの低価格化、一般消費者への浸透を確実に実施するため、『ZEH』を実現した住宅への税制優遇などのインセンティブの付与が検討されます。また、ZEH普及のためには工務店様の省エネ住宅の建築ノウハウの確立が必要不可欠であることから、2017年度までをめどに、省エネ住宅講習会などの取り組みへの支援を引き続き実施するとしています。さらに、ZEHのブランド化を図るため、類似制度との違いや関係性を明確にするなど一般消費者にとって分かりやすい情報提供を行っていくとしています。