現在位置:
HOME > 木材・建材販売について > 情報誌「ナイスビジネスレポート」 > 2018年(平成30年) > 10/15号 > 環境省 家庭部門のCO2排出実態統計調査を公表 一戸建住宅の省エネ化に窓リフォームが効果大
ナイスビジネスレポート

環境省
家庭部門のCO2排出実態統計調査を公表
一戸建住宅の省エネ化に窓リフォームが効果大

 環境省はこのたび、昨年度1年間にわたる約1万世帯への調査から得た家庭のCO2排出量を体系的に分析したデータを公表しました。今回はそのデータの概要をまとめました。

生活実態に関連づけた調査を初実施

 環境省は9月28日、「家庭部門のCO2排出実態統計調査」の調査結果(速報値)を公表しました。これは、家庭部門の詳細なCO2排出実態等を把握し、地球温暖化対策の企画・立案に役立つ基礎資料を得ることを目的に、昨年度から本格的な調査を開始したものです。同省がこれまで実施した同様の調査・統計では、家庭におけるCO2排出量やエネルギー消費量と、その説明要因となる居住人数や住宅の建て方、保有機器などが個別に調べられていましたが、今回は初めて体系的な調査が実施され、家庭におけるCO2排出実態の精緻なデータが得られたとしています。
 今回は、全国の約1万3,000世帯を対象に1年間にわたり調査をしています。調査項目は全496項目に及び、住宅については、建て方や建築時期、所有関係、延べ床面積、居室数、二重サッシ・複層ガラスの窓の有無などを調査しています。そのほか、世帯構成や、電気・ガスなどの月別のエネルギー使用量、太陽光発電の状況、照明や冷蔵庫、エアコンといった家電設備や、給湯・調理設備、車両の使用状況といった生活実態についても合わせて調査がなされています。

二重サッシ等で24%の省エネ効果

 今回の調査結果では、電気・ガス・灯油を合計した年間の世帯当たりCO2排出量は3.30二酸化炭素トンで、そのうち電気の使用に伴う排出が68.2%、都市ガスが13.0%、LPガスが5.5%、灯油が13.0%を占めています。また、エネルギーへの年間の支払金額の平均は17.1万円となりました(図1)。
 同省は、複層ガラスの窓等を採用することで、熱の出入りを抑制し、暖房・冷房のエネルギー消費を削減することができるとし、二重サッシまたは複層ガラスの有無とエネルギー消費量の関係についても詳細な調査がなされています。二重サッシまたは複層ガラスがすべての窓にある世帯は23%、一部の窓にある世帯は15%で、すべての窓にある世帯の年間エネルギー消費量は、ない世帯と比較して少ない傾向が見られたとしています。このうち、一戸建住宅における用途別で見た場合、暖房によるエネルギー消費量については、約24%もの差が生じるとしています(図2)。また、普及率については、気候が寒冷な北海道や東北、北陸などの地方の世帯や、建築時期が近年である住宅の世帯、年間収入や延べ床面積が大きい世帯などが高くなっているとしています。
 そのほか、省エネ意識の有無によりCO2排出量が増減することも裏付けられ、「炊飯器の保温機能を極力使用しないようにしている」世帯では、していない世帯よりも排出量が23%少なく、「家族が続けて入浴している」世帯は、していない世帯に比べ7%少なくなるとの結果が出ています。更に、単身世帯や夫婦世帯で比較した場合、高齢世帯が若中年世帯よりもやや多い傾向も裏付けられました。これは、一般に高齢者が暮らす住宅は広く、設備が古いことなどが理由として考えられるとしています。

家庭部門では排出量4割削減

 日本では、2020年以降の温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定が2015年に採択したことを受け、地球温暖化対策計画において、2030年度の温室効果ガス総排出量については、2013年度比で26.0%削減することが目標として掲げられています。このうち家庭部門では約4割を削減することが目安とされており、経済的で快適・健康的な低炭素な暮らしと、低炭素マーケットの拡大・創出が図られています。
 具体的には、ZEHをはじめとした住宅の省エネ化や、LED照明や冷蔵庫といった家電の省エネ化を支援しています。住宅については、2020年までに標準的な新築住宅で、2030年までには新築住宅の平均でZEHを実現するとの目標が設定され、環境省・経済産業省・国土交通省の3省で連携した取り組みが2019年度も引き続き進められます。
 更に、既存の一戸建住宅や集合住宅の所有者が、リフォームの際に住宅の断熱性・気密性の向上につながる複層ガラスの窓や樹脂サッシなどを採用する省エネリフォームを検討・選択しやすくなるための取り組みも進められています。その一環として、住宅を買いたい、借りたい人に向けて、省エネ性能が高い住宅が一目で分かる「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」などのラベリング制度の普及が図られています。
 同省は、自治体や企業、大学などが本データを活用し、CO2排出量の削減を促してほしいとしています。

 平成29年度 家庭部門CO2排出実態統計調査の結果(速報値)について
 https://www.env.go.jp/press/106004.html