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林野庁(一社)全国木材組合連合会 非住宅の木造化を後押し
JAS構造材利用拡大事業が本格スタート

 林野庁と(一社)全国木材組合連合会はこのほど、平成30年度「JAS構造材利用拡大事業」に関する全国9都市での説明会を経て、助成金交付に関する受付期間や手続き方法など、事業の詳細について公表しました。今回は、本事業の概要についてまとめました。

JAS構造材による非住宅を支援

 (一社)全国木材組合連合会(以下、全木連)は、JAS構造材を利用する事業者及び供給者を対象として、林野庁が推進する平成30年度「JAS構造材利用拡大事業」の受け付けを開始しました。
 「JAS構造材利用拡大事業」は、「JAS構造材活用拡大宣言」を行った木材産業や建築業等の事業者が、条件を満たす非住宅建築物の構造部分にJAS構造材を利用することを通じて、設計、調達、施工時におけるJAS構造材の利用に関する課題の抽出や改善策の提案を行うことで、使用したJAS構造材調達費用の一部について支援がなされる補助制度です。「JAS構造材活用宣言事業」と「JAS構造材個別実証支援事業」からなっています(図1)。  林野庁は同事業の推進により、いまだ木材利用が少ない非住宅分野において、品質や性能が明確に表示されていて、構造計算に効果的なJAS構造材を積極的に利用し、JAS構造材を使用する機運を高めることで、格付け実績を引き上げ、流通量を拡大することを目指しています。なお、本事業におけるJAS構造材とは、林産物のJASの中で格付け実績の低い機械等級区分構造用製材や2×4工法構造用製材(枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材、以下2×4材)、CLT(直交集成板)を対象としています。


JAS構造材の活用を宣言

 「JAS構造材活用宣言事業」は、工務店等の木材の実需者や、発注者におけるJAS構造材を積極的に活用する機運を高めるため、「JAS構造材活用拡大宣言」を募集し、宣言を行った事業者を登録・公表し、成果の見える化を図る制度です。
 宣言・登録を行える事業者は、工務店やハウスメーカーなどの施工業者をはじめ、設計者、木材流通事業者、製材事業者、店舗や倉庫のオーナーといった発注者となります。登録には、JAS構造材の活用をイメージできる「キャッチコピー」や3年程度の具体的な数値目標が明記されたJAS構造材活用拡大宣言登録申請書などを、2019年3月29日までに事務局である全木連に対して提出する必要があります。
 登録後は、全木連のホームページ上で公表され、どういった事業者がJAS構造材を取り扱っているかを検索することができます。

木材の調達費を助成

 「JAS構造材個別実証支援事業」は、上記活用宣言を行った事業者が、木造非住宅分野を中心にJAS構造材を活用して、類似事例が拡大することが期待できる建築を実証的に行う場合、JAS構造材の調達費の一部を、林野庁が支援するものです。
 機械等級区分構造用製材と2×4材への助成額は、@物件の申請時に予定した助成対象木材を使用する階ごとの床面積の合計(住宅部分を除く)に2,000円/uを乗じた額か、A実際に使用した階ごとの床面積の合計(住宅部分を除く)に2,000円/uを乗じた額、B加工費、運搬費を含む助成対象木材の調達費の3点のうち、上限100万円として最も低い金額が助成されます(図2)。ただし基本的には、構造部に使用されたJAS構造材が助成の対象となります。(機械等級区分構造用製材の場合は、土台・柱・梁桁での使用が対象となります。柱材での使用は一部でも構いませんが必須となります。)
 CLTについては、@物件の申請時に予定した助成対象木材の材積量に150,000円/m3を乗じた額か、A実際に使用した材積量に150,000円/m3を乗じた額、B加工費、運搬費を含む助成対象木材の調達費の3点のうち、上限1,500万円として最も低い金額について助成がなされます。
 組み合わせて使用する場合は、機械等級区分構造用製材と2×4材の併用は100万円が上限となりますが、機械等級区分構造用製材と2×4材のいずれかをCLTと併用する場合は、1,600万円が上限となります。


申請は1事業者当たり5物件

 申請の際には、上記活用宣言を登録した施工業者がメインとして申請する形となります。施工業者と連名で、設計者、流通事業者、製造者等が申請することも可能で、1事業者当たり5物件までの申請が可能です。ただし、連名で応募する場合は別の事業者として扱われます。
 今回の対象となる非住宅物件の条件は、建築基準法第15条1項の規定による建築工事届を提出し、かつ、建築主が国、都道府県、市町村に該当しないもの、主要用途が居住専用に該当しないもの、基礎より上部の部分において国からの助成を受けていないものとなっています。各地方自治体で実施されている県産材などの利用推進を図る補助制度などとの併用も可能ですが、交付金といった形で国の補助金が入っている場合は、併用できません。
 更に、公共建築物木材利用促進法の対象となる以下の建物についても、本事業では申請できません。
 なお、店舗併用住宅等は、建築物の中で面積を分けて、住宅部分を除いた非住宅部分だけでの申請は可能です。


個別実証支援事業の物件の申請は10月末まで

 個別実証支援事業の申請の流れとしては、最初に非住宅物件の申請を行います。非住宅物件が位置する都道府県にある木材業協同組合連合会(以下、県木連等)に、JAS構造材個別実証支援事業申請書(様式1号)を2018年10月31日までに提出する必要があります(図3)。これには、建て方終了予定日やJAS構造材の使用予定量等を明記する必要があります。そのほか、建築工事届のコピーと、申請物件の助成対象となるJAS構造材が判別可能な平面図や軸組図、梁伏せ図等の図面の提出が必要です。
 その後、事務局での審査を経て、採択となる場合は事業採択通知書(様式3号)が通知され事業開始となります。ただし、事業採択通知書を受け取る前に、事業申請者がJAS構造材の調達を行った場合は、助成金の対象とはなりません(図4)。
 JAS構造材を使用して建て方が終了した後に、助成金交付申請書(様式6号)を、物件の申請と同様に県木連等に提出します。合わせて、助成金交付申請額計算表(仮)、設計図面、木拾い表や領収書といった実際の調達費が分かる資料のほか、材料検収写真や、助成対象木材の施工後の写真、建て方終了後の全景写真といった記録写真、事業報告書などを提出する必要があります。助成金交付申請書の最終締め切りは、2018年12月21日となります。なお、事務局および県木連等は、必要と認めた場合は利用状況の確認など現地確認を行う場合があります。
 助成金交付申請書の審査が終わった後に交付決定通知書(様式7号)が通知されます。その後に、事業者が全木連に対して助成金交付請求書(様式8号)を提出することで、林野庁より助成金が交付される仕組みとなっています。




 (一社)全国木材組合連合会 JAS構造材利用拡大事業
 https://www.jas-kouzouzai.jp/