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ナイスビジネスレポート

政府
未来投資会議
林業・木材産業の成長産業化に向けた取り組みを発表

成長産業化に向けた改革を推進

 政府は5月17日、「未来投資会議」を開催しました。これは、アベノミクスの第三の矢である成長戦略について、革新的技術を生かした新たな需要の創出と、生産性革命をもたらすとともに、一人ひとりのニーズに合わせたサービスの提供によって社会課題を解決する「Society5.0」の実現を目指すもので、安倍晋三内閣総理大臣を議長として2016年に創設されました。第16回目の開催となった今回は、「AI(人工知能)時代の人材育成」「次世代ヘルスケアシステムの構築」「地域における生産性革命(林業の成長産業化)」について議論されています。
 「地域における生産性革命(林業の成長産業化)」については、ドローンなどの最先端技術を活用して林業の生産性を高めることが、地域経済活性化の大きな切り札になるとした上で、林業の大規模化の重要性が示されました。また、生産性の高い林業経営体の育成に向け、森林経営管理法案により、私有人工林の集積・集約を後押しするため、国有林の一定区域も含め長期、大ロットで事業を行うという方針が掲げられました。

私有人工林の経営を集約化

 今回の議論では、川上から川下に及ぶ施策が整理され、「原木生産の集積・拡大」「流通全体の効率化」「加工の生産性向上」「木材の需要拡大・利用促進」の4つの視点から、10年後に向けた林業・木材産業の成長産業化に向けた改革の工程表が示されています。約670万haある私有人工林のうち、集積・集約化がされている割合を現在の約3割から10年後には約5割に増加させるとともに、森林の管理等に必要な路網の整備とICT(情報通信技術)活用による生産性の向上を図ることで、私有人工林からの国産材供給量を現状の1.8倍となる2,800万m3とすることや、林業全体の付加価値生産額を、現在の2倍となる5,000億円とすることが、成長産業化に向けたKPIとして掲げられています。
 具体的には、「原木生産の集積・拡大」について、新たな森林管理システムによる経営管理を集積した上で、高い生産性・収益性を持つほか、主伐後の再造林を適切に行えるなど意欲と能力のある林業経営者を育成し、同経営体が集積することが見込まれる地域において、路網整備や高性能林業機械の導入を推進するとしています。更に、国有林においても、長期・大ロットで立木の伐採・販売を行うことを可能とする法制度を検討し、2020年度から試験的な導入を図るとしています。
 「流通全体の効率化」については、新たに設置するSCM(サプライチェーンマネジメント)推進フォーラムにより、川上から川下までの流通の各段階の事業者をマッチングが図られます。これにより、需給情報共有のためにICTを活用した、新たなサプライチェーンの構築を目指すとしています。更に、航空レーザー計測による立木や地形情報といった詳細な森林情報の把握、クラウドサービスによる資源、生産、需要情報の供給など、先端技術を活用したスマート林業の実践的取り組みを推進するとしています。
 これらの林業・木材産業の成長産業化に向けた改革は、「未来投資戦略2018」に盛り込まれる予定です。