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ナイスビジネスレポート

国土交通省・林野庁
木材利用・林業再生を推進
建築基準法一部改正と森林経営管理法案が閣議決定


  政府は3月6日、社会的要請等に対応した「建築基準法の一部を改正する法律案」、及び所有者が管理できない森林を市町村や林業経営体が預かり管理する「森林経営管理法案」を閣議決定しました。法案は、現在開催中の国会に提出され、会期中の成立が目指されています。

国土交通省
基準法一部改正で木材利用を推進

 建築物・市街地の安全性の確保、既存建築ストックの活用、木造建築物の整備の推進などに関し、国土交通省が社会的要請等に対応して規制見直しを進めてきた「建築基準法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。
 このうち、木造建築物の整備の推進については、循環型社会の形成や地域経済の活性化に向け、近年の技術開発を踏まえて建築物の木造・木質化に資するよう、建築基準の合理化が図られました。具体的には、耐火構造等としなくてよい木造建築物が、従来の高さ13m以下かつ軒高9m以下から、高さ16m以下かつ3階以下へと範囲が拡大されました。また、高さ16m超または4階以上の中層建築物においても、建築物全体の性能を総合的に評価することで、耐火構造以外が可能となりました。これにより、中層建築物において構造部材である木材の「現し」が実現できるようになります。更に、門・塀(2m超)における木材利用を拡大するため、これまでは防火・準防火地域については不燃材料としなければなりませんでしたが、今回の改正では一定の範囲で木材利用が可能となります(図1)。

老朽化した木造建築物の建て替えを促進

 建築物・市街地の安全性の確保については、老朽化した木造建築物の建て替え等による市街地及び建築物の安全性の確保や密集市街地の解消を円滑に進めるため、防火地域・準防火地域内において延焼防止性能の高い建築物の建ぺい 率を10%緩和するなどとしています。
 このほか、既存建築ストックの活用については、一戸建住宅等の福祉施設などへの用途変更に伴う制限などが合理化されています。

 「建築基準法の一部を改正する法律案」閣議決定
http://www.mlit.go.jp/report/press/house05_hh_000708.html
林野庁
林業の生産性向上を目指す

 林野庁が進める「新たな森林管理システム」を実行するための根拠法となる、「森林経営管理法案」が閣議決定されました。これは、所有者が管理できない森林を市町村や林業経営体が預かって管理する制度を創設する新法で、2019年度の施行が目指されています。
 具体的には、所有者の森林管理の責務について、「適時に伐採、造林または保育を実施することにより、適切な経営または管理を持続的に行わなければならない」と明確化されます。その上で、所有者が高齢であったり、遠隔に住むなどを理由に管理できない場合については、市町村が伐採等の管理を受託し、意欲と能力のある林業経営体に再委託するというものです。また、収益性が低いなど林業経営に適さない森林については、新設される森林環境税の財源などが充てられ、市町村が直接経営管理を行うといった内容が織り込まれます。

 農林水産省森林経営管理法案の概要
http://www.maff.go.jp/j/law/bill/196houritsu/attach/pdf/index-41.pdf
地震調査研究推進本部
南海トラフ巨大地震発生確率「70〜80%」へ

 政府の地震調査研究推進本部(地震本部)は、南海トラフ巨大地震が今後30年以内に発生する確率について、これまでの「70%程度」から「70〜80%」へと引き上げました。これは、2014年以来の引き上げとなります。
 地震本部では、「同じ場所で同じような地震がほぼ定期的に繰り返す」という仮定のもとに、大きな被害をもたらす可能性が高い、プレート境界やその付近で起きる地震(海溝型地震)、活断層で起きる地震について、地震発生確率値を含む長期評価結果を毎年1月1日の時点で計算し、公表しています。
 南海トラフ巨大地震の発生確率は、1946年の南海地震を基準に、平均発生間隔を約90年として算出しています。南海トラフ巨大地震はマグニチュード(M)8〜9クラスと想定されており、M8以上の巨大地震について今後30年以内の発生確率として「80%」が示されたのは初めてのこととなります。このほか、10年以内の地震発生率も「20〜30%」から「30%」に引き上げられています。50年以内の地震発生率については、「90%程度もしくはそれ以上」のまま据え置かれました。
 地震発生確率値は、想定した次の地震が起きない限り、年数の経過とともに増加していきます。そのため、今後、値が大きく変わることはないものの、地震調査委員会の平田直委員長は、「大きな地震の発生は確実に近付いているのであり、しっかりと備えてほしい」と述べています。