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ナイスビジネスレポート

木と住まいの大博覧会で特別セミナー開催
〜「ウッドデザイン」が拓く新たな暮らしと住まい〜

 6月25日、名古屋開催の「木と住まいの大博覧会」において、「ウッドデザイン賞2016」運営事務局による「『ウッドデザイン』が拓く新たな暮らしと住まい」と題した特別セミナーが行われました。今回は、審査委員を務める建築家の手塚由比氏とデザイナーの高橋正実氏、潟ニバーサルデザイン総合研究所の高橋義則氏の3名によるトークセッションの内容をお送りします。

消費者目線の新たな木材利用を


高橋(義) ウッドデザイン賞は林野庁の補助事業として2015年度よりスタートした顕彰制度です。木に関するあらゆるモノやコトを対象に、消費者の視点で新しい木材利用のあり方を探るとともに、国産材の利用拡大と木のある豊かな暮らしが一般に広がっていくことを目指しています。
 昨年度の審査を通じて、建築家とデザイナーという立場から木材利用の可能性についてどう感じられましたか。
手塚 審査会場に入った瞬間から木の香りに包まれ、木が世の中で再評価され、注目が高まっていることを肌で感じました。審査を通じて「木」をきちんとデザインして届けるという仕組みが世の中にできてきたことを感じ、大変嬉しく思いました。
 木は太陽や地球の恵みを受けて育ってきたことが木目に表れており、それらのエネルギーを感じることができる素晴らしい素材です。改めて木を見直し、現在の技術をもって利用していくことは大変意義のあることだと思っています。
高橋(正) 審査を通じ、広く木について考え、木がもたらす人々の生活の変化や未来の姿などが見えるようになってきたと強く感じました。木に対する意識が広くつながっていくことでプロダクトの分野では更に多様で新しいものが出てくると感じていますし、日常のものを木に置き換えていくことが世界でも見られるようになるのではないかと思います。

「住まいの耐震博覧会」 の受賞理由


高橋(義)2015年度のライフスタイル部門において優秀賞である林野庁長官賞を受賞したのが「住まいの耐震博覧会」です。今年から木材関連の展示を独立的に発展させ、「木と住まいの大博覧会」として開催されています。あらゆる住まいの情報や木の情報が一堂に会し、多くの方が情報をシェアできる点が評価され受賞となりました。
手塚 これだけ木に関する情報が総合的に揃う場所は他にはないと思います。インターネットを通じた情報に頼りがちですが、やはり実物を見ると見ないとでは情報量が全然違いますし、実際に触れ、人と話して情報を得ることが大事だと思います。木は人に寄り添っているものであり、改めて人と木の関係は自然な姿だと感じました。
高橋(正) 会場に来て木について再認識することが多くありました。特に木の価格は一般にあまり知られていませんが、素材から製品までの価格が直接分かる点も意義があると思います。また、大型バスに乗ってご家族で来場している姿や木育コーナーで楽しそうに遊ぶ親子を見て、次世代の教育という観点でも大変未来がある取り組みだと感じました。

人材育成が木の可能性を広げる


高橋(義) ウッドデザイン賞の重要なポイントの一つに、木を扱う人材を発掘し育てるという観点があります。
手塚 木造はこれまで住宅が中心となってきましたが、現在は法整備も進み、学校なども木造で建築が可能になりました。木の可能性が広がれば木に携わろうとする人材が増えることにつながります。新国立競技場が「杜のスタジアム」として木を多用して建設される予定ですが、これも木の良さが世の中に伝わるきっかけになると期待しています。
高橋(正) 日本は木に恵まれた文化であり、様々な技術を有しています。日本人である限り潜在的に木に興味を持っており、プロダクトや空間が一緒になって、日本ならではの木の魅力を発信することで、木の可能性を広げるとともに分野を超えてつながっていくことが大切です。

応募に当たってのポイントとは


高橋(義) 最後にウッドデザイン賞に応募いただくに当たってアドバイスをお願いします。
手塚 建築でもプロダクトでも、作品はつくり手の思いや情熱をエネルギーとして持っています。どういう思いでどのように愛情を注ぎこんできたか、そのストーリーを示してもらえると嬉しいです。
高橋(正) 作品や取り組みがその背景や歴史とともに、社会全体が幸せになる未来へとつながっていくものだと良いと考えています。それが様々な分野から出てくることで、ウッドデザインという大きな日本のブランディングの形として世界に発信していけるのではないかと思います。
高橋(義) 製品や取り組みが持っている価値やそこに至るプロセスなど、つくり手の思いを示していただくことが重要ですね。本日はどうもありがとうございました。