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ナイスビジネスレポート

2020年までに省エネ基準義務化へ 加速する省エネ住宅への対応

国土交通省・経済産業省・環境省が合同で設置する「低炭素社会に向けた住まいと住まい方推進会議」は、2020年までにすべての新築住宅・建築物を対象に省エネルギー基準への適合を義務付ける方針を打ち出しています。11月12日に開いた第2回会議のなかで「とりまとめ骨子(案)」が公表され、義務化の実現に向けた詳細が明らかになりました。これにより、住宅業界における省エネルギー住宅への対応が一層加速することが予想されます。
今回は「とりまとめ骨子(案)」の内容をまとめるとともに、今後の省エネルギー住宅の動向を探りました。

CO2排出量の現状認識

民生部門のエネルギー消費量3割以上

部門別最終エネルギー消費(2009年度速報) 経済産業省資源エネルギー庁の発表によると、民生部門のエネルギー消費量は、日本全体のエネルギー消費の3割以上を占めています。とくに、住宅の運用段階におけるCO2排出量がかかわる家庭部門のエネルギー消費量は、世帯数や使用する設備機器の増加など、ライフスタイルの変化とともに増加しています。
3割以上を占める民生部門のCO2排出量を削減するためには、住宅や建築物における省エネルギー対策を一層強化するとともに、再生可能エネルギーの導入などが求められています。

住宅・建築物の省エネルギー化に向けて

自然エネルギーや設備を考慮した基準

 骨子案では、CO2排出量の削減を図るには、「省エネルギー化」を住宅および建築物が備えるべき基本的な性能として位置付け、新築されるすべての住宅・建築物について省エネルギー基準への適合を義務化していく方針について、その詳細が明らかになりました。 義務化される省エネルギー基準は、現行の「次世代省エネルギー基準」ではなく、新たに設定される見込みです(右囲み参照)。「次世代省エネルギー基準」をはじめ、これまでの省エネルギー基準は断熱性を重視したものとなっていましたが、新たに設定される基準は、太陽光や太陽熱といった自然エネルギーの利用、冷暖房や給湯など省エネルギータイプの建築設備機器の利用なども含め、総合的なエネルギー消費量で評価することになります。

2020年まで段階的に義務化実施

 省エネルギー基準への適合の義務化は2020年までにすべての新築住宅および建築物について実施されることになります。義務付けの実施時期については規模別に段階的となる見込みです。住宅とオフィスビルなどの建築物に分け、それぞれ大規模(2,000u以上)、中規模(300〜2,000u未満)、小規模(300u未満)の順で、大規模なものから義務化していく方向で検討が進められています(住宅については下記の工程表を参照)。

誘導水準、 ラベリング制度も規定

 義務化を図る省エネルギー基準を実現可能な最低レベルとして設定する一方、より高いレベルとなる誘導水準も設定される見通しです。また、エネルギー消費実態を「見える化」するとともに、施主や住宅購入者、設計者、施工者などの各ステークホルダーが適切に比較できるよう、性能を表示するラベリング制度の導入も検討されており、エンドユーザーが住宅を選ぶ際の指標の一つとなると想定されます。 既存住宅・建築物については、過去にさかのぼって義務化を規制する措置は困難であるとし、補助金や税制優遇などの措置によって省エネリフォームを促進していく考えです。

住宅における省エネルギー基準適合義務化に向けた工程表(案)

太陽光や太陽熱の利用を拡大

太陽熱利用イメージ  地球温暖化の防止だけでなく、環境関連産業育成の観点からも、再生可能エネルギーの導入を拡大していく方針が示されています。今後、一次エネルギー(石炭や石油、天然ガスなど、自然界にあるままの形状で得られるエネルギー)の供給に占める再生可能エネルギーの割合を、2020年までに10%に引き上げることを目指すとしています。
そのため、住宅・建築物については、太陽光発電システムの搭載や、太陽熱・地中熱といった熱利用の導入促進を図っていくことが重要であるとしています。想定される取り組みの一つとして、省エネルギー設備の容積率の明確化などの規制緩和の推進のほか、太陽光発電システムや熱利用設備などの初期コストの低減といった導入支援策の実施を掲げています。

省エネのメリットを「見える化」

CASBEE  また、住宅・建築物の省エネルギー対策を講じることにより得られるCO2排出量の削減といった直接的な便益だけでなく、快適性や健康性の向上など、間接的に得られる便益についても「見える化」することで、国民の理解につながっていくとして、住宅・省エネルギー対策を適正に評価し、表示する制度の整備が必要としています。その取り組みの一つとして、CASBEE(建築総合環境評価システム)の普及促進が掲げられています。エンドユーザーが住宅の環境性能を検討する要素ともなり得ると考えられます。

2020〜2030年に目指すべき住まい

ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスを実現

目指すべき住まいの姿  骨子案のなかで、10年先、20年先を見据えた目指すべき住まいの姿についても示されました。その姿として掲げられているのが「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」です。ZEHとは、エネルギー利用の方法を工夫することで、一次エネルギーの年間消費量がゼロまたはおおむねゼロになる住宅を指します。エネルギー利用の工夫の具体的な方法としては、高断熱や高効率照明などによる省エネルギー性能の向上のほか、太陽光発電システムや太陽熱利用といった再生可能エネルギーの導入などがあげられます。
住宅については、2020年までに標準的な新築住宅でZEHを実現し、2030年までに新築住宅の平均でZEHを達成することが目標とされています。

LCCM住宅の早期実現も

ライフサイクルカーボンマイナス住宅(LCCM住宅)のイメージ図  さらに、CO2排出量削減の観点から、「ライフサイクルカーボンマイナス住宅(LCCM住宅)」についても、早期実現を目標とすることが打ち出されています。LCCM住宅とは、ライフサイクル全般で見た際にCO2の排出量をマイナスにする住宅のことです。生活時において一層の省エネルギー化を図ることによってCO2排出量をできるだけ減らし、さらに太陽光や太陽熱など再生可能エネルギーを利用してCO2排出分を上回るエネルギーを創出します。これにより、1年ごとの収支をマイナスとし、さらに建設時および廃棄時にかかるCO2排出量を少なくすることで、住宅の一生のCO2の収支をマイナスにしようという考え方です。実現すれば、長期的に見てLCCM住宅を建てれば建てるほど、環境負荷の低減に貢献することになります。木造住宅の建設時のCO2排出量は、鉄筋コンクリート造や鉄骨造と比べると最も少ないことから、LCCM住宅の実現に向けて、木造住宅に一層注目が集まってくることも考えられます。
LCCM住宅の実現に向けては、 国が(社)日本サステナブル建築協会に「LCCM住宅研究・開発委員会」を設置し、開発を進めているほか、民間においてもハウスメーカーや大手ビルダーをはじめとして、各社でLCCM住宅を開発しています。また、来年度からは、LCCM住宅の認証制度がスタートする見込みとなっています。

急ピッチでの対応が必要

 省エネルギー基準への適合義務化に向けて、太陽光発電システムをはじめとする新エネルギー機器の導入など、住宅の省エネルギー化の動きは今後、加速度的に進んでいくことが予想されます。一方、次世代省エネルギー基準への適合率は新築住宅全体の1〜2割程度と推計されており、さらに太陽光発電システムの導入などへの取り組みも工務店様においては多く見られていないのが現状です。ハウスメーカーや大手ビルダーが省エネルギー化に向けた取り組みを進めるなか、省エネルギー化に急ピッチで対応していくことが必要です。

ナイス(株)、省エネルギー住宅の普及促進に向けて新部署を設置

エコ関連会社商品を総合的に提案

 国は2020年までに1990年比で温室効果ガス25%削減を中期目標として打ち出しており、省エネルギー基準への適合義務化など、住宅の 省エネルギー化に向けた動きはますます加速していくと予想されます。
とくに、太陽光発電システムは2020年に2005年比で約21倍、高効率給湯器は同じく約33倍の普及が予想されています。 ナイス(株)では、これから普及拡大が見込まれる太陽光発電システムや高効率給湯器をはじめ、家庭用燃料電池、ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)など、省エネルギー住宅の普及に向けたエコ関連の商品について取り扱いを拡大、強化するため、新たに「エコ推進部」を設置しました。
今後、お客様の素適な住まいづくりに一層お客立ちを図るべく、商品の特徴や信頼性、コストなどを総合的に評価し、販売店様、工務店様に最適な商品をご提案してまいります。

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